2016年9月17日土曜日

エクスタント シーズン1

エクスタントDVD-BOX


~命と心~

〇はじめに
 ハル・ベリーの吹替えが・・・、独り宇宙にいる。

 真田さんが打ち切り請負人になってしまっているのか・・・

 ちょっと待て、ゴードンって何者なんだよ。掌返しはイラつくけどかっこいいのだが・・・


〇想起する作品
 「イベント・ホライゾン」(1997)
 「ノイズ」(1999)
 「アンドリューNDR114」(1999)
 「A.I.」(2001)
 「ソラリス」(2002)
 「パンドラム」(2009)
 「アポロ18」(2011)
 「EVA〈エヴァ」(2011)
 「エウロパ」(2012)
 「ジュピター20XX」(2012)
 「イントゥ・ザ・スペース」(2013)
 「リターン・トゥ・アース」(2014)
 「DEBUG/ディバグ」(2014)
 「ドローン・オブ・ウォー」(2014)

 「HUNTER☓HUNTER グリードアイランド編」


〇こんな話
 13ヶ月間宇宙で任務に就いた、独りで。昔愛した男。「HELP ME」と。太陽フレアにおける通信障害の中、彼と再会する。でもビデオに映ってな~い。しかも妊娠。10年不妊治療してもできなかったのに。そして死んだはずの男との接触。誰一人として信用するなと。ふっ、さっぱりだぜ・・・


〇人とロボット
 息子ロボットの存在意義。人によって「作られた」という比較になるのか。各話で人とロボットに関する議論がひたすらに為されている。


 はじめ、とある家族の演出。誰もが妻、夫、息子という俗に言う一般家庭を想起したことだろう。母親への気遣い、表情、子どもの間での争い等々もあり、彼を普通の男の子と認識する。しかしたったワンシーン。決定的に人間と違う部分を提示されるだけで、それは驚きに変わる。ロボットだったのかと。一気に見方が変わるんだ。変えざるをえなくなる。人間らしさ、ではなく、人間との違いの方に目が向いてしまう、気が行ってしまう。果たしてどこに行きつくのか・・・

 子役のピアース・ガニョンがうまい。とりあえず不気味で怖い。



 個性としては割り切れないモノがある。

 人と人との家族と、人とロボットの家族における溝。人とロボットにおける相容れない要素を描きながら、人の間で合わないタイミングと段々とズレていく関係も演出する。ロボットが安全だと、修正していけば良いという楽観視に不安を過らせる。ここが絶妙。うまく進んでいるというプラスの側面が描かれようとも、何かしらの不安要素が挿みこまれるだけでマイナス面の方が大きく募って行く。自己増幅されていく心理をうまくついている。

 絶滅。適者生存。進化。生き残れるのは強くて賢い種。

 人とロボットにおける議論にこれまた割り込んでくる。いや付加されていく。

 人間における家族という関係。夫婦、親と子。友人や知人、そして仕事における上司と部下、同僚もか。血の繋がり、金の繋がり、信用や信頼の繋がり。ここを崩していく。いやもっと些細、ヒビを入れる。いや叩く、揺らす、つついてやるだけでも良い。秘密事、弱味を握る・・・etc 情報が錯綜する。何を信じて良いのか。何を基準に判断していくのか。情報の曖昧さを補填していくものと、壊していくもの。幻覚が見えるのも1つ。

 さらに軍事関連の話もあるわけか。反テクノロジー派の存在。戦場では歩兵が行進するのではなく、ロボットに託される。人間は離れた安全な場所からスイッチを押すだけ。画面の向こう側で人が死んでいく。人間性の欠如があると。


 失われた何かと再開させてくれるエイリアン。命と命という等価交換要素はどこへ・・・ 


 バックアップのとれなくなったイーサンの命。掛け替えの無い命ってなところなのか。それを爆弾というアクセントで際立てる。しかしそこにエイリアンの心を操作する能力がさらに関わってきたりする・・・ 僕には・・・ けれどもイーサンがママを皆を助けようと動いているのも事実。その原動力とは何か。


 「人」と「ロボット」と、宇宙から飛来した・・・いや意図的に発見したわけだが何か知らん「エイリアン」とを絡めて物語はどこへ辿りつくのか・・・


〇余談
 ロボットにおいて人間と同じようなモノを作ろうとするとして、そこに望まれない結果などあるのだろうかと。求められる結果、成功とは何か完璧な人間などどこにいる。他者に危害を加える可能性が絶対に無い人間が果たしているのか。人間らしさとは何か。人間という欠陥のある生物に、完璧なモノを産み出すことが果たして可能か。

 人とロボット(AI)における議論に、親(大人)の子に対する教育や干渉具合、そして子の成長度合いの問題提起も為されているのだろう。


 普通とは・・・?? 

 言語という1つの指標が示される。学校におけるパンピーと突出した才能を持つ科学者の見解や価値観の相違がおもしろい。才能を伸ばしも潰しもする学校という形態。異端や異物を排除する傾向のある大衆と、出る杭は打つがモットーの教師。これは偏見かな。


〇最後に
 どこまで関わってるのかは知らないが、スピルバーグの作品は毎回収拾がつかなくなる。スピルバーグだけではないが。連続ドラマにおいて十二分に発揮される彼の良さが毎度中途半端に終わってしまう。それを意識してもう少し終わりのカタチをはっきりと示して欲しいんだよな~。「Terra Nova 〜未来創世記」もぶっ飛ばしたよな~。これも打ち切られたようだが、まだシーズン2があるので何かしら期待。

 ではでは・・・



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