~正義と嘘と真実~
〇はじめに
アリス・イヴで何とかもった(保った)感じかな・・・ 笑顔の多い役はそれはそれで堪らないんだけど、この作品のような逆に冷めた感じの、こもってない感じも抜群なんだよねこの人。起伏の無さがゾクゾクする。声質とトーンが絶妙なんだよ。作品としてはどうでもいいけどただただ彼女にもう一度会いたい。
〇想起する作品
「推定無罪」(1990)
「ディアボロス/悪魔の扉」(1997)
「ザ・イースト」(2013)
〇こんな話
正義のための嘘と正義のために見逃された真実。
〇正義と嘘と真実
正直なところこれまでにどこかであっただろう展開に実際にありそうのオンパレードで戦慄もクソもない。
初っ端から腑に落ちない。今まで潰されてきた案件があるだけに強敵であることを理解しつつ切り札となるのが違法に手に入れた証拠並びに1人の女性の証言だけというのが。そもそもその証拠となるものが改ざんされたものかもしれないという話にならないのがおかしいではないか・・・ 連勝街道をひた走る主人公だがお前はどうやって今まで勝ってきたのだ??? フォローが親友の助言だけじゃ弱いよ。
おそらく最初にその情報提供者である女性がデニングと一緒にいるところを観せ、誘拐されたと知るや即断するデニングを描くことで、鑑賞者に何やら親密な関係なのか想わせある程度その辺りの思考の補填というかショートカットを狙っているのだろうがさすがに無理がある。なぜなら主人公が手に入れた情報は終始彼女の口からのみだからである。誰と付き合っているのかというところに始まりである。実際の現場や証拠は一切押さえていない。元カノだろうが10年ぶり?だかにFacebookでコンタクトとってきていきなりあっていろいろとんとん拍子に事が運ぶ。いやいやいや・・・
ただ誘われるがままに流されるがままになってしまうだろう境遇(夫婦関係)は何とかアリス・イヴの冷めた感じが支えている。
訴えたいことはなんとなくだが感じる。
真実を解き明かすこと、真実を全て公表することというのが正義というところと繋がらない、必ずしも直結しないということなのだろう。
各々の思惑・陰謀が渦巻く中、段々と明らかになるのは元凶となるモノ、原因となるモノが取り除かれても尚事態が混沌を極めていったことだ。ここから見えることは、真実が先に立たないということである。その中で正義を追求する。追求しなければならない。これはどういうことなのか。
それぞれに掲げる信念がある、何かのため誰かのため。
正確には、
抱いている欲(エゴ)がある、何かの誰かのためというのを後ろ盾にした何よりも誰よりも自分のための。
いったい誰にとって正しいのか、誰にとっての正義なのか・・・
そもそも正義とは何なのか・・・
真実を求め正義を貫こうとする。本来この目的は2つを結びつけることにある。真実=正義であると。しかし正義を貫く上で時に嘘をつく必要があるという。その嘘の陰で見逃された真実が存在する。その中で辿り着いたモノは果たして何なのか。明かされたそれは正義とイコールで結びつくのか。結びついたとしてそれは両立できているのか。どちらを立たせた結果なのか。結びつかないとしてそれはいったい何を意味するのか。真実と正義とどちらが揺らいでいるのか、歪められているのか。どちらを立たせるべきなのか。
ついつい気になってしまう薬害問題の核心をつかないのも被害者を余所に戦っているこのざまを観せたかったからだと想いたい。
〇最後に
この作品を鑑賞後急激にアリス・イヴロスが訪れいている・・・
ではでは・・・
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