2015年4月17日金曜日

ジュピター(2015)

字幕翻訳:アンゼたかし


~奥行き~ 


〇はじめに 
 観終わってすぐに想い起こしたのが、中学生のときの中間だったか期末だったかのテストだ。何科目のテストだったか忘れたが、学年トップ(クラス)の奴に一矢報いようと(まぁ勝手に自分一人で勝負していた気になっていたのだが)、ある一科目だけに精を出した。結果は勉強しなかった科目は散々で、力を入れた科目もそいつに負ける始末。総合点ではもちろん下から数えた方が早いと(あれ、総合の順位あったっけかな・・・??)。この映画はそのときの私だ。映像と言う一点で勝負したのだろう。結果は・・・ 

〇想起する作品
「エンダーのゲーム」(2013)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014)
「V」(2009)
「強殖装甲ガイバー」(1985~)
「幽遊白書」(1990~1994)
「MIXIM☆11」(2008~2011)

〇こんな話
「こんな人生もう嫌!」
と現状を嘆いている女性が、女王様になってみたら
「こんなのもう嫌!」
ってなるお話。

〇世界観
 ふう、さっぱりだぜ。もっと説明してくれても・・・
 映像として奥行きのある映像をこれでもかと観せてくるのに、物語に関しての奥行きの無さはいったい何だ??

 最初から漂う王族の無能臭。これはわざとか。わざと馬鹿にしているのか。ラスボスが閉所に翼を持ったドラゴン系を配置するぐらいだからな。適材適所って言葉知らないんだろうな。いや、男ならドラゴンタイプに一番憧れるからな。別に強くなくても使いたくなるし。かっこよければいいんだよと。だがしかし、割り振りやバランスってものに気を使えないものか。サッカーで言えば、11人イブラヒモビッチだったら勝てるとか思ってる感じだろ。同じ人間が歳をとりすぎて頑固になりすぎてアホになったとするか。見てくればかりに気を使うようになった奴もいたし。・・・あのさ~、人間の美しさってのはさ~、外見じゃなくて中身の問題なんだよ・・・とどの口が言うのか。

 3人で骨肉の争いをしているわけなのだが、その勢力図というか、それぞれの特徴をもっと描いて欲しかったな。ようわからん。全員顔つき若くなっちゃうじゃん。一人ぐらい遺伝子組み替えてるとか(皆組み替えてるか)、ハイブリットや機械の体になってるとかしても良かったのでは。母親とジュピターのこんな人生嫌という思考を強調したかったのだろうか。別にその要素を軽んじることにはならんと思うけどな。空、地、水とか属性で分けてもいいと思うし。人と動物のハイブリット(超人タイプ)、ロボット系(技術タイプ)とかとか、もう思いつかんけど。まぁ裏でごちゃごちゃやるだけで終わるから別に良いか。

 せめて文化(文明か)のギャップとかをもっと・・・
 ドラゴンタイプがジュピターの家族(地球人)をさらうシーンがあるのだが、そこの対比がビジュアルだけだもんな。空から降りてくるわけだが、ドアと言う概念を知らないとか、もっと何かできなかったものか。まぁ怖い形相から丁重に扱えという言葉は良かったと思うが。
 そもそも王族の地球人に対する無知感をもっと醸し出しても良かったのではと。文化・文明同士間ではなく、同文化・文明間においてのギャップ。デスクと現場の違いというのはよく言われるではないですか。机上の空論なり。修正・調整するのは常に現場だみたいな。上は指示するだけだが、現場は実践且つ成功させなければならないという違いは描かれていた。しかしそれが文明という大きな括りにおける無知ではなく、単に個人の能力という限定的な無能を示唆してしまっている。故に王族に対して何ら感情を抱けない。普段ならイラつきやいやらしさを感じるべきところだ。ここが一番に問題なんだと思う。要は人間の関係性のところだ。キャラ立ちって言った方が良いのかな。何ら面白味のある奴がいないんですよ。どうなんですかね・・・??


 世界観の説明が為されないのは、いきなり未知の世界へと入り込んでしまったジュピターと同じ視点に立たせてくれてのことなのか。それとも考えてなかったのか。
 話ありきの映像と言うより、映像ありきの話になっている気がするからおそらくは・・・


 役所での王位継承は唯一おもしろかった。あのたらいまわし感。王女になるはずのものが、やっかい者扱い。役所に婚姻届出すのと、結婚式みたいな関係ですか。一般人からの王族の見られ方や立ち位置を示す上でも活きたのではないだろうか。


〇疑念
 年齢の概念があるのだが、標準時はどうなっていたのか。1万を超えて数える必要があるくらいなら、何かしらの示唆は欲しかった。兄妹における歳の差の比較でも良かった。何千歳しか歳離れてないのに、兄貴面かよ・・・とか。見てくれにしがみつくある女は時間どうのこうのとほざいていた。あっそ。で? 後々関連してこないじゃん。人間を明らかに下に見ている、馬鹿にしているような発言があるものの、実は大して意味を持たせない。そして他の惑星に住んでいながら、なぜ下等生物の住みかである地球時間に合わせているのか。その辺は自分らで補えと。無能なのか、実は地球は彼らによって調整されているのだとするのか。同じ周期で生きている人間のDNAこそが嗜好品なんだろうがよってことなのか。
・・・何かしらあったのでしょうか??

 陰謀論絡めれば良かったのに。地球に潜入している者たちがいてもおもしろいだろ。役人はすでに・・・みたいな。まぁ家畜や栽培している植物の中に入り込む人間なんていないか。
 何かしらの組織が秘密裏に対抗する力を蓄えているとかはどうだ。そしてネット社会の今、映像何ていくらでも出回るだろ。その真偽の検証をしている素人たちを映し出してもいい。ウィンチェスター兄弟みたいな。まぁ出回り過ぎて皆信用が無くなっているとするのか。まぁ早く宇宙に飛び出したそうだったし、いらんか。それに侵略とはまた違うからな。


〇最後に
 映像革命というから、グレイモンがメタルグレイモンになったときのような興奮を期待していた。え、それはレボリューションじゃなくて、エボリューションだって??
っんなこたぁ~どうだっていいんですよ。つまんないんですよ!

 絵が下手でもおもしろい漫画か、絵が超絶にうまい画集かで、漫画を選択する人はほぼ確実につまらないだろう。絵と話との釣り合いでおもしろくもなくもなる漫画と、その画力だけで世界観を且つおもしろさを伝えねばならない画集。この作品は画集なわけだが、このレベルの映像で他の映画と差をつけられるほどでもない。革命と言うだけに劇場で堪能すべき映像かと問われれば、いや他の映画を観なさいと。

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