~意義~
〇はじめに
閉ざされた空間の中に、女性と悪者二人組(ないし以上)という構図はありがちというか王道ですかね。二人組というのも、一人は強硬派で、一人は穏健派という対照的な人物構成。仲間割れ必至と。
〇こんな話
お金のために仕事をしているんじゃない。
〇仕事
彼女は彼氏に「人生のために今の仕事が必要だ」と言っており、奨学金返済やローンの問題はあれど、自分の仕事に何か意義を感じているようだった。彼氏も彼女は「仕事を一番に愛している」とまで言っている。そんな中明らかになる、勤めている会社の不正。正義、大義のためか真実を明らかにするべく、内部告発をしようとするものの、命を狙われることになってしまう。そして悪に正々堂々と立ち向かい勝利する。
彼女と対比すべく警備員の男がいる。家族がおり、手当てがつくと休日も仕事をすることになる。彼は家族を養うために、お金のために働いている。そして何も知ることなく序盤に殺されることになる。
さらにもう一人。エレベーター会社の男。自らの仕事を堅実で安定な仕事と称しており、将来の見通しがすでに立っている。家族がおり、今の生活にも満足している。他に何を望むこともない。皆、物・金・権力を望みすぎていると言う。目が利き、正義側につくものの、肝心なところ(最終的局面)は関与しないが生き残る。
それぞれの人物の雇用形態はわからないが、日本に当てはめてみるならば、ある企業の正規雇用・非正規雇用、そして公務員といったところだろう。ここにさらに社会における女性差別的な問題も入れているわけか(多分)。
スペックと末路を少しまとめてみる。
・主人公
性別 :女
番い :彼氏あり
雇用形態 :正規雇用
仕事 :お金のためと言いつつも、意義を感じている
末路 :悪に真っ向から受けて立ち勝利する
・警備員
性別 :男
番い :妻子あり
雇用形態 :非正規雇用
仕事 :家族のため お金のため
末路 :何も知らずに死亡
・エレベーター修理屋
性別 :男
番い :妻子あり
雇用形態 :公務員
仕事 :お金、物、権力は必要な分だけあればいい、もう手に入れた
末路 :正義(主人公)側につき、肝心な時にいないがなんだかんだ得をする
皮肉っぽくまとめていると感じられるかもしれませんが、劇中で起きる真実がこれです。いったい何を言いたいのでしょうか。
最後も悪に奔ることをすれば出世街道まっしぐらで、彼女は社会的地位を極限までに高めることができたのに、それをせず正義をひたすらに貫く。裏街道でしか女は地位を確立できないだろうという男性の皮肉や偏見に対しての抗議だったのではないでしょうか。
〇最後に
お金のために仕事をするんじゃない・・・、というようなことを誰かが言っていました。しかしそれはお金を十二分に持っているから言える戯言です。お金を持っている人が言えば何かかっこよく聴こえますが、無い者が言えば負け犬の遠吠えとしか思わないでしょう?? 勘違いには気をつけましょう。
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