2016年4月1日金曜日

ちはやふる-上の句-(2016)

~耳~ 

〇はじめに 
 「たぁ~いち、せをはやみ~」 

 この場面を観て想起しなかっただろうか・・・あの場面を・・・ 

 そう、・・・東京ラブストーリーにおける 

 「かぁ~んち、せ〇〇〇しよ♡」 

 である。 これは絶対狙っていただろう。 

 おそらく初見告白の件は屋上というシチュエーションへ持っていくためではなく、告白というイメージを植え付けたかったためであろう。そしてすずちゃんが振り返りながらのあの台詞である。ま、東京ラブストーリー全く見てないんですけど。 


〇想起する作品 
 「ピンポン」 

 「あさひなぐ」 
  ・・・これも映画化できそうだなぁ~。してほしいなぁ~(切実)。この作品が好み
   であれば是非。
 「シュート」 
 「ダイヤのA」
  ・・・劇中特には想起しなかったが、ここに書いてるうちにこれも~と思ったので
   参考までに。クリス先輩のインハイからのアウトローまでの件が秀逸です。
 「テニスの王子様」 
 「ナナマルサンバツ」 
 「ハンザスカイ」 
 「ベイビーステップ」 


〇こんな話 
 一緒にかるたヤろ♡ 


〇勢い  
 登場人物のドラマ(特徴や実力提示、過去等々)が尺の問題で描ききれない中、勢いで観せることに開き直りうまく見せたと思う。しかしこれがうまく機能したのかどうなのかは別のお話。ちなみに原作は未読です。  


 競技かるたをまず単純に迫力だけで観せる。スピード感で。彼女の実力提示として、ここで正確性は?と???が浮かんだものの、これを彼女の弱点としては見出しにくい。おそらく机君の弱点指摘や北央の人間が言う雑なかるた云々とつながってくるのだろうが、このフォローだけではちと弱い。実践における彼女のミスを見せなければ。 

―――――
 そしてスマホのアプリだかを使用した演出だった。実際の人間の声との違いはどうなのかと、このあたりも是非触れてほしかった。謳い手の癖を掴むのがどうとか、音になる前の音ってな才能の分野に手を出すのだからね。

 まぁ~他者からの評価という、実際個人には見えないところでの視点を挿入しているととればある程度は解消されるのであるが、やはりそれぞれのキャラクターが実力的にどこに位置しているのかというのが、競技という分野では重要になってくるわけで。評価する者の説得力も重要になってくる。

 うまかった例を上げるのであれば「ヒカルの碁」ですよ。塔矢と進藤とではどちらが強いのかと。彼らの実力は実際に相対した者、同世代の葛藤や焦燥感、そしてベテラン勢の勘、そしてやっとこさ直接対決、ってな具合で見せられる。ここの指標や尺度をこの作品はそこまで持ちこめていなかった。 

 漫画というスパンと比べるのは酷だけどね。
―――――  


 かるたの闘い、競技部分を勢いで観せざるを得なかった分、千早の演出の後、太一の迷いの場面がどうしても中途半端に、弱く感じてしまう。特には「音」に関する部分だろう。正確には静と動、強弱において。  

 しかしここは考えたのだろう。自陣に一枚ずつ残るという状況、神に見放された運命戦に持ち込み、迷いを振り切り、素振りの迫力を見せつけ、新のおじいちゃんの言うイメージ、相手に札を取るというイメージを植え付けた。そしてあのお手付きというオチである。これは素直にうまいと感じた。ま~普段素振りしないというイメージの植え付けには失敗していましたがね。私だけか?? 

 個人的なこだわり、狙い手があるというところ。ここでも迷いに関するところが深まっていた。

 特には机君への札ぶん投げね。いや突き刺し? 事前に歌の意味を示し、それを狙い手として千早が机君に届け~ってな思いで?勝ち取るのよ。そっからの机君のドヤ顔ね(笑)。しゃおらあああああああああああああああ、堪らんかったね。


補足として・・・
 なんだかんだ書いてはいるが、この作品私は青春ものとして相当に評価している。十二分におもしろかった。しかしやはり気になってしまうところがあるのも事実。期待として受け取ってほしい。

 団体戦というものを取り上げるのだからやはり個人個人のドラマ部分の尺はもっとほしいところ。机君の件は満足。私はこの手の作品に慣れているし、大好きであるので、勝手に意味合いを補完し、最悪美化できてしまうから良いが、それがくみ取れない人間が多くいるはず。さらには原作厨の評価は気になるところだろう。






〇髪(耳) 
 耳を隠したロングヘアーであったわけだが、ここも少し気になった。耳の後ろに髪をかき上げることで、耳を観せたいのはわかる。「音」「耳」というので静と動というところの緩急である。しかしこれに対し後ろで髪を結び、耳を完全に出している同級生との会話が挿入されたりする。そして部活動が始まってから彼女はいきなりジャージで後ろで髪を結っている。 ???だった。 

 ロングヘアーの際も耳を少なからず出しておくべきではなかったのか。ひたすらに隠している。これに意味があるとは思えない。「能ある鷹は爪を隠す」というところだったのか。しかし彼女の性格なのか知らんが明らかに馬鹿に見せている。人は最初から見えないものには興奮しない。見えそうだから興奮するのである。そしてそれを堂々としだしたら萎えるのである。割と大きめのTシャツを召しているのに、首元胸元はひたすらに堅い。これもわかってない。別に静と動をすずちゃんの特定部位でやってくれたって良い。

 そんな作品では決してない。すみませんでした、わきまえます。

 屋上で助けを求めるシーン。お前モテないだろ?と太一。これは太一の何かしらの想いがあると同時にどこかガサツでそういった面を気にしないという彼女の位置付けであろう。意図的なものでなく、自然にそういう際どいものになるから、天然な人間は受けるのである。そそるのである。そこをもっと活かしてほしかった。

 そんな下心を踏まえて、髪を結うシーンを挿入しても別段問題なかったように思うが。「間」という意味で、彼女の態度や覚悟の変化を見せる上で、さらにはかるたへの情熱・想いというところへもつながると思うが。下の句では取り上げられたりするのだろうか・・・。

 口に髪ゴムを加えてさ・・・、よくあるじゃないですか・・・





〇最後に
 なんで、分けるかな~・・・ 同時公開でいいよ。

 ではでは・・・


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