2016年4月27日水曜日

アイアムアヒーロー(2016)

~ズキュン~



〇はじめに
 これは収穫。おもしろかった。最初のZQNの描き方はジャパニーズホラーならではか? 怖かったな・・・

 日本のサマー・グローになってくれ架純ちゃん。


〇想起する作品
 「バイオハザード」シリーズ
 「28日後...」(2002)
 「ドーン・オブ・ザ・デッド」(2004)
 「28週後...」(2007)
 「ワールド・ウォーZ」(2013)

 「アポカリプスの砦」
 「バーサス・アース」


〇こんな話
 これは、土佐犬を噛んだ者たちの熱きチェイス物語。


〇ギャップ
 社会の秩序の崩壊前と崩壊後の比較がとある基準が持ち出されひたすらに描かれていた。中でも面白かったのがロレックス。

 「お好きなのどうぞ」と大量のロレックスを差し出されたらどうするだろうか? どう解釈するだろうか?


 おそらくほとんどの方が、数ある中から自分の好みを1つだけ選び出すと捉えるのではなかろうか。

 違うのである・・・

 「お好きなのをどうぞ」ではなく、「お好きなだけどうぞ」となるのである。ここはついつい笑った。噛まれたと印象付けて見せたセンスもツボ。


 しかし一番面白かったのはテレ東(東テレって言ったっけ?)がアニメ放送してる内は大丈夫ってな台詞ね。あそこは相当アニメやりますよね~ww 


 ロッカーにしまってあった猟銃と、ロッカーに閉じこもった(隠れた)英雄の件も中々。

 今の社会で言われる負け組ってのは何も失敗したからだけでは無い。その前段階。完璧主義者って言えば聞こえは良いが、それに囚われて行動に出られない人間が多いんだんよ。負のイメージが先行する。負の妄想力がひたすらに卓越してるんですは。

 新人賞を取ってからは連載に恵まれず、普通を走ってきた。何かしら普通じゃないからおもしろいんですよね、空想のものって。しかし現実と通ずるものがあるからワクワクするわけでね。要は勝負に出られなかったわけだ。それが世界の崩壊によって変化していく。編集部におけるやり取りを含め何ともわかりやすく描いていた。

 そんな人間たちと銃の威力とってのが、ロッカーを通じて掛け合わされてたのではなかろうかと。銃は弾を込めにゃ意味ないねん。銃は引き金を引かにゃ意味ないねん。そして何より当たらにゃ意味ないねん。高橋大輔がひたすらに外しとったやろ。似てますよね? 英雄が持ったら・・・ 使い手にもよるわけですよ。

 この話は究極千里馬と伯楽の話にまで行くから割愛するけど。馬鹿と鋏は使いようの方が良いかな・・・ そんな受け身な人間がってなところのお話でもあるわけでね。私だって長澤まさみに言われたらね、ZQNになったって彼女を助けに行きますよ。


 明日は・・・、お外出よ。


 原因不明な点は多々あるが、なぜZQNが広まったのかということよりも、ZQNという存在を示すことに意味があったのだろう。ZQNを過去に生きる者たちと定めることで、ZQN発生前後の世界を比較することができる。それは上に少し書いたので参照していただく。


 そしてその狭間に位置している有村架純ちゃんの存在も活きてくる。彼女がいることでZQN発生後の世界の開き直りと、過去のしがらみや人間というものの位置づけ(人間性)に思考が向けられるわけである。葛藤があるわけだ。狙われたでしょ彼女が。彼女はZQNなのか否か。ZQNの定義が寝ない、呼吸しないだとかいろいろ提示されてたではありませんか。それに対して彼女は? でも噛まれて何やかんやありましたよねと。崩壊後の世界における彼女のあやふやさが意味を持つわけである。

 過去の世界の常識を持ち出し、崩壊した世界を浸透させていく。最初彼女(てっこ?)に襲われてからの段々と大通りに出ていくことで、現象の規模を観せたのもすばらしかった。そしておそらく最後の本名を名乗る件も意味があったのではないか。それまではとあるコミュニティにてあだ名で呼びあっていた。今までの名前が意味を為さない。経歴すらも。そもそも持ち出す必要も無い。どっかの官僚がタクシーにてアボンしてたでしょ。タクシーの運ちゃんも。ニートのくせにと罵る伊浦の空しさも響く。今なんだよ重要なのは。知識として、経験として、実力として必要になってくる場面はそりゃありますよ。でもそこでやるかやらないか、いや、殺るか殺られるかの問題が一番でして。

 それぞれの人間ドラマが見えないのは当たり前なんですよ。そもそも見せようとしてませんしね。その上でのお話なのですよ。


 そんなことより何より架純ちゃんとのやりとりが最後のところで利いてくるのである。

 アイアムア・・・



 うむ、おもしろかった。




〇難点
 高跳びの選手を観せたのはなんとも唐突。人を見ない世の中と言われる中で、ZQNの観察として持ち込んではいるが、これではフォローになっていない。棒高跳びの選手とかにするともっとギャグ要素は高まったはず。

 そして手拍子(拍手)を要求するシーン。これは屋上に残る女性たちの音を出すシーンと絡めるべきではなかったのか? 絡めてたっけ?

 屋上に戦える人間を残しておかなかったのはセーフティゾーンという位置づけによる油断ともとれるが、馬鹿だなとしか思えない。

 猟銃における段数2発というのもラストの件だけではちときつい。見応えは十二分にあったが。大泉洋マジかっけぇな。そっからの後部座席座っているのも笑えた。こういうのって基本ヒーローが運転するじゃないですか・・・ww

 地上を制圧した後に高跳び選手だけが降ってくるが、ここはよく妄想、いや現実逃避されがちな空から美女が降ってくるっていう訳の分からない設定のお話と掛けてくれてもよかった。

 あとはもう少し善悪の基準を示すものを出してくれた方が崩壊具合は伺えただろう。グロ要素は十二分だった。エロ要素を加えてくれると・・・ でも架純ちゃんはダメ!!

 あとゾンビのパワー増強系ね。リミッターが外れることで万パワー出せるようになるのだろうが、それによる代償は描いて欲しかった。屋上で立てなくなるとか。



 ZQNを殺すのと、人間を殺すのと、ZQNにならず人間のまま死ぬというのと、ここら辺を続編では深めていくのだろうか・・・



 シートベルトの件をよう観るな。この前の名探偵コナンでも描かれていた・・・



〇ズキュン
 有村架純ちゃんがかわええんだ・・・

 にゃんにゃんポーズは何かと思ったら、猫缶の件だけか~い!

 餌横取りしたらぷんぷんしてるし~

 もっといろいろと観たかったぞおおおおおおおおおおおおお

 あああああああああ、半分こしてええええええええええええええええええ


 俺は、君のお守りになる!!」


・補足
 彼女のお守りが何だったのかを思い出していただければ、このセリフの気持ち悪さは理解していただけると思う。


〇最後に
 今までのゾンビを扱った作品ありきで作られてはいるだろう。その分ZQNに関しての説明を省くことができた。そして崩壊前後の世界の比較も社会批判とまで言えるかはわからないがうまく観せていた。ここをよく思われないような方もチラホラいるようだが、私は功を奏していたと思う。最後にもう一度、おもしろかった。

 ではでは・・・



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