~神とは?人間とは?~
〇はじめに
クローン(技術)が神にのみ許された行為だとして、それを可能とした人間は神にはなれないのか。人間はどこへ向かうのか・・・
映画が描いてはいけない領域ってのがようわからんかったな。
〇こんな話
クローンは人間じゃない。
・・・では人間とは何なのか?
科学は神じゃない。
・・・では神とは何なのか?
〇神とは?人間とは?
クローンは神のみに許されている行為だと。
では人にはどこまでが赦されるのか?
ここで考える、どこまで他者が関与すべきなのだろうかと。今まで救えなかったはずの命が救えるようになったという見方に対して、彼らは本来産む力が無かった母親と、産まれてこれる力が無かった子どもだったと見ることはできないだろうか。死ぬはずだった命、淘汰されるはずだった命だと。それを医療・医学の進歩で救っている。
今まで救えなかった命を救えるようになったこれまでと、今救えない命をこれから救えるようになるかもしれない可能性を秘めたクローン技術とは一体何が違うのだろうかと。どちらも是とするのか、非とするのか。いや多くは前者を是と捉える人間たちで、後者を非と捉える者たちであろう。では何故前者を是とし、後者を非とするのか。ここに明確な線引きができる人間がいるのだろうか。
・・・輸血を禁じている宗教もありますね。その辺りで止まっている人たちもいるわけで。
家族という概念の話もされていた。クローンが蔓延すれば家族という括りが明確でなくなる。誰が親で誰がキョウダイなのかと。DNAという情報が滅茶苦茶になると。
では、家族でなければいけない必要性とは何なのだろうか?
家族で無ければ大事にしないのか、大切に想わないのか。
自らの子どもではないのに大切に世話している者たちが描かれている。そんな彼らの子どもは何やら事情があるようだが、家族外の者に手を差し伸べる事象なんていくらでもあるだろう。その人を思いやるときに家族であるから大切にする、家族でないからどうでもいい、といった見方をしているのかどうなのか。
哲学的命題で母親と彼女(父親と彼氏の逆も成立するか?)と1人しか助けられない場合にどちらを助けるかなんてものがあるが、ここで枷となるのが家族という概念である。産みの親、育ての親である「生まれてから今まで」家族であった母親という人間と、「これから」を共にしもしかしたら親(家族)となるかもしれない彼女とでどちらを大切に思うのかを天秤にかけているわけである。
家族という概念をどこで括るのか、どこに重きを置くのか・・・
神を後ろ盾とし、科学を否定しようとする人間の信ずる神が唱える愛とは何なのか。むしろこの家族という小さな括りがあるからこそ、それの外の人間に対して愛を向けられていないことがあるのではなかろうかと。クローンとは神にのみ許されし行為ではなく、神が不完全な人間に与えた愛という可能性なのではないかと捉えることはできまいか。
一番言いたいのは多分ラストなんだよね。クローンだろうが命を生み出した男が暴徒の1人に撃ち殺される。命を創り出した者と命を殺した者。クローンが倫理的に赦されるのか否か、の前のところがあるわけなんだよ。そもそもその倫理とは何なのか。踏み外してはいけないとされる枠組みはどのように作られ誰に適用されるべきなのか。ここで立ち返るわけなんだよね。クローン技術というところから、ではそのクローンの元となる人間とはいったい何なのかと・・・
それを踏まえ、もう止められない段階にあると・・・ 人類は新たな段階へ必然的に進む時が来たのだと・・・
差別主義者と非差別主義者の話もあるんだよね。差別主義者を是とはしないが、非差別主義者の非差別はどこにまで適用されるのか。よく非差別主義者が差別主義者を否定する構図があるが、それは果たして差別ではないのか。意図的に差別をする人間と、意図的に差別をしないようにと無意識に差別をしてしまっているものとでいったいどちらが罪深いのか。
〇余談
これは白毫を模してるのかな?
クローン問題で持ち出される神とは主にキリスト教のモノであって、では他の宗教における神(的な立場含む)ではどうなのか?
浄土宗かどっかが否定したんでしたっけ?
〇最後に
進化論を否定している宗教があるわけだけど、このクローン技術に関する捉え方との関連を取り上げているモノが何かないかな。探してみるか。「オートマタ」でも書いたが、ロボットの蔓延が進化の一環だと捉えた場合に、この医療技術の進歩に伴うクローン技術もまた生命の進化の中の人類という括りでの一部なのではなかろうかと。進化論という前提で議論が噛み合わないわけだが、クローン技術をただ否定するのでなく、その技術を受け入れ乗り越えてこそだという神が人に与えた試練とは取れないのかどうなのか。こんなところを宗教側(宗教的解釈)がどう答えているのかを知りたい。
ではでは・・・
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