~入りはすばらしい~
〇こんな話
レ・ミゼラブル
〇ミュージカル
ミュージカル調であることで、いつも流してしまうようなセリフや演技が響くし、感情表現が豊かになる。劇中の時代が時代だけに初見では入りにくい人もいるだろうが、ミュージカル調がそれも軽減してくれる。なんだこの映画は、・・・すばらしい!!
・・・っとまあ最初の20分位?は思っていたわけです。ヒュー・ジャックマンの演技もうまかったし。 しかし・・・・、賛否両論あるだろうが、アン・ハサウェイの登場により何かが変わった。男としての視点だからかもしれないが、アン・ハサウェイがひたすらに浮く。演技も歌も文句なくうまい。だけど何かが違う。劇中の役的に、何かしらの差異をもたらす必要があるのはわかるのだが、かけ離れすぎているというか・・・際立ってしまっている。まあ、途中退場するのでそこから先はあまり気にならなかったが、その後流して観てしまっている自分がいたわけで・・・
〇最後に(まとめ)
ミュージカル調ということで非常に入りやすいし共感しやすい。しかし、ミュージカル調であるがゆえの軽さみたいなものが出てしまう。逆境から這いあがったり、市民が団結するなどといった時はミュージカル調が冴え、高揚感のようなものが押し寄せるのに対し、死者が出ている場面でも歌っているなど、頭が混乱してしまう。人の死を前にそんなに陽気に歌っている場合かと。今こそ立ちあがるべきだという意思表示なのはわかる。しかしその頭の中で起きる混乱により、その者の死が軽くなるというか・・・感情として受け取れない、伝わってこないものがある。悪い意味で人の死が平等になっているとでも言おうか・・・。誰が死んでも歌ってますからね・・・。その場面が必ずしもミュージカル調として冴える方につながればいいのだが、それだけではないので気になって仕方が無い。
矛盾するのだが、要はミュージカル調ということで感情表現が豊かになる反面、感情的に対極にあるもの同士を表現しきれていない・・・(気がする)。これが全てを歌で表現することの限界か。単に私が感情を読み取りきれていないだけの話なのか。
この映画はミュージカル調であるがゆえの、良いところ悪いところをふんだんに含んでいる映画と言える。言いすぎか。なんにせよ役者さんたちの歌や演技がうまいことうまいこと。この映画はそれに尽きる。
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