~クリスティ~
〇はじめに
こんな施設使い放題なんてことがあるんか??
〇想起する作品
「スペル」(2009)
「F エフ」(2010)
〇こんな話
クリスティを殺せ。
〇クリスティ
犯人側の動機らしきものが最初に映し出される。クリスティはこういう人物だからぶっ殺せと。キリストの信奉者で、裕福で(恵まれてる)、か弱いとかなんとか。このクリスティという人物の定義と、襲われる女の子との実際を見るのが趣旨わけなんだが。
ジャスティンは科学の勉強に長け(リケジョ)、バイトで汗水を垂らし学費を稼いでいる。節約のために帰省をクリスマスまで伸ばし、奨学金を得るためにひたすらに猛勉強している。で、まぁ強いんだわ。全く逆な存在なわけなんだよ。
寮にたった独りだからと浮かれる様で年相応の女の子であると見せ、サービスシーンだろうランニングにスイミングにて文武両道であることも想わせる。彼氏や友人との関係は良好で、警備の人への配慮も。まぁ努力家なんだわな。よくできた子だよ。
そんな彼女が親切のつもりでしたことが、馬鹿にされたと逆恨みされることから付け狙われることになる。クリスティだとされてしまう。
ここで注目したいのは、クリスティという存在を定めているのは誰なのかというところだ。犯人側の行動はもう誘導尋問みたいなもの。彼女に対して都合の悪いモノを見つけ出したいがためにやっていたこと。別に彼女がどんな人間だろうと構わない。普段の彼女など知る由も無いし、知る必要など無い。知ろうとする気も全く無い。たったその一場面だけでむかつかせてくれるだけでいい。引っ掛かれば、誘いに乗ってくればカチン、はい死ね。その動機を引き出せれば良かったわけだ。
クリスティがこういう人物であるから殺すべきであるとした本来の動機があったはずなのだが(いやそもそもそんなものがおかしいのだが・・・)、それが無くなってるわけなんだよね。ただクリスティを殺したいだけ。いやもうクリスティとかどうでもよくなってるんだよ。ただ女の子を殺したいだけ。だからこそその女の子をクリスティだと定めている。定める必要がある。
つまりクリスティに殺される動機があるわけではなく、誰かしらを殺したいから誰かしらをクリスティであると位置づけ、クリスティが殺されるべき存在だという最もな理由付け(後付け)をしているだけなんだ。
殺される動機ではなく、殺す(殺したい)動機なのである。
被害者に殺される動機があるわけではなく、加害者の殺したい動機の後付けなのである。
クリスティは彼氏を殺されたことで反撃に転じる。犯人を殺す動機、彼らは死ぬべきであるという理由を見出したことになる。犯人の仮面を剥ぐ場面。襲う側の顔を映し出す意図。今までに襲われてきた女性がいることを知りさらなる覚悟を決め、彼女は仮面を被る。彼女にもクリスティを付け狙う彼らの素質があることを見せている。誰が狙われるとも限らない反面、誰がそちらに転じるかもわからないと・・・
要は許容範囲(キャパ)の問題ってのもありましてね、各々の・・・
「ジャスティンは死んだ、私はクリスティ」
これってのは彼らにクリスティとして狙われたわけだけど勝利したってことの強調なんだよな。付け狙う連中とクリスティとの立場が逆転した。クリスティがフィーチャーされるということで。しかしその後の事件を暗示する。おそらくクリスティではなく別の形態で続いているということなのだろう。氷山の一角というのはクリスティ事件だけを指しているモノではなかった。
ハイゼンベルクの不確定性原理はこのネット社会における混沌を当てはめたかったのだろう。クリスティ事件の中の1人の被害者であるジャスティンという見方と、これにてひとまず幕を下ろしたクリスティ事件の全貌から眺める別に多数存在している疑似事件。
つまりは行方不明事件だった未解決事件が、ジャスティンという被害者からクリスティ事件だったという全貌が明らかになったわけだが、そのクリスティ事件の全貌が明らかになったことから類似的な犯行(事件)が顔をのぞかせ始めた。
行方不明事件とクリスティ事件が完全に一致するかというお話で。行方不明事件の方がおそらくは圧倒的に多いだろうし、逆にクリスティ事件で明らかになった行方不明事件もあるかもしれない。
加害者の殺したい動機を突き詰めれば単にむかついたからという訳の分からなさで被害者(の共通項)が定まらないし、被害者(唯一の生存者)を定めれば別の犯行が、加害者たちが見えてくる反面、この事件とは別の事件が垣間見られる。
〇最後に
ほんとにちょっとした行動がどこの誰の琴線(逆鱗)に触れてしまうかわかりませんからね。気を付けましょう、といってももうこれは気を付けようがないことでもありましてね。どうしろってんだよ・・・
ではでは・・・
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