2016年4月28日木曜日

人質(1999)



~OXYGEN~

〇はじめに
 エイドリアン・ブロディむかつくわ~(笑)


〇想起する作品
 「リミット」(2010)
 「ザ・コール 緊急通報指令室」(2013)

 この2作品のようなテンポではないので注意。


〇こんな話
 誘拐事件発生。生き埋めにされた模様。


〇OXYGEN
 原題「OXYGEN」

 これは単純に生き埋めにおけるリミットとしてある酸素と、地上にいながら酸素に不自由していないながら生きることに息苦しさを覚える者がいる、というところと掛かっているのだろう。

 地中にて空間的にも酸素的にも不自由な人間と、地上にいながら空間的にも酸素的にも自由な人間。

 この比較にて事件に緊迫感がもたらされるわけであるが、そこまで機能していない。特にタイムリミットがあるということを強く意識させない。そもそも生き埋めにされた者の「OXYGEN」がメインな作品ではないのである。地上における者たちの「OXYGEN」がメインなのである。彼らは必ずしも自由ではないと。生命維持のための呼吸(酸素)とは別に、問題があるのだと。



〇選択
 生き埋め 逮捕 射殺

 最後の選択としてはこの3つがあったわけだが、射殺が選択された。

 生き埋めを選択したとすれば、目には目を歯には歯を。同じ苦しみを味合わせてやるということになる。付け足すことがあるとすれば、それは被害者側の自己満足であるということだろう。彼がもしかしたら生き埋めを望んでいる、喜んでいると見せているのはそれもある。

 では法に則り、逮捕するを選択した場合はどうだろうか。生き埋めもそうなのだが、この選択の問題点は、犯人が生きているということにあるのである。彼女は尋問にて何を彼と話したのか。曝け出してしまったのか。

 彼女の性格は最初に描かれていた。非番であろうと職務を全うする。犯人を最後の最後まで追いかけまわすシーンで印象付けていた。それはなぜだったのか。とある闇を抱えているわけである。周囲の誰にも知られずに。知られないためにとするか。そして自らを律していた。しかしそれを彼女は尋問の最中、彼に認めさせられてしまうわけである。

 1つのハードルとしてあるのが、口に出して言うということである。自白というものに重きを置く機関ならではの描写でもあるのだろう。刑事、FBI、主人公とでひたすらに尋問していたではないか、どこに埋めたのかと。犯人に言わせるから意味があるのである。犯人しか知らないのだから。これが逆に作用していくやり取りが見ものだろう。


 つまり、彼女の秘密を知る者が生きていると彼女にとって不都合なことが起きてくるとでも解釈していただければ良いのではなかろうか。鶴の恩返しですよ(テキトウ)。


 彼女と犯人との決別なのである。彼女は自らの理解者として、夫を選んだのである。自らの変態願望だか異常欲求だかを持つ同じタイプの人間ではなく。そしてまた彼女の口が誰かしらに開かれる、彼女だけの口から何かしらが発せられることに意味がある。

 こんな感じでどうだろうか・・・





〇汗
 汗の描写が気になった。後々主犯が汗をかかないタイプであると主人公が言及している。雑用は全て共犯の奴にやらせると。肝心なところは自ら動く。

扇風機が回る中、

 犯人は汗をかかないタイプだと。涼しい顔をしている。

 刑事はシャツにひたすらに汗をかいている。隠す気はさらさらない。

 FBIはスーツを着ている。我慢している?

 ここで主人公。彼女もまた汗をかいていないのである。相棒も?


 これは何だったのか・・・


 一つには主人公と犯人とを繋げるためだっただろう。上にも書いたが、尋問の上で共通点が描かれていた。犯人も俺たちは似ていると言っていた。さらにはFBIや同僚の刑事たちとは異質なのだということもあるだろう。

 あとは刑事とFBIの比較か? 汗を隠そうともしない者と、それを悟られまいとする者。


 ブルーカラー、ホワイトカラー的な話もあったのか・・・


〇最後に
 「人質」じゃ何やわからんくなってしまう気がする・・・ 「酸素」としてもダサいのはわかるけどね・・・

 ではでは・・・


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