~常識VS非常識~
〇こんな話
両親の結婚記念日パーティのために別荘に集った兄弟とその連れ。そこで巻き起こる惨劇とは。
〇想起する作品
「ホームアローン」(1990)
「スクリーム」(1996)
「ファニーゲーム」(1997)
「ハーパーズ・アイランド 惨劇の島」(2009)
〇YOU’RE NEXT(原題)
お金持ち設定は先に説明している。お金持ちでいい親(良い人種)はなかなかいないと主人公が発言する場面がある。その通り、親ではなく息子たちがクソ野郎でしたと。 仲の良い家族という設定。誰を疑えばいいのか。配偶者がおり、そちらに目を向けさせる。と思いきや大したひねりはない。結局は遺産相続争い。骨肉の争い。よくもまあ~、お金に振り回されざるをえない人間たちの醜さと、それに呆れ果て決別する人たちをこんなにうまく描きましたよ。なんか癖になりますね。
ラストのYOU’RE NEXT(次はお前だ)の文字。次は我々の番か。そうだなぁ、争いを無くすことはできない。それがいくら近しい人であろうと。何が問題かはわからない。この映画のようにお金かもしれないしそうではないかもしれない。避けられない定めというやつですか・・・。
〇常識VS非常識
狩る側が、狩られるはずの者に狩られるという・・・
恨み辛み晴らして最後に生き残った恋人を殺すが、それを犯人と見て窓から発砲する警官。これはおもしろかった(しかし、発砲する前に警告したか? 確か警察では発砲前の警告は規則になっているはずでは?)。 その警官が、主人公が殺人鬼対策として玄関に設置したトラップに引っかかって死亡する・・・。警官は窓から彼女を撃ち、家に入るためにわざわざ玄関に移動する。その前の描写で窓からの出入りを何回も観せられての、玄関から家に入るという描写。我々鑑賞者の常識を逆手にとる。常人なら普通の行動であるが、殺人鬼という異常者ならどこからでも中に入りますから。その証拠に主人公の彼氏(最後まで自分の手を汚そうとしなかった腐れ外道)は、直前に窓から家に入る。他の犯人たちもひたすらに窓から出入りしていた。彼女も劇中窓にもトラップを仕掛けていたし、犯人が引っかかってもいた。最後の演出として警官に引っかけさせる演出のためであろうが、警官という常識人と、犯罪者という非常識人の対比としても捉えることができるのではなかろうか。そして玄関にトラップを設置というところで、アクティブでありながら彼女が常識人であるということを思い出させてくれる。
・・・そういえば玄関へスタートダッシュをきめて、犯人のトラップに首をヤられていた女性がいたな。犯人も玄関にトラップ仕掛けてるな。トラップを仕掛けたのがどちらの人種にせよ、
「玄関のトラップに引っかかる=常識人」
「窓のトラップに引っかかる=非常識人」
ってな構図が伺えるとした方が良いか。
〇最後に
グロテスクではあるかもしれないが、すごいコミカルに観られる作品であると思う。惨殺シーンに抵抗の無い方も是非・・・。
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