2015年7月12日日曜日

ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015)

字幕翻訳:樋口武志


~新たなはじまり~ 

〇はじめに 
 「ターミネーター3」が見直される時が来た。この映画を評価する人は「T3」の出来を理解してくれているだろうか。再度鑑賞されたし。  

 シリーズの全てが踏襲されている作品だ。「ターミネーター」を観ておけば掴みはバッチリだろう。そして「T2」を観ておけばさらに心を鷲掴みにされることだろう。しかし「T3」「T4」「TSCC」まで観ている者たちはおそらく・・・・とてつもないそうでもない感。大したことない感を味わうことになるだろう。シュワちゃんのキャラ、アクションは見どころ満載。この持ち味は十二分に発揮されている。しかし全部観たことあるというか・・・。全て味わったことのある画だ。故に盛り込みすぎてお腹いっぱい。そのまえに出されすぎた料理に対しての食わず嫌いのような。その感情を抱いた瞬間ネタ映画と化す。それならば「T3」の方が好きだ。 

 そしてネタ映画を踏まえストーリーに奔る。時間軸の変更・改変における伏線の回収(定点の演出)はしっかりしており、ちんぷんかんぷんにはならないと思う。しかしこれを新3部作とするのは良いが、以前の作品がある程度頭に無いと、まとめあげるのは厳しいかと。
 あと勝手に予想していただけだが、ジョン・コナーに関する件というか1つのオチは新シリーズ全てでやるのかと思っていた。この作品で片がついちまった??

〇こんな話 
 新しくターミネーターします。

〇疑問 
 「1」で挙げた、ジョン・コナーがカイル・リースを送り込んだ理由。サラ・コナーを守るためでなく、自分を生ませるためになっていはしないだろうかという疑問。カイル・リースとサラ・コナーの関係を知っていないと特に何も問題とならないのかもしれないが、ここの話は初見さんでは厳しいのではなかろうか。

 「合体」って訳されていたけれど、そんなニュアンスで良かったのだろうか?? まぁ良いや。
 カイルはサラを守るために未来から過去へ。サラはカイルと、ジョンが生まれるための行為をするために、未来からの彼を待っていた。という目的の違いを楽しむのはファンを意識しての脚本なのだろう。「1」で愛し合った2人の関係を知っているからこそ楽しめる。ジョンが2人の愛によって望まれるべくして生まれるのではなく、何か義務、事務的な作業によって作り出される。機械と一緒やないかい。そんな感じなのだろうか。そしてジョンは・・・ってな件があるわけで。彼らの関係性とジョンの件は意図的に関連させていたのだろうか。そして「合体」という言葉の選択は良かったのか。シュワちゃんが口に出す単語でもあったわけだし。

 で、その関係に対してサラとシュワちゃんを長年連れ添わせていたところがまたミソになってて、シュワちゃんがサラの保護者的な存在として描かれているわけです。それでシュワちゃんのサラの交際に何か不満そうな顔から不気味な笑顔と。
「オジサン、サラとの交際を許してください」
的なノリなのかな・・・。シュワちゃんに挨拶行くのは怖いな。

〇ちょっとだけ文句
 シュワちゃんありきですよね、もう。そして続編ありきでシュワちゃんを生かす、活かすことが見えてしまっている。敵の強さなど関係無い。能力差を軽く埋めてくるシュワちゃん補正。容姿を老いさせることが逆補正だったのだろう。が、新旧ターミネーター対決の面白味を削いでしまっていることには違いない。それだけが原因ではないが、それ故の安心感が全体を通して漂っている。いや、そこがおもしろいから別にそこまで気にしてはいないんだけど・・・

〇字幕
 相当に読みづらかった。頭に入ってこなかった・・・
 さすがに「アイルビーバック」はセンスが無い。

〇余談 
 サラ・コナーがかわいいんだが・・・。戦士・・・なのか・・・?? 

 未来から過去へ行く際のタイムトラベルのシーン。皆でまじまじとカイル・リースの裸を眺めるのは笑うところでしょ??

 シュワちゃんが敵に飛ばされてヘリに乗っかかってしまい、ヘリが落ちていってしまうシーン。これの前にターミネーターの重さを表現していた描写ってありましたっけ?? 「T3」だったらあるんですよね~(ボソ)

〇最後に  
 まぁ最後まで見届けますよ。ちゃんと続いてくれるのならね。

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