2015年7月18日土曜日

セッション(2014)

字幕翻訳:石田泰子
     監修 :ヒロ川島


~考えるな、感じろ!!~ 

〇はじめに 
 思考が追いついてこない。途中から感覚に身を委ねている自分がいた。音楽について、指導法について、ついつい寄り道をしたくなったがノイズにしかならない。 


「邪魔だ、退いてろ!!」 



〇想起する作品 
 「ドラムライン」(2002) 
 「ミラクル」(2004) 
 
〇こんな話 
 Good Job は言わない。

圧巻
 最後が堪らん。ここまで高みまで上り詰める作品を今までに観たことが無い。

 なんやかんやいざこざある。ここが重要な部分なのだが説明しても伝えきれないと思うので是非鑑賞してほしいのだが、私の興奮を少し冷ます為にもラストの感動を少し語りたい。 
 師と弟子の関係において、堕とすところまで堕とされて、一矢報いてシメシメとしているところ、和解のような関係に持っていく。教授ええ奴やったんかと安心させられたところにガツンと金属バットで頭を殴られる。ドン底や。

「・・・え?・・・」

「えええええええええええええええええええええええええええええ」 

ってなったわ。問題はその後だ。私だったら逃げ帰っただろう。いや、教授にタックルをかましていたかもしれない。しかしそれは前に観せていたからそんなことはしないことはわかっていた。何をしたのか。圧巻である。教授が用意した、徹底的に準備したであろう土俵で 復讐を遂げるのである。指揮者を差し置いて、周りのプロ連中?を差し置いて、彼が演奏を開始し、引っ張り始める。 


「かっけええええええええええええええええええええええええええ」
 
 さらにさらにそれだけでは終わらないところがね・・・・。

 この最後までは言葉でのやり取りがあったんですよね。相手をねじ伏せることにおいて。しかしここから言葉はいらない。

 高みへ。


〇少し落ち着いて  
 結果論ではあるが、彼の実力から見て、教授の指導法は間違ってはいなかった。1つの正解であったところがまた複雑なのだ。

 それよりも前の彼のあきらめない姿勢もだ。事故に遭いながらもドラムを叩こうとするフレッチャーへの対抗心。そもそもの彼の野心を支えるコンプレックスが関係している。

 そして指揮者と奏者、教授と学生、師と弟子といった関係性。後者は前者の枠組の中での存在でしかない。最初の寝坊を見透かされていたところから掌劇場ははじまるわけで。全て教授の思う通りのものを提供する。認められるまでやると。
 と、ここでそんなものは音楽なのかと・・・。誰が音楽を奏でるのかと。指揮者なのか、奏者なのか・・・。

 っんなこたぁ~、どうだっていいんですよ。考えてんじゃねえと、ソウルに響いてくるものは無えんかと。身を、委ねちまいなよこの興奮に。


〇最後に
 想起する作品で2作品挙げたが、同じようなことをやっていたりする。スパルタ指導、指摘厨、意図的に出現させるライバル(カンフル剤)との衝突、アメとムチ。しかしそれらが全く霞む。2作品に対する贔屓目で見てもだ。それほどまでにすさまじい作品である。


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