2017年2月12日日曜日

吐露かつお 3貫目


相棒 劇場版Ⅳに向けて~


 劇場版への布石となるということで相棒15の第13話、14話の前後編を鑑賞した。何故相棒Ⅳを観たいかと言えば、「くちびるに歌を」で大ファンになってしまった‟山口まゆ”が出るからで・・・


 扱われる題材は前後編にて一応完結しており、劇場版への繋がりは単に相棒2人と警備局長(これは劇場版の役職かな)山崎なんちゃらとの対立を煽りたかっただけのように思える。こちらを鑑賞しなくとも劇場版のみでも楽しめるように作られているだろうが、この山崎の手の平クルクル~と転身の速さは観ていて惚れ惚れする。そうそうこういう奴が出世するという説得力とイライラは頂点に達することだろう。
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 滝藤賢一もいずれ敵対する役で出してほしいな。「64」すばらしかったから。
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 まぁそれはさておき少しだけ内容の方を・・・

 クラウドソーシングなるものが題材としてあったわけだが、ここら辺のお話ってのは最近何かあったんでしたっけ?? DeNAのヤツ??? これもまぁいいや・・・

 おもしろかったのは守秘義務に関してのところだ。これがあるから安全であるとは言い切れないというところの描き方。

 立てこもり事件の対策室の内部が映し出される外で相棒2人がエレベーターを待ちながら事件に関して会話をしているシーンがある。とある企業の社長との会話でお互いに仕事柄守秘義務があるからと詳細な情報を提供しないわけだが、こういった畏まった場、形式的な場においては意識的に守られる規則が、別の場所に目を向ければ意図的に破っているわけではなく守られていない場合が存在する。エレベーターが満員だったのもここを意図していたのではないか。不特定多数の人間が署内を出入りしている。壁に耳あり障子に目あり、どこで誰が何を聞いているかわからない。そしてもしあの満員の中で話が為されていたら・・・という想起もあるのか。後に冠城が廊下で小耳に挟んだというシーンもあった。

 これがクラウドソーシングにおける人探しの話との兼ね合いになっている。探している人物の写真等の情報を公開して全国に存在するそのサイトの会員からの目撃情報を募るというもの。誰かしら何かしらから身を隠すために逃れている人間たちがそんな事情を余所に勝手に追われる身となる。サイトに掲載されている一方的で限定的な情報からむしろ追われる身となっている彼らを想い善意で行動している人もいるのかもしれない。

 追う側の会員情報(登録情報)は守秘義務によって守られいくらでも情報を提供できるが、追われる探される側はそれに対して全くの無防備である。追われる側からしたら追う側の正体は全くわからないし追われているかどうかもわからない。追う側が一方的に情報を有していることになる。追う側が圧倒的に有利になっている。これが恐ろしいところなのだろう。
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 この登録情報の場合は守秘義務というよりアカウントの正確性って方なのかな。捨てアカって単語が出てたからな。偽情報から真の情報を得るってな話か。
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 これが先ほどのエレベーター待ちの相棒2人と掛かっているところだろう。本人たちに自覚無く情報がダダ漏れになっている。話している当人たちには誰に聞かれているかはわからないが、聴いている人は確実に存在する・・・かもしれない。探される側からしたら姿を表に出すだけで誰かしらに目撃されていることになる。

 総じて、意識的に守られるべき守秘義務が、意図して意図せずとも追われる側ではなく追う側を守っている守ってしまっている・・・、という皮肉だろう。

 なんでもかんでもメリットばかりではない。本来意図しないことに使用、悪用されてしまうこともあるのだと。この導入としてスマホ(携帯)というものを位置付けていた。

 まずチェスの盤上を写メでパシャリとする右京さん。右京さんほどならその局面を覚えておけるだろうが、この場合右京さん本人の主観的な記憶頼みではなく、冠城という対戦相手とのフェアな立場での情報共有(証拠)としての機能を意識したのだろう。そんなところにも浸透している様を観せる。信用のおけるものとしてだ。


 そしてメールに従う者たちを観せる。通知された発信者からのメッセージだとして彼らは行動を開始する。この場合そのメールの内容を信じているというよりも、発信者に信用がおけるからメールの内容にも信用を置いているということになる。

 そんなことを踏まえさせられ電話に位置情報に・・・、何かと無意識に信用してしまっている、本来疑うべき確認すべきことをショートカットして物事に当たっている様を決定づける。名義と使用者は果たして一致するのかと。

 そんな対比として用いられているのが、逐一横槍を入れてくる相棒の2人なのだろう。彼らは何かと現地人(地元民)の証言を取り入れようとしていた。直接的なやり取り、本人とわかる者たちとのやり取り。

 便利さの弊害といったものを日常的に使用している物でうまく描き出していたのではなかろうか・・・




 女性の社会進出とともにか、家庭(家族)のあり方も「亭主関白」から「かかあ天下」へとシフトしてきているのかどうなのか・・・
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 この辺り皮肉ったのが「探偵なふたり」という韓国映画なんですけどおもしろかったので挙げときます。

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 どちらかというとメインはこちらになるのかな。官僚といったお偉いさんエリートさんたちというそれを推進・実践していくべき立場の人間たちが、そういった社会の動向とは全く逆の方向へと足を向けていると揶揄する。




 とりあえず山崎って奴にイラっとさせておくのがこの話の最低限の課題だったのかな。劇場版が楽しみである。







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悪女 AKUJO(2017)

~アクションは爽快~ 〇はじめに  韓国ではこの方はイケメンの部類なの? 〇想起する作品  「ニキータ」  「アンダーワールド」(2003)  「KITE」(2014)  「ハードコア」(2016)  「レッド・スパロー」(2018)...