~仮面~
〇こんな話
とある爆発で5年分の記憶喪失。そして妻と子供が仮面に見える。な~ぜ~。
〇仮面
仮面を被っていることで家族のことを聴かれても答えられない。そして過去の自分を知る周囲の人物に今の自分と比較される(痕跡という言葉にまとめられていた)。・・・という風に見つめ直しが行われていく。これを1話で位置づけたのは良かったと思ったのだが・・・
最後仮面がスッキリ取れて終わる。
なぜ最終回の西田敏行の発言を最後に活かさなかったのか。
「分かり合えることなんてない、夫婦だって赤の他人だ」
と。この前の回で前妻に
「仮面を全て取る必要は無いんじゃないか」
とも言われている。 今までに家族を蔑ろにしてきたという意味での仮面だったのではなかったのか。それで今回の件で見つめ直したのだろ。自分自身すらも。それで自分VS自分という葛藤のシーンも入れたのだろ。最後でやっと家族を見ることに、見ていこうとなるんだろう。劇中でひたすらに家族を放ってどっか行くじゃないか。なぜ仮面が取れて全て見えましたとしてしまうのか。これからじゃん。この話の帰結はただスタート地点に立ったに過ぎない。赦し合うという発言と繋げるのはナンセンスじゃないのか。最終回まででひたすらにそのテーマは見せただろう。関係者との関係の修復を終えて、やっと家族と真に向き合える兆しが見えたんじゃないか。
これなら話のところどころで仮面を変化させるべきだったのではないか。主観で変化を述べるに留まっている。視覚的な変化で、ひびを入れたり、割れたりして良かったはずだ。仮面を関係の尺度にしても良かったはずだ。いや人間簡単に測れないよ。何が拍子できっかけで関係が一変するかもわからないよ。心理的な壁としているからそれで良しとしてもいい。でもだよ、それなら貫き通して欲しかったんだよ。話の流れではなく、仮面の扱い方を。うやむやで良かったんだよ、仮面のことは。仮面に関することは。せっかく最終回まで尺度にしなかったのに、最後の最後で明確な基準にしちゃうんだよ。・・・ん~、やりたいことがわからん。
もしくは紅の豚風にしても良かったじゃないか。妻の顔がどう見えるのかというのを家路久の表情に委ねても。我々が家路久の顔を見ることにつながるじゃないか。今までの話の総括を我々に委ねてくれてもいいんじゃないのだろうか。なぜわざわざ・・・。このエンドで家族と言うテーマを深めさせることができたのかどうか・・・
〇勝手にサブタイトル
「くちびるに歌を」で注目した山口まゆさんが出演されています。今回も笑顔が素敵です。彼女への思いを込めて、各話レビューを書くとしたら使ったであろうタイトルを考えていきたいと思います。
・第1話「アイロンと渇いた感情」
アイロンは乾かすもの。しわを伸ばすもの。離婚しているという状態。今までのままなら夫、父親への感情は冷めた、渇いたものだったはずだ。これはぐちゃぐちゃであろう彼と周囲の関係性をこれからしわがなくなるよう引き伸ばしていくという暗示だったのか。
・第2話「通わないバス停」
学校や会社に通うためにバス停に行く。そこには心が通わない父と娘がいる。
・第3話「再燃した愛とクッキー」
クッキーは焼き菓子。愛は燃えると表現される。
・第6話「非通知の鳴き声」
電話が鳴る。娘が泣く。呼び鈴は届いている。泣き声は届いていない。
・第7話「コールのない病」
電話は掛けるもの。掛かってくるもの。そこには意思を介す。介するからこそ、掛けたくても掛けられないもどかしい状況に陥ってしまう。しかし病気は意思とは関係なく掛かってしまうもの。そんな理不尽に心揺るがす。
・第8話「衣じゃ抑えきれない思い」
中からクリームがとろけ出すカニクリームコロッケと、すばるの不意に溢れ出す思いが掛かっていたんでしょ? あ~食べたい。
・第九話「記事と家族」
どちらも編集されていく。どちらも架橋に入ろうとしている。
・第十話「菓子と貸し」
すばるの父親への貸し、息子(家路良雄)へのクッキー。カリ(借り)っと、おいし~い。・・・な~んて。
物語全体でコッテコテに狙いに来てる演出の数々。毎話パターン化されていて安心して観ていられる。そんな話に私は飽きがちになるのだが、彼女がいいアクセントになってくれた。豪華俳優陣が脇を固める中、一段と輝く存在だった。これからも勝手に応援しています。
・・・ひとつだけ。クッキーの件ですよ。せっかくの、せっかくの彼女の株を上げるシーンがですよ、主人公が料理得意という設定の所為で霞んじゃうんじゃあ~。
〇余談
下ネタを織り込んでるんだろうけど、個人的にセンスが皆無だと感じた。敢えて言わせてる台詞が際立っている。 勝手に提案する。パン教室でパイをを作ったらどうか。それかいつも決まって丸いパンばかりを作るとか。それか必ずパンの背景には丸いものを映しだすとか。なぜ丸かって?? 円周率ですよ、円周率。円周率パン。
〇最後に
最後の最後でお話が壊れちゃった感が拭えません。キムタク故の安心感を最後まで引っ張らなくても良かったなと。次は「HERO」を観ます。ではでは・・・
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