2015年1月25日日曜日

るろうに剣心 京都大火編(2014)

るろうに剣心 京都大火編[DVD]


~チャンバラ~ 

〇はじめに 
 二本立てにしたいから、とりあえず今回の作品はチャンバラでも観といて。ってな印象を受ける。

〇こんな話 
 志々雄真実討伐までの準備期間。

〇チャンバラ
 前作もそうだが今作はより多対一の戦いが記憶に残る。それがまたかっこいいから言いにくいのだが、少年漫画の演出として多対一というのはなかなか描かれない。なぜなら「主人公(側の人物)VS敵」という構図が、それぞれの取り巻き連中の正義と悪という思いや志の結晶、集合体になっており、その一対一の戦いの結果がその後の世界にそのまま影響を与えるという簡易化された図式にしたいがためだ。
‐‐‐少し話は反れるが、「ドラゴンボール」なんかはその表現をうまくやりましたよね。悟空が絶対勝つであろうことを匂わせながらも、元気玉という技を使わせることで、悟空一人の戦いではなく皆の思いが乗っかっているのだと訴えかける。「オラに元気を分けてくれ~」と言って、皆の思いを受け取れ~ってな感じで主人公の取り巻きと、物語に何ら関与しない戦闘力皆無のその他大勢が手を上にかざすんですよ。あれは燃えたな~。‐‐‐
 故に原作も重視されているのは一対一の戦いだ。この原作以外にもなぜか多人数参加型の戦いでタイマンはってる作品が記憶に少なくないであろう。そして複数の人物が入り混じる中、うまく一対一の状況に持っていき、その対決を如何にかっこよく見せるか、というのが少年漫画の基本である(知ったか)。さらにそれをより引き立ててくれるのがその人物特有の、いや、その人物の象徴と言っても良いであろう必殺技というものだ。必殺技と必殺技のぶつかり合い。両者がぶつかり合うまでに、いったいどちらが強いのかという指標にもなり、ひたすらに議論が為される。そして満を持した対立する者同士の衝突。そんな展開に胸躍らせたであろう原作読者(私のような原作厨)が、この作品に惹きつけられるのかというのは甚だ疑問である。るろ剣で言えば、その辺に落ちてる棒きれなんかを持って、
「牙突!!」
とか真似て遊んでたわけですよ。「斎藤は左利きだよ」、「それ弐式な」とか指摘されながら。そんな人物の比較や象徴だけでなく、現実においてもついつい真似をしてしまうような、「必殺技(仕草でも良いよ)」の演出がほとんど観られなかったのが本当に残念だ。せめて一振りで多人数をなぎ倒す演出でも入れれば良かったのにと。最初からそれ使えよ、と突っ込まれるのを承知で。ウルトラマンのスペシウム光線のノリで。斎藤一の牙突で人間串団子作っちゃうとかさ。必殺技に頼り切る、乱用するというのも問題だが、そういった点でこの作品には時代劇などのチャンバラものと何ら変わりはないといった印象を受けてしまう。仕草とかだったら、弥彦が常に竹刀を背中に背負ってるのを描いたって良かったじゃないか。背負ってる竹刀を抜いて、構えるシーンなんかなかなかにかっこいいではないか。
・・・という具合に、私個人としては個々のキャラクターにおける記憶というか印象(いや思い入れか)がこの作品を通してあまり湧かなかったのである。

 おそらく演出としての次回作への布石なのだろう。最大の見せ場であろうVS志々雄真実戦があるしな、うん。

〇余談 
 操ちゃんは志田未来が良かったのだが・・・。小芝風花ちゃんでも良かったな。いや土屋太鳳ちゃんもかわいかったけども。 

 神木くんもな~、宣伝の時はハマリ役だと思ってたんだけど、歳を取りすぎちゃったかなぁ、容姿以外が。もっと幼くてよかったなぁ。あとぴょんぴょんとした動きにもっと軽快さがほしかった。

〇最後に
 こういった作品の実写化というのは、人外の演出をどうするのかというところでやはり難しいのであろう。描いたところで、それがお粗末であれば見映えが悪く、貴重な盛り上がり部分をチープに感じさせてしまう。役者の問題か、演出(映像技術等)の技術的問題か、現段階では表現しきれないのかもしれない。しかしだ、そう割り切ったところで、少年漫画を愛した・愛する者が何に惹きつけられているのか、実写化をする上でもっと熟考してもらいたかったという思いは決して拭えない。
・・・あぁ、ターゲットが違ったのか・・・。

 3作目に期待。

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