2015年7月11日土曜日

悪党に粛清を(2014)

字幕翻訳:杉田朋子


~復讐~ 

〇はじめに 
 久しぶりに味わう感情だ。 「早く、復讐が観たい」 

 原題「THE SALVATION」=救世主?かな。

〇こんな話 
 ある男に妻と子供を殺された。そいつを殺した。そしたらそいつの兄とかいう奴が狙ってきた。そしたらそいつに兄を殺された。殺っちまおう。 

〇復讐と正義 
 その時代ならではの制限性がうまい。見渡す限り何も無い一本道を馬車が一台。携帯、GPSなんだそれ。ハイウェイなら行き交う車が多くあるだろうがここは荒野。馬車を降りた時の手段の無さ、絶望感。最初にこれを演出する。そして徒歩で辿りつく愛ゆえの彼の執念、憎しみ。そして7年越しの再開直後の妻と子供の死。やるせない。  

 最後ひとつの正義の象徴である保安官にある言葉を言わせたところがミソなのだろう。
「君みたいなものが救ってくれるのを待っていた」
とか何とか。劇中保安官の行動は見事なまでの事なかれ主義。彼が守っていたのは正義などでは決してなく、ただの秩序である。来るべき最悪の事態の先延ばしに過ぎない。正義とはいったい何なのだろうか、どこにあるのだろうか。デラルーの語る
「歯には歯を」
結局悪党とするところを倒したのは悪である。
「悪には悪を」
と。悪を倒せるのは悪しかないのか。そもそも悪を生むのも悪か。そして正義はそれを傍観するのみ。悪VS悪の結果に迎合する。自らの手は汚さず、一時の安寧を保つことこそが正義足るものなのか。

 ここに原題の救世主とされるものを関連させて考えて観るとおもしろいのかな・・・。

〇余談  
 レバーアクションライフルはやっぱりかっこいいね。 

〇最後に
 マッツ・ミケルセンかっけ~。質屋だか、雑貨屋の青年の俺も一緒に行きたいという意志に対して、振り向かずに去る。そして次のシーンでは連れてきてるという。なんだこの男は。
・・・あなたに・・付いていきます。

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