~覗き見る~
〇はじめに
カーナビで自宅特定ってのがあるのか今は。すげえな。
〇想起する作品
「388」(2011)
〇こんな話
家の中に誰かいるううううううう・・・
〇覗き見る
警察の数ある中の1件という楽観視を最初に観せるのは定番であるがうまい。これで家族が見舞われる様が際立つ。さらに隠しカメラであるという点でより一層不気味さを増す。
他人の生活を盗み見てみたいという欲求は誰しもが少なからず抱いているのではなかろうか。ここの導入としてうまかったのが、家の外観を観せてから、その家の中からの景色を観せたことだろう。その景色は本来誰が見ることを赦されているのか。彼はすでに内側に入り込んでいる。プライベート空間を侵している。そしてこれ以降映し出されるのは家の中での、その家族の出来事である。
家という場所が安全を保障してくれる。ここを突き崩したこの作品の罪は重い。さらには家の中の自分の部屋というところ。この安全であるという意識、つまり逃げ道が残されているという後ろ盾がこの家族のような油断を生む。しかしそのすぐ裏側ではと見せる。
娘の部屋で父親がおもちゃを発見してしまった件を入れたのもうまかった。何かしらを隠せるという安心の演出である。そしてそれが侵されたらという娘の不安もだ。
この事件の全体像も兼ね、おそらくは何かしら異物が体内に挿入ってくるという話もあったのだろう。このおもちゃ以外にも夫婦の夜の営みや、妊娠・コンドームの件があったりする。娘の彼氏を刺殺したのも、通常とは逆のカタチということなのだろうか。犯人の異常性というところが主であるわけだが。
その家族が当たり前の日常を送っている空間に彼はさも当然のように存在(生活)している。その家族がよく知る場所で、知らない合間に存在しているのである。この自分のよく知る空間において認知できない隙間に忍び込んでくるのってめちゃくちゃ怖いのよね・・・ そんなん無いだろう、ではなく、あるかもしれないという感覚に陥らせる。
冷蔵庫のもの食べられんわ・・・ 歯ブラシおえ 本気で不快だったわ・・・
・・・ってか家広っ!!!
〇余談
夫(男)は絞殺。妻(女)は刺殺と銃殺。何かしらあるんだろうな犯罪心理とかの観点が。でも娘の彼氏を刺殺してるんだよな。あと絞殺といっても犯人が絞め殺しているというより首を吊らせるってところだからな。誰か分析してないかな・・・
〇最後に
もう少しズケズケと入り込んでもいい場面があったように思うが、緊張感を保つ上ではこれくらいがベストか。あとは覗き見てみたい生活という面で果たしてこの家族という対象でどれだけ満たされるのか。ラストに向け家族の日常を我々に浸透させたいとする狙いはわかるが、ここを突破できないと正直辛いところがある。80分ちょっとと短くはあるがもっとコンパクトでもいい。
ではでは・・・
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