2017年12月26日火曜日

鋼の錬金術師(2017)


~くっそつまらん~


〇はじめに
 漫画は漫画、アニメはアニメ、実写映画は実写映画だよ。とりあえず原作準拠を脱却するところから始めなきゃダメ。ストーリーにしろキャラにしろ、なぞらえようとしすぎていて観るに堪えない。全て1から組みなおすくらいの気概は見せてほしい。

 原作愛がどうだのって話が持ち上がってるけどそんなんっどうだっていい。演者さんたちはキャラを演じるのではなく、あなたたちがキャラなんだよ。エドを演じるのではなく、あなたがエドなんだよ。そういった姿勢を持たなきゃ持たせなきゃダメだよ。




〇こんな話
 とりあえず長ったらしく感じる。



〇えっどね~
 謎の上から目線でマウントとる気満々だけど、CGをウリにするほどのレベルになったことは評価したい。ただその技術の使い方使いどころをまだまだ持て余している感が否めない。もっと自信をもって観せ方にこだわった方が良いと思う。ちょっとずつ慣れて行こうよ。


 例えばオープニングにおいて石丸謙二郎が賢者の石を使い街を大々的に捻じ曲げるシーンがあるが、ここはあんなにダイナミックに観せる必要など無い。倒せないが故に山田涼介から逃げているわけだから足止めをさせようとする戦術が何より有効。岩の壁で道を塞ぐ、岩の牢で閉じ込める、足を地面にめり込ませる・・・等々細かいやり方はあったはずだ。賢者の石の力(パワフルさ)を魅せようとする試みだろうが、錬金術や錬金術師の効率の悪さ頭の回転の悪さの方が際立ってしまっている。

 そもそもこの時点では錬金術というものが何たるものかが形成されていない以上、無闇やたらとひけらかす必要が無い。魅せたいとする意志とは裏腹に、錬金術をマイナスに観せてやるのは何とも勿体無くある。

 そんな錬金術による街の破壊を観せてから、アルが街の住人に錬金術の講釈を垂れるが、こここそ錬金術がどんなものであるのかというのを説明するチャンスだった。というより観せるチャンスだった。

 錬金術は魔法ではなく科学であるのだと理論理屈を並べ立てているが、そんなことよりも実践して観せた方が理解は早い。百聞は一見に如かずと言うでしょう。

 壊れた屋台を大理石で立派なヤツにしてくれと言われてただ断るだけだが、大理石にはできないけれど…と壊れる前の状態に戻してやればいいじゃないか。そもそもお前らが勝手に壊しまわってたんだろうが・・・ 彼らの被った迷惑へ報いる気持ちを働かせろよ。ケチくせえんだよ。

 何ができて何ができないのか。ポンポンポンと錬成してしまえばいいじゃない。作り変えたり直したりはできる。でも無から有、性質?質量?云々は変えることはできない。


 破壊しつくした街を地道に錬金術によって修理していくシーンを盛り込んでいったっていいだろうし、それに伴い足りない部分を補う材料を観せたり、いざ錬成してみたら部品が足りないなんなり観せられただろうに・・・

 錬金術によって何ができて何ができないのかというところを、単にできないという否定ではなく、できること肯定することで線引きをさせていかないと。自慢のCGとやらも持ち腐れですよ。


 錬成陣無しで…!?とこれまた石丸さんが驚きを見せているがあなたも今錬成陣無しで錬成してるのよ?? 錬金術が何たるかを観せる前に錬成陣って何よ…?といった疑問符をつきまとわせているにも拘わらずその錬成陣とやらの解説も特に無いのがまた気になる。


 街を錬成陣に見立てるという話の繋ぎのためにも錬成陣というものをもっともっと印象付けないとダメ。エドは真理の扉を開いたことで神への祈りで術をショートカットして使用可能になっているが、その他の錬金術師はどうやって術を使用するのかというところを描いていかないと。

 普段は錬成陣を描かなければいけないわけでしょ。何か描くものを用いて場所なり物なりに。そういった手間の部分を描かないといけないんだよ。書いてある状態ではなく、書いていく工程を観せないとアカン。その描く工程が「私は〇〇を理解した上で〇〇を△△するのに最適な錬成陣を描いて錬金術を使用します」という“理解の部分になるんだろ? これもアルの説明のところで描いときゃ良かったんだよ。地面にチョークかなんかで描き描きしてさ~
 
 それの解消として事前に錬成陣を描いておくってな大佐の手袋の件があるわけでしょ。右手と左手の件は描いておくべきだったと思うけどね。


 あとエドの術使用において錬成陣が浮かびあがるみたいな演出って原作ではなかったんだっけ? 単に円を意識したモノだけだったっけか? あんまりよく覚えてないんだけど・・・

 一般的な術者と扉を開いた者とでの相違を認識させることで、錬成陣を印象付けても構わないと思うけどね。彼が何をショートカットしているのか?何故ショートカットできるのか?ってな話にも還ることができるのにね。


 エドが千切れた服の袖を無から作り出してしまうシーンがあるが、こういったところで何も考えてないんだろうなと観せてしまってるんだよ・・・ しかも序盤にこれやってるから目も当てられない・・・


 あ~そうそうそのアルの場面だけど、鋼の錬金術師に間違われるってな件は、山田涼介もいないとダメだったんだよ?




 ヒューズ中佐の死を改変したのは謎だし、二階級特進と葬儀における大佐の雨の件はあってもよかったな。

 あとさ、夏菜の泣きボクロはさ、誰かしら指摘してやれよ。「泣きボクロあるんすね~」ってくらいさ。誰も右だ左だのと意識向いてなかったんじゃないかな?

 大泉洋が一番優秀だったじゃん… キメラ作る必要が無かったっていうね。ほんといろいろと破綻してる気がするよ。 

 ただ小日向文世の山田涼介の左手の敬礼を見ての右手で握手を求めてからの左手握手への切り替えを観せたことでのあ~こいつ油断ならない奴だわという観せ方はうまかったね。こういう細かいところを積み重ねていってほしいのよね。



 なんかとりあえず仲間とはぐれてはくっついての繰り返しで、何かあれば仲間が必ず歩み寄ってくる駆け寄ってくるって構図がほんとにワンパターン化してて、とりあえず今は誰々の番だから誰々の見せ場だからっていう待ちの姿勢が見て取れてしまって何か気恥ずかしくなってしまったのは内緒。学芸会というか学生の頃の演劇思い出しちゃったよ。あれ?今誰の番だっけ?次は誰の台詞だっけ?ってな微妙な間ね・・・




〇余談

 蓮佛美沙子って結構おっきいんだね。つい凝視しちゃった。

 仮に続編が作られるのなら、彼女を目当てに観に行くのもありだなと想ったよ。





〇最後に
 「進撃の巨人」の失敗を何も活かせていないのには目をつむり、この失敗をいつかあるだろう次に是非とも繋げてほしい。頑張れぇ~・・・



 ではでは・・・



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