2015年4月21日火曜日

監視者たち(2013)

監視者たち[DVD]


〇はじめに 
 ヒロインの笑顔が見事に映える映画だな~。うむ、かわいい。
時折、高岡早紀に見えたり、最後は深田恭子に見えたり・・・。是非、堪能していただきたい。 



〇こんな話 
 子豚が子鹿になつお話。


〇制限 
 人は全てを見ているが、見たいものだけを見ている。見たいものだけを記憶する。 

 サスペンス、ミステリーのおもしろいところはここですよ。何この演出?と見逃すというか軽視していたものが、後につながりを見せ、なるほどと頷かされる。銀行強盗の犯人の逃亡を手助けした男の素性を暴く時も、そういえばコンビニで現金ではなく、カードを使わされていたなと。小銭を出すのに手間どい、本人の意図ではなく店員にカードを使わされてしまっていたんですよね。ここで私はこの映画に惚れましたね。 

 あと首と腹を狙ってくるというのを、写真家だか盗撮魔だかの家でコメディチックに観せておいて、後々腹に雑誌を仕込ませておくと。雑誌手に取るところでは読めんかったな~。


 人は入ってくる情報を制限している。処理しきれないからだ。それを主人公は全てを記憶していろと言われる。それ故に目の前の悪を見逃せない。割り切れない。この行く末は・・・。 

 この辺をもっとえぐってほしかったな~。チームのというか班長との交流の1エピソードにしか過ぎなくなっているんだよな~。いや、それが逆にチームと新人との関係性を描いていく上での良さにもなってるんだけど。先輩の死の時に怖くて動けなかったなどがありはした。如何に対処できるように頭の中で思い描いていようと実践となると違いが出る。それを繰り返していくことで彼女が成長していく。その成長の様は良かったとは思うのだが、成長を追っていくのならば、この辺の割り切りは必要不可欠なのではなかったのかと。目の前の悪と規則とで揺れ動く主人公をもう少し見たくあった。せっかく悪の大小みたいなことを言っていたのだからな~。でも割とスッキリ終わっているからこれはこれでまたおもしろくはあるのだが。


〇統括者
 銀行強盗におけるビルの屋上から全てを見聞きしている統括者の有能感が半端ない。そして完璧主義者である演出も。経験豊富であることも伺える。その後主人公の監視者としての技量をアピールと。でも新人である。対立のさせ方は見事か。そして癖も良いよね。「MONSTER」の警部を想い起こしましたよ。

 捕まるまで法に縛られない犯罪者と、犯罪者を捕まえるのに法に縛られる警察という対比を、経験豊富な犯人と、新人警官でやると。要は割り切れるか割り切れないかと。大きな犯罪を挙げるために、目の前で起こる小さな犯罪には目をつむる。つむらざるをえないのをどう割り切るか。マヌケマヌケと連呼されたり、子豚などと馬鹿にされたりするが、それは巨大悪に立ち向かう上での、正義故の純粋さみたいなものなのだろう。 さらに最初の試験でのレストランにおける班長との対面を、後の犯人との対面と照らし合わせたのもおもしろい。この2人は統括者であるというつながりだ。地図上でそれぞれの人物のコードネームを模した駒を動かす班長と、誰よりも高いところで状況を把握し指示を出す犯人の頭。「犯人VS班長と新人」の対立が確立するわけで。いや、新人の適性が犯人と班長のどちらにも転びうるということだったのか。占いを信じてる?班長と、常にストップウォッチを携帯しシミュレーションを重ねる犯人。経験に対する裏付けが、勘や運(運勢)なのか、それともデータ(情報)なのかと。彼女の特性はどちらかというと、犯人側に傾いている。その後の子豚が犯人を見失った際、雨が止んだのも実は意味がある。天候を味方につける。天運と言おうか。つまり班長が拠り所としている、運の要素が加味されたのだ。
「データ VS 運」 → 「データ VS 運&データ」
どちらに部があるかと。というより、だんだんとチームが1つになっていくということで、
「データ(ベテラン) VS 運(ベテラン)」
「データ(ベテラン) VS データ(未熟)」
と別々に挑んでいたのが、足し合わされてってな話とした方がわかりやすいだろうか。

・・・班長が最後死んでほしくあったのだが、照らし合わせたのに両方死んだら意味ないしね。班長生かすのはまあ予定調和と。  

〇最後に 
 いや~、十分におもしろいんだけど、もう少し何かしらが欲しかった感が拭えない。不満というより期待の方ですね。ちょっと軽い感があるんですよ。韓国映画に慣れておらず、それぞれの役者の特徴を知っていないからか。役者の顔でピンと来なかったりするんですよね。主人公がピンチに陥る時とかの恐怖みたいなのも今ひとつに感じるところがありまして。この雰囲気、構図、画を感じたら、絶対にやばいという既視感によって作り上げられている条件反射みたいなのがあるではないですか。それが薄いんですよ。これからもっと韓国映画に手を出していかなければなと、個人的な問題が大きいわけであるが。
 ジャポンもはやくこれくらいやってほしいな~。

〇ハン・ヒョジュ(おまけ)





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