2016年4月18日月曜日

名探偵コナン 純黒の悪夢(2016)

~黒焦げ~

〇はじめに
 大分前から気にはなっていたが、以降ジャンルはサスペンス・ミステリーというよりは、クライムアクションとすべきだろう。




〇想起する作品
 このネタどっかで観たことある・・・ とりあえず・・・

 「WHO AM I?」(1999)
 「ボーン・アイデンティティ」(2002)
 「アンノウン」(2011)  




〇こんな話
 ネタが思いつかない。いずれ・・・



〇黒焦げ
 率直におもしろかった。なんでこう途中まで馬鹿馬鹿しく観ていたのに、ラストで感動してしまうのか・・・

 記憶じゃない、思い出だよ・・・ 

 この件が切ないんだ。
―――――
 記録と記憶という単語で区別をされがちだが、今回は記憶という能力がデータ(記録)としての意で用いられていたのでこれはありだ。
―――――


 これできるのにアクションの件は糞みたいなんだ・・・ いらんかったやろな~ それは後にしよう。


 作品全体でひたすらに「色」というものを刷り込んでいる。博士のクイズ然り。その中でも一番だったのがイルカのキーホルダーだ。まだ塗料の塗られていない、真っ白な。何色に染まるのかと。周りの少年たちは様々な色を持っている。さらにここでオセロを見せる。黒色でも、白色に変われるんだ。そして元太が姉ちゃんは黒より白が似合うと思うぞと。

 記憶喪失にて黒が白に、そして子どもたちとの交流で何色になろうとしていたのか、なったのか。組織からは逆のことが行われていたと後々に明らかになる。黒に染められていたんだ。

 ・・・ラスト。

 黒焦げになっちまったけどな。ついつい涙が。エピローグにてフォローは入っていたが、結局は黒焦げ、つまりは黒に染まったという事だ。この皮肉がなんとも利いてくるんだ。記憶喪失となった彼女の、子どもたちとの交流を観せられているから。

 このドラマ部分の仕上げ方は本当にうまかった。

 組織を抜け出した灰原が、運転席が潰れる様を目撃するシーンも・・・



 以下曲解してますのでご注意を・・・

 で、これの足を引っ張るアクションパートよ。

 私自身大分コナンの原作からは離れてしまっているのだが、度々上がる組織無能説。正確にはジンか。どっちでもいいのだが。これのアンチテーゼが今回描かれることとなる。

 安室(バーボン)である。彼はなぜか赤井と闘う。一方的に、好戦的に赤井に殴りかかっていくのである。今?ここで?と誰もが疑問に思ってしまうのではなかろうか。優先順位がはちゃめちゃになっているんだ。

 これはなぜだったのか?

 つまりは組織が無能ということを翻すためにとった方法が、潜入スパイも無能として描くことだったのである。

 誰かを立たせるためには誰かを下げなければいけなかった。これが今作はそこら中に散りばめられている。つまりは足の引っ張り合いである。互いが互いを貶め、どんどんどんどん堕ちていく。残念で仕方がない。

 一番はコナンという作品を通しての支離滅裂な言動を繰り返すジン。その自覚があるのか無いのか、単にバカなのか・・・ 支離滅裂でありながら、その時点での言動に一切の揺らぎが無い一本気が買われたのか・・・

 しかしそういった要素があるからこそ、ラストの協力プレイには興奮する。足の引っ張り合いにおいてどこかスタンドプレイばかりであった者たちが、力を合わせるのである。そしてキュラソーの件も関連してくるわけで。

 そして何より「堕ちる」というところ。これが別のカタチにてひとつの真実につながってくる。次の項にて・・・



〇ひとつの真実
 この作品で描きたかったのはたった2つだ。ひとつじゃないんかい。ま~結果的にはひとつかな・・・

 一、オスプレイがどんなものかを見せる

   ・・・銃弾の雨を降らせてましたね、はい。

 一、オスプレイを墜っことす

   ・・・いろいろと話題になりましたね、はい。


 これだけです。

 いろいろと絡んでるのですかね~・・・



〇余談
 最初の追跡の際にいくら急いでいようとも安室でシートベルト着用のシーンを挿み、元太にてそれを補填したのは・・・ 何かしら注意喚起が入ったのだろうか? なんか関連する事象最近ありましったっけ?

 最初のカーチェイスのシーンにしろ、観覧車のシーンにしろ、死人が出てませんよ~っていうフォローが入っていたのは配慮か。

 観覧車、爆弾ときてあの人に繋げたのは少しワクワクした。手ぶらで帰らすわけにはいかないぞ。そっちやない。



〇最後に
 子ども向け、と指摘されている方がおられるようだが、私はむしろ逆に感じた。コナンに長年親しんできた者たちに対する映画だろう。ビターなラストも子どもにはちと厳しい気がする。アクション批判は私も望むところで書いたが、そこだけでこの作品が非難されるのは少々残念だ。


 ではでは・・・

 


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