2017年3月30日木曜日

インシディアス 序章(2015)

インシディアス 序章

~繋がり~


〇はじめに
 1作目2作目ありきの作品。一番おもしろかったのは1作目だが、これがシリーズの中では一番好きだな。

 2作目では自由度が下がった故としたが、これはよく前日譚として収めた(繋げた)なと感心してしまった。監督ジェームズ・ワンじゃないんだよね。



〇こんな話
 1作目へと繋がる物語・・・



〇繋がり
 1作目に繋がるカタチとなっているが、エリーズとスペックス&タッカーの出会い、コンビ(トリオ)結成が堪らない。





 とある現象に対してのアプローチ。クインが見舞われている状態があるわけだが、仮にそれを結果と定義しよう。彼女は襲われている。いずれ殺されてしまうことが確定している。

 ここにエリーズはどのようにアプローチするのかというと、霊界と交信し彼方(向こう側)へ入り込むわけだが、これは根本的な原因を探っているわけである。彼女が「なぜ」狙われているのか。「誰に」狙われているのか。ここを解消しないことには彼女は解放されない。

 それに対してスペックス&タッカーは、彼女が「どのようにして」現象に見舞われるのかを調査している。現象の様を、現象に見舞われる様をただ観測しているに過ぎない。そして彼らは現象に立ち向かう術を持ち合わせていない。


 原因(エリーズ) → 状態(スペックス&タッカー) → 結果(クイン) 

と繋いでいる。


話の流れとしては・・・

 結果(クイン) → 原因(エリーズ) → 状態(スペックス&タッカー) → 共同作業

 状態より過程とした方がいいかもしれない。

 スペックス&タッカーはエリーズの埋め合わせの部分、繋ぎの部分として機能しているのである。1作目にて科学的な調査(インチキ業者)から、最終的なところでアナログに落ち着くという流れをイジったが、これをものの見事に今作でまとめ上げている。

1作目の段階・工程が


 
科学調査(スペックス&タッカー) → アナログ(エリーズ)】

という導入だったが今作では、


 【アナログ(エリーズ) → 科学調査(スペックス&タッカー)


と逆になっているわけである。


 科学的根拠が信憑性という部分で機能するのは同じなのだが、これの順番を変えるだけでエリーズの頼もしさというところが変わって見えてくるということを観せている。何もわからずにエリーズが勝手にオカルトをやるのと、何が起きているのかをスペクッス&タッカーで観測してからオカルトやるのとでは。エリーズという存在のギャップを一作で観せているのである。

先ほどの順番を正確にすると、

 【アナログ(エリーズ) → 科学調査(スペックス&タッカー) → アナログ(エリーズ)


 エリーズに還ってきているのがポイントで・・・


 で、シリーズを通して観ている人はエリーズの実力(頼もしさ)を知っているからこそ、先ほど示した工程をすっ飛ばしてスペックス&タッカーの登場にニヤリとするわけで。スペックス役のリー・ワネルが監督やってるから狙ってるんだよねこの観せ方は。




 1作目でダースベーダーの件をイジったが、いや~今作でよく繋げたよ。



 エリーズは当初交霊ノートに聞こえたものをメモしていた。単語程度のものを。交霊中はエリーズの行動に制限があることは見せられており、事後記憶を辿るが故に曖昧であろうことを伺わせる。これをクインの臨死体験でも関連付けている。事故前の記憶はあるが、彼方へ行っていたときの記憶はほとんどない。これを受けての書記の存在の必要性なわけだ。

 私の言葉を書き留めろとスペックスがエリーズに指示を受けるわけであるが、口に出しながらメモをする。怪訝な貌をするエリーズにニヤリとさせられる。この仕事以降幾度となくあったのだろう。それを受けてのダースベーダーなのである。エリーズの口を塞ぎ、拡声器としてスペックスを機能させ且つ記録係としても。最終的に一番効率が良いと落ち着いた結果なのだろう。

 エリーズとあのババアとの因縁が描かれるし、シリーズ通しての心霊現象が全て負のものだという固定観念からのほっこりが今作は堪らない。そこに付け込み・・・



 これうまかったな~


あと・・・



 この通常の足跡を見せられて



壁走りを見せられて











 この反対側はびびったな~ww




〇最後に
 今作は家族という繋がりに始まり、あの3人の繋がりの描き出し方が本当にすばらしかった。劇場では怖いので4作目が出たらDVDで小窓で観ることにする。



 ではでは・・・


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