2015年9月13日日曜日

カリフォルニア・ダウン(2015)

字幕翻訳:杉田朋子



~CLEAVAGE~


〇はじめに
 このレビューに対して、不適切・不謹慎な表現が含まれると判断される方がいるかもしれません。

〇想起する作品
 「クリフハンガー」(1993)
 「ディープ・インパクト」(1998)
 「バーティカル・リミット」(2000)
 「デイ・アフター・トゥモロー」(2004)
 「2012」(2009)
 「TSUNAMI」(2009)


〇こんな話
 揺れるったら揺れる。ま~だまだ揺れる。これからも・・・ 


〇地震
 今この作品をやるのには何かしら意味があるんだろうな。「備えよ」と。陸海空の乗り物を存分に使い分け、それぞれの手段・方法を観せる。頭を守れ、机の下に隠れろ。あの場所が安全だ。懐中電灯にレーザーポインター。火事場の馬鹿力。少しだけでも意識はしておけというメッセージにはなっただろう。

 中でもジャッキとパンクにより車から脱出を図るシーンは関心した。対処として持ちあげるという思考が先行する中での冷静な判断。ここでおそらく観客も一旦冷静になれることだろう。


 地面が波打つ表現は「2012」だったかが先駆けだと思ったが、この作品においては地震が移動していく的な表現と結びついていておもしろかったな。断層に沿って地震が起きるという。
 地震という結果だけを見れば、どこどこで起きましたという範囲が限定されて、どうも現実味を帯びない可能性があるが、これはひたすらに高層ビルを破壊し、地震が我々の世界に迫ってくる、現実に起き得るというのがうまかったように思う。
 上流階級の生活をひたすらに見せつけて、そやつらがビルから転落していくのには少し苦笑い。そしてさらに上を目指す者が助かるという・・・


〇楽しみ方講座
 B級映画を見慣れていないとちと厳しい表現がチラホラ。楽しみ方を少しアドバイスしたいと思う。

 この手の作品は大体が全力で真面目にどこかふざけているという前提で鑑賞してほしい。ネタをぶっこんでくる。理論かもしれない、脱出や救出劇かもしれない、対策・対処法かもしれない、もちろん登場人物のドラマ部分かもしれない。おそらく脚本が悪いだとか、ありえないとマイナスに評価する方たちが出てくるだろうが、そこは真面目に突っ込むべき箇所ではない。むしろプラスに、楽しむべき箇所なのである。前項の最後で指摘したものもあるが、もっと格別のものがある。ではでは、この作品のいったいどこにそんなものがあるのかというと・・・・


 わかる方はすぐにでも理解したであろう。最後の娘の心臓マッサージ。津波が来た時点で最後のこの画が浮かんだ方、仲良くなれそうな気がします。これが実は最初のプールにおけるビキニ姿での彼女の登場と実は繋がっている。最後までネタを貫き通した姿勢、そんじょそこらのB級映画とは一線を画す。評価されたし。ではいったい我々は、最初に彼女の何を見せられていたのか。
 
 少し焦らそう。心臓マッサージから少し戻ってみるか。彼女は男が足を怪我をしたことによって、何かしなかっただろうか。足を縛らなかっただろうか。ではいったい何で縛ったのか。縛るためにその縛るものはどこからどのように手に入れたのかと。
 
 もう少し遡ってみよう。後々怪我をする男が彼女のネックレスをいきなり質問しなかっただろうか・・・。
 
 そしてその前にわざわざ走りまくる。いや逃げてるから走るんだけど・・・・

 
 もう辿りついていただけただろうか。どうだろう。


 ネックレスの件、一見彼女の家族の過去とつなげ、さらっとうまく見せているドラマ部分ではあるのだが、チッチッチ・・・そんな茶番を見慣れたB級映画マニアは欺けない(別にマニアじゃないけど)。



 では答えあわせだ。



 そう、彼女のおっ・・・・・、胸を、いや谷間を見せられていたのである。男性諸君、目移りしなかっただろうか。気にしないようにしていましたか。良いんです良いんです、胸を張ってください。これは「揺れ」を楽しむ作品なのですから。


 ではここでこの映画のテーマである「揺れ」、いや失礼、「地震」とはどんなものなのか・・・さらに掘り下げていこう。「断層」にしておくか。
 断層とは地面と地面に食い違いが生じている状態である。この断層がズレることによって引き起こされる地面の揺れ、これが地震である。二つの地面の摩擦により地震が発生するのである。ピンと来ただろうか。そう彼女のそれは二つ存在している。そしてあの大きさと揺れ。たちまち擦れているであろう。前後左右上下に。当に3D仕様。2Dだったんだよな~観たの。もっかい観に行こっかな(ボソ)。

 ちゃうちゃうちゃう、待て待て待て。断層がズレることで揺れるんだろ? 彼女の場合は揺れるから擦れるんじゃないかと。プレートテクトニクス、プルームテクトニクスをご存知ですか。海嶺、海溝、聞いたことがありますか。動いているんですよ、すでに地表は。動いているから断層もズレるんです。そもそもの断層ができているんです。つまり彼女が動く、これがもう地球そのものが動いているという現象なのです。そして二つの間で起こる摩擦。これで1つのプレイが完結するときもあるでしょう。摩擦によりまたさらに揺れることになるのです。脈打つのです。・・・地震ですよ。


 この指摘を後押しするのが、劇中離婚やらなんやら人間同士の摩擦にも言及している点だ。人と人との間には目に見える・見えない摩擦が存在する。これをミクロにマクロに考えていくと、彼女という存在にも辿りつくことになる。



 で、何よりサンアンドレアス断層を扱っている点ね。トランスフォーム断層、横ずれ断層であることは割と知られていることで、直接地上に見えているんですよね(見えている部分もある、かな)。いや見せつけられている。そう彼女があれを強調するように。いやいや、強調しなくてもすごいってことなのか・・・

 
 まだあった。ヘリでは揺れを感じないからと、確認のためにハイウェイだかを破壊する画が挿み込まれる。これがね、先ほども書いた3D仕様とね相まって、音響や映像だけでなく、より我々に揺れという現象に対して躍動感を味わってもらおうと、全力でサービスをしてくれている。ともとれなくない。



 信じるか信じないかは、あなた次第です。


 どっかキーとなる場所でで使われてたんじゃないかな~。「cleavage」って単語。確証になるんだけどな~。

 あ~しまった! 肝心なことを忘れていた。最初の最初に谷間に落っこちた谷間の姉ちゃん助けてたじゃないですかぁ~。やだもう~
 



〇余談
 ネタ全開であるかのように豪語したが、この娘役の子がたまらなくかわいいんですわ。アレクサンドラ・ダダリオ。あの眼差し、瞳、直視できない。ドキドキするわけです。私の心が揺れ動いたわけです。そんな環境で彼女のあれの揺れを魅せられてはね、ネタであると思わざるをえません。


〇最後に
 エンタメ性を高めているのは、地震という現象を周知するためですからね。ひたすらに真面目に突っ込まれている方がおりましたが、そこは少し見方をね、変えていただいてね。わざわざ人間が全滅する映画観に行かないでしょと。身体の一部がひたすらにすっ飛んでったり、スパスパ切り刻まれたり、そこら中に死体が転がってたりもね、観てられなくなりますから。親が子を守るというスーパーヒーロー級の救出劇ならね、何かを期待して足を運びやすいでしょうしね。
 じゃあ、茶化したレビュー書いてんじゃねえよと言われるかもしれませんがね。私は至って真面目ですからね。

 ではでは・・・



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