~歳の差~
〇はじめに
劇場版第4作目
おそらく劇場版の中で一番複数の事件が絡み合う作品
〇こんな話
集団A:「ぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ」
C :「何話してるの?」
集団A:「何でも無いよ」
C :「・・・・」
集団B:「ぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ」
C :「何か楽しそうだね? 僕も入れてよ」
集団B:「お前には関係無いことだからダメ」
C :「・・・・」
集団D:「ぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ」
C :「ねぇ、何話してるか教えてよ」
集団D:「お前には絶対教えない」
C :「・・・・」
・・・というシチュエーションをサスペンスフルに描いたのがこの作品。
キャッチコピーは「輪、それはあなたを介さない」
〇目撃証言
目撃証言の曖昧さ、個人差を少年探偵団を交え描く。全員が全員犯人(の特徴)について違う証言をする。お前ら何を見ていたんだと言わんばかりに。ふと思い出してみると自分もどんな色の傘で、レインコートなのか微かに覚えてはいるものの、確証は持てなかった。子どもたち自身がいろんな色の傘を持っており、横断歩道で複数の男や女とすれ違っている。その辺の認識がぐちゃぐちゃだったに違いない。ん、そもそも子どもたちは犯人を見ていたか??
咄嗟のことが起きた時の人間の記憶ほど当てにならないものは無いらしい。どっかの大学の教授が講義中に実験を行ったらしく、仕込みでいきなり教室に飛び込んできた二人が喧嘩だか何だかを始めた様子を、それが収まった後に今何があったのかを生徒たちに事細かく書かせたらしい。そうすると争った二人は何事もなかったかのように教室を出て行ったのに、ナイフで刺されただとか、殺されたみたいなことを書いた人がいたとかいないとか。そんな実験があったとか無かったとか。状況を判断・整理する前にその光景を目撃することとなり、事後になって記憶の整理且つ改竄が為されると、おそらくそんな感じ。
〇ひとつの真実
~恋愛に歳の差は関係ある~
前作「世紀末の魔術師」でバレそうになったコナン君の正体。見た目を好む毛利蘭という都合のいい女によりそれは無事回避された。そして今作ではコナン君をさらに決定的に突き放す一言が吐かれる。「私とコナン君じゃ歳が違い過ぎるもん」 ガクリである。
彼女は歳の差を最大の障害と位置付けており且つ世間からの目を気にしている。そばにいる一途に蘭を思う小学一年生のコナンよりも、今は亡き(違った、そばにはいない)高校二年生の新一を愛するのである。まぁ、同一人物だからこそ救われる問題なんだが・・・。この辺の今彼(そばにいる男)・元彼(そばにいない男)問題に関してはいずれ上げるであろう「砂漠でサーモン・フィッシング」で語ります。
真実は明らかになったが、ここでひとつ真面目?な話を少し。
~心とはどこにあるのだろうか?~
という問題を取り上げたい。 殺された警察官たちがダイイングメッセージとして、心療内科の文字の一つである心を示すために胸を掴んで見せる。そこから彼らのメッセージは心を指したととるのである。故に心臓に心は存在する。この映画の言うように、心は心の臓、胸にあるのだろうか。しかしどこでものを考え、感じるのか。すべての司令塔は脳だとされていたのではないのか。しかし、何か辛い時に胸が苦しくなりもする。
・・・う、頭が痛い。もうやめる。
〇疑念
佐藤刑事は化粧室で襲われるわけである。犯人は男と。え?もう撃つ前に犯罪臭が・・・。基本この手の大型ビルには監視・防犯カメラというものがありまして、トイレの入り口付近を映してるはずではないのだろうか。・・・停電してたからまあ良しとするか。停電してからトイレに向かったとか言ってるからな。
〇余談
最初のコナン君のクイズで警察手帳に目を向けさせるもんな~、さりげない誘導多いよな~。
傘置き場の傘も事前事後の描写しっかりあるしなぁ。
あと最後のエンディングに入る時の構図が無茶苦茶好きだな~。
ここから・・・、
こう!
いや~、かっこええわ。
〇最後に
この作品は27歳の女性を綺麗に描く傾向にある(白目)。 今作の仁野環さん。そして前作の「世紀末の魔術師」の夏美さん、青蘭さん。以下参考までに・・・ということで今回は仁野環さんシリーズでお別れ~
コナン君と出会って一日でデレすぎだろがい!! ツンはどこ行ったのさっ。まぁ、そこがチャームポイントではあるんですけどね。
ではまた次の作品で・・・。