2015年10月11日日曜日

天空の蜂(2015)

~NO サンダース YES プー~


〇はじめに  
 邦画ならではのストレートな感情吐露。これは原発問題に関する不透明性に対する皮肉にもなっているので、今回は逆にありだと思う。不透明性っつっても我々がただ良いものだけを見、悪しきを見ずってな話もあるわけだけど。  
 


〇こんな話 
 誰もが思ってる。蜂に刺されるより、蜂蜜を食べたい、と。

 蜂蜜が食べたい。でも自分では作れない。なら掻っ攫えば良いじゃない。

 蜂に刺されるリスクを覚悟してますか?

 馬鹿が、蜂から掻っ攫うんじゃねえ。誰かが蜂から掻っ攫ったのを掻っ攫うんだよ。バレねえようにな~(ゲスゲス)


〇想定外
 たった1つの事件だけで露呈する杜撰で甘いシステムの数々。責任転嫁のあれやこれ。いたちごっこ。ここがおもしろいのに・・・
その状況に至るまで、作りだすまでに目立ってしまう杜撰な演出といいましょうか・・・

 最初の子どもがヘリに乗りこんでしまうのが何ともな~。新型ヘリというのだから、情報漏洩やらに気を使っていただろうに。なぜか警備が1人も付いていない始末。入り口にもいない。子どもが入り込むことを想定していなかったとしても何ともお粗末に感じてしまう。守衛の子連れに対する皮肉だけでは物足りないだろう。後々の警備システムの脆弱性を絡めるのに必要であったわけだが。さらにはビッグBの異変に一番に気付いたのが開発者というのもな、納得いかないだろうな。
 せめて警備の者が子どもだからと甘やかすとかでもいいんでなかったのか(いやダメなんだけど・・・)。遠隔操作であれば、動かないはずのものがいきなり動くとなれば、想定外の事態と対処も遅れ、子どもがヘリの中に取り残されるのにもまだ合点がいくのではなかろうか。一回あしらわれての子どもの悪知恵でも良いか。
 とある状況に至るまでの道のりにおいて、腑に落ちないことがチラホラ。気になって仕方がない方がいるという事実。この事態、想定できなかったのだろうか。

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 いや、原発に関する問題だけでなく、そこら中に同じような事象があるってことで片づけられるんですけどね。人間ってのはそもそも怠ける生き物でね。快適に便利にってな思考で社会のシステムの至るところまで手を入れているわけですが、その本質は怠惰を求めてなんですよ。そこに不公平感、不平等感が介入してくる。むかつきますよね~。よりグータラしていきます。そのグータラが社会を縁の下で支えていると。いやいやそもそもそのグータラは上から降りてきたものじゃないか。戦いが始まります。どこから、どこが原因だったのかと。そして誰かしらが責任をとらされるわけですね。またもやむかつきますね。やってられるかと。

 野菜も食べなさいと言われていませんでしたか。そんな人たちがそのお説教から解放されるとどうなるのか。
「まずい、もういらない」

  まぁ~つまり、この世の中は搾取する側とされる側の2種類の人間で構築されているわけですね、はい。
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 それはさておき、この子どもが乗ってしまったからこそ起こる救出劇が何とも見もの。救出方法の提案をする側も原発問題に関しては現場の人間であるわけだが、救出隊からしてみればデスク側なわけで。画期的な策が発せられるわけだが、この策の成功のための調整部分は全て現場に委ねられる。ここの責任の曖昧さといいましょうかね。縮図になってるわけですは。
「事件は会議室で起きてるんじゃない 現場で起きてるんだ!!」
 

 最後の皮肉も好きだ。隠蔽だけは速いんだなこれ。保身に必死。バレなきゃいい。何かしら被害が出てしまった際は、どっかに責任を擦り付け合うグダグダ。時が過ぎるのを待つのみ。策を講じたが負け。やれやれだべ~。



〇問題提起  
 原発問題をぶち抜いたのは評価できる。しかし問題はどっから手をつけていいのやらって話になるわけで。日本人の特性として、ある事象に関して右に左にしきりに傾くってのが常で。そして片方に行きすぎると帰ってこないと。冷静な、客観的な判断が付きにくくなる。常に自らが多数派であるという勘違い及び前提を作り出し、思考や行動を開始する。困ったものだ。
 だが、彼らのおかげで問題が多少なりとも露呈し、注目され、議題となることも事実。善し悪しはあるが、起こり得なかった衝突が起こるわけで。どのような視点で、目線で、フィルター越しで、世の中を見つめていけばいいのだろうか。


〇最後に
 いや~おもしろかった。エンタメ性高めてここまでグサグサと。

 そうそう、プーさんの名前はサンダースではないらしいですよ。

 ではでは・・・



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