2015年1月20日火曜日

名探偵コナン 14番目の標的(1998)

名探偵コナン 14番目の標的[DVD]


~愛という名のエッセンス~

〇はじめに 
 劇場版第2作目 

〇想起する作品 
 「未来少年コナン」(1978) Aの予感 
 「スピード」(1994) 人質銃撃


〇こんな話 
 さあ、カウント始めるぞ!! 
コナン君と蘭のAの予感まで、
「目暮、英理、弘樹、勝義、沢木、小山内・・・、くどおおおおお、0」  
・・・ここにきて尚、新一と蘭の関係にはまだ2つ(以上)も段階を残している。この意味がわかるかな?

 キャッチコピーは「私の戦闘力は、14番目です」

〇名前と数字 
 名前を聞いただけだったら漢字は連想しないか? 

 この事件のポイントは犯人の標的となる人物に数字が入っていること。名前を聞いたときにどんな漢字を書くのか聞かないものか。「おさないなな」さんなんて白鳥刑事が名前を読み上げるてし、もうすでに7って宣言してるようなもんなんだが・・・、数字に敏感になっているはずの状況で、コナン君の説明でやっと察するという。いったい、何の事件の捜査をしていたんだ、彼らは? 

〇プライド 
 ソムリエとしてのとてもとても高いプライド。それは確かな実力の基確立された、山よりも高く海よりも深い。人間には例えようの無い大きな大きなものを抱えている。そう、それはまるで宇宙を統べるがごとく。しかしそんな人物でも叶わない願いがあった。故にある場所に7人の人物を召集することになる。全ては願いを叶えるため。1~7の数字が刻まれた名前を持つ者たち。 イー、アール、サン、スー・・・。出でよ~!!

・補足
 旭さん(9)は事前に殺されているし、願い事を唱える自分(8)は含めないとすると、集まった・集めた人物は1~7までの数字になるんですよね。なんかあったなそんなボールと。・・・つっかもうぜ!!

〇真実と事実 
 射撃に自信があるからと人質を撃つ。人質を犯人の手から助けるために人質を行動不能にし、犯人の足手まといにする。足手まといとなった人質など犯人にとっては意味が無い。犯人は無防備になる。逮捕だ~。
・・・という小五郎の
英理を撃ったという事実 と 英理を守るために撃ったという真実 

しかし蘭には小五郎が英理を撃った、つまり父親が母親を傷つけたことが真実になっていたわけだ。ここから何がわかるのか。この作品で常に叫ばれる文句、
「真実はいつも1つ」
というこの言葉は正確ではない、ということが言える。真実と事実、混同されているのではなかろうか。それをこの映画は説いていたのか・・・

〇ひとつの真実 
 この映画では毛利夫婦の別居理由と小五郎が刑事を辞めた理由が語られる。そこから明らかになったひとつの真実とは・・・

~愛(という調味料)は万能ではない~

 よく料理のおいしい理由として愛情がこもっているからどうのこうのというのがある。最近のCMでもあったな。料理において愛など二の次、三の次だ。求められるのは料理を作る人の腕だ、力量だ。そして何よりも素材の味だ。 それらの前提があって初めて、食べ手を思う気持ち云々が出てきて然るべきだ。
 なぜかって? 料理ってのは食べてもらうために作るのではないのか。愛する者に味見もしないで、いや、味見ができないほどの不味い飯を差し出すんですかあなたは?
 この作品で問題なのは、英理の小五郎に対する気持ちが料理のどの段階に置かれていたか・現れていたかということだ。彼女は小五郎に自分を助けてくれたお礼にと、料理を食べてもらうことではなく、食べてもらおうと作るというところに重きを置いた。小五郎は料理に対して、おいしいものを食べることを望んでいるに違いない。ここに両者のギャップが存在した。故に性格の不一致と。溝は深い。

 人質になった愛する者を助けるために、傷つけざるをえないといったところもあるかな。むしろそちらに重点を置いて話を展開すれば良かったか・・・

〇疑念 
 今さら気になったコナン愛用のメカシリーズの一つ、キック力増強シューズ。足のつぼを刺激し筋力を極限まで高めるんだとか。原作の方にあった話で、ある大人に対して小学校1年生の力でサッカーボールを蹴り、楽勝で止められる場面があった。人間は基本発揮できる力を抑えている。最大で20%?30%?ほどらしい。小学生がトレーニングもなしにそこまでの力は出せないとしても、半分くらいの力は出ると仮定しよう。最大限に発揮という表現がよくはわからないが、火事場の馬鹿力として100%出せるようになったとして、たかだか5倍~10倍の力である。そんなんで犯人を一発でノックアウトできるほどの力になるのだろうか。ロベルト・カルロスというサッカー選手のFKは、キーパーの指だか腕だかを骨折させたり、ぶつかった選手を気絶させたりしたことがあるらしいが、小学1年生の最大の力でそのようなことが可能なのだろうか。筋肉よりも骨の方がもつのだろうか。絶妙なコントロールで相手をノックアウトさせるツボにぶつけているのだろうか。謎は深まるばかりである。私は探偵ではないのでこの謎の究明はあきらめることにし、この謎は迷宮入りさせることにする。


「探偵が諦めたら、事件は迷宮入りなんだ!」


〇余談 
 「夢に出てきたお母さん少し若かったよ」との台詞、過去の記憶が少し改変されたものという演出だもんなぁ。

 元太の設定を活かして目暮警部の名前を「じゅうさん」と読ますのも伏線だからな~、すごいな~。

 ダウンウォッシュなんて単語知らんがな、コナン君ちゃんと説明してけろ。

 最後蘭を救出するために海水の中で目を開けられ、的確な行動がとれるコナン君すごいなぁ。

 蘭はトランプで1を意味するA(工藤新一)に助けられる。新一はある段階におけるA(蘭の未来少年コナン風酸素供給法)に助けられる。相思相愛ってか。
Aの次にはI(愛)がある。人工知能の完成です。

 阿笠博士って11以外に10も入ってるよな~。ん?10+11=21・・・・ブラックジャック!!

〇最後に
 「女性=料理ができる」みたいな常識というか偏見みたいなのが浸透している節がありますね。まぁ勝手な男の願望なのかもしれませんが、そのギャップをこの設定はうまくついてきたと。そして今や女性で料理ができるはステータスとして活きてくると。社会は変わりつつあります。いや変わってしまったのか。いやいや全く変わってないかもです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

悪女 AKUJO(2017)

~アクションは爽快~ 〇はじめに  韓国ではこの方はイケメンの部類なの? 〇想起する作品  「ニキータ」  「アンダーワールド」(2003)  「KITE」(2014)  「ハードコア」(2016)  「レッド・スパロー」(2018)...