2016年4月14日木曜日

エンド・オブ・ザ・フューチャー(2015)

エンド・オブ・ザ・フューチャー[DVD]


~モーロック~

〇はじめに
 ニワカSFファンであるが、フィリップ・K・ディック臭がする。


〇想起する作品
 「タイムシーカー」(1999)
 「オーロラの彼方へ」(2000)
 「ドニー・ダーコ」(2001)
 「マイノリティ・リポート」(2002)
 「スキャナーダークリー」(2006)
 「デジャヴ」(2006)
 「ミスターノーバディ」(2009)
  ・・・タイムトラベルの方法?に関してこれがおそらく一番近い。
 「ディアボリカル」(2015)
 
 「コンティニアム CPS特捜班」


〇こんな話
 2022年でアンブロがベンを求めて、2044年でベンが父親を求めたお話。


〇タイムトラベル
 人間の頭こそがマシーン(の代わり)であり、薬物がキーだったと。

 この作品におけるタイムトラベルは典型的なSF映画のそれとは一線を画すものである。いや若干違うくらいにしておこう。上にも書いたが「ミスター・ノーバディ」に近い。

 薬物投与により時間が入り乱れる様が描かれていた。場面としてはノーランを撃ってしまうところ。正確には現在として認識できる時間が定まらなくなるってなところか。前後数分数十分を朦朧と、意識が行き来していた。ここに注目したわけである。この時間の揺れ幅を大きくしてやろうと。そうすればタイムトラベルも可能だと。

 そしてこの効果を劇的に高める方法として編み出されたのが、脳内に直接投与だかで眼球にぶっ刺すアレ。通常の接種方法よりよく効くそうで。これにより意識を飛ばせる時間の揺れ幅が広がり、20年後にも飛べた、というわけ(多分)。



〇う~む

 どうもおもしろくない。

 タイムトラベルにおいて機能する薬物接種という要素がモロにこの作品をおもしろくなくしている。警察と薬物というところから派生してのSFものってな発想なのか。この着眼点は嫌いではない。しかしこれにより意識が朦朧としていたり、時折フラッシュバックが入ったりと、全体的に場面場面がぶつ切り感覚。わざと混乱させようとしているのだろうが、こんなことされても謎を解き明かそうとする気持ちは別段沸いてこない。その前に飽きてしまう仕様が残念で仕方がない。


 さらなる要因は父と息子の関係の描き方だろう。

 まずモーロックをキーワードとしたのにどこかテキトウさを感じる。困ったら父親を頼ろうとすることや、最後のプレゼントであったことで、息子が起こした行動はまだ理解できる。しかしモーロックをメッセージとしたのはどうだったのか。些細な会話の中で出てきた単語である。なぜエロイにしなかったのかと。そもそも主人公は「タイムマシン」を読んでいない・・・ これが折角の父子の絆を浅くしているように思える。
―――――
 モーロックって何かあるんでしたっけ? 「タイムマシン」忘れちゃって・・・
―――――


 家に押し入られたときの息子が父親の銃を取り上げるのも気になった。以前の事件(ノーランの件)が絡んでいることはわかるのだが今か?と。父親を信じるのであれば、撃たないでとお願いするだけで銃を取る描写は入らなかったのでは?

 さらに気になったのは2022年の反重力室?だかを作るくらいの人間がSF小説の代名詞でもある「タイムマシン」を知らないのかと・・・

 もっとあったと思うんだがな~、父と子を結ぶ描き方が・・・




〇最後に
 やろうとしているラインはおもしろい。でも作品としてはおもしろくない。

 ではでは・・・



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