2015年4月23日木曜日

カイト/KITE(2014)

字幕翻訳:松崎広幸


~A Beautiful Monster~  

〇こんな話 
 政府、経済体制が崩壊した未来。ナンバーズという組織が子どもをさらい人身売買が為されるような無法地帯が広がる。その中で繰り広げられるサワの復讐劇。 

〇サスペンス 
 復讐に取り憑かれたサワの、両親の仇となるエミールに辿りつくまでの盲目的な道のりの表現はなかなかにおもしろい。アンプという記憶障害を引き起こす薬物や、組織の芋づる式感をうまく織り交ぜている。 
 エミールと繋がりがある人物から遡っていくことになるわけだが、頼みの綱となる情報が名前や居場所だけなのだ。ターゲットとなる人物が、トイレにおいて名前を擦り付け合う様はツボだった。
聴き出した情報の選別・精査がまるで為されず、その情報を鵜呑みにしターゲットを抹殺していくサワ。間違った情報によりエミールに囚われることになり、それを指摘される。
 そんな彼女の少女故の真っ直ぐな思考が、復讐や薬物に取りつかれるところにつながるのだろう。復讐と薬物ともに中毒と言う言葉が使われている。
 はてさてサワはいったいどこに行きつくのか。 

 これにより、両親の死の真相を追い求めていくサスペンス要素が強調されるわけだが、最後のネタバレにおいて何とも物足りないのである。アカイがサワの面倒を見ていた目的が最後明かされるわけだが、ここで重要なのはアカイの目的ではなく、サワがその目的のためにアカイに利用されていた事実を決定的に印象付けることだ。そこがとても中途半端になっており、残念なところだろう。原作は18禁アニメということで、おそらくサワの弄ばれてる感をもっと表現していたのではなかろうか。要はエロ要素が足りんと。  

 しかし最後、復讐に取り憑かれいたサワが、最終目標であった人物に辿りつくまでに殺しを生業としていたにも関わらず、仇を生かしたという変化が何かしらの希望につながるのか。彼女のこれからの幸せと言うか。きれいにまとまってはいるか。 
・・・そういう話だったのだろうかと。両親の仇となる人物とはおよそ関わりのない者をひたすらに殺してきた彼女が、いったいどんな幸せを掴めるというのか。と、疑問に思ってしまう人も多いことだろう。  

〇最後に 
 あんまし、おもしくなかった。

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