~情けは人の為ならず~
〇はじめに
降りるまでが登山です。
〇想起する作品
「クリフハンガー」(1993)
「バーティカル・リミット」(2000)
〇目標
エベレスト登山の歴史として、
「先人」 → 「プロ登山家」 → 「商業化」 → 「商業化 及び 競争化」
ってな感じで、段々と多くの人に開けてきたそうな。
登頂が1つのステータスになる。生きて帰ってくればだが。 彼らは登頂を目標に山に登る。それを達成したら・・・
なぜ山に登るのか? という問い
彼らは如何に苦しかろうが、登頂を目標に掲げることでそれを乗り越えようとする。あと少しだと。しかし山頂に立ったと実感した時、1つの崇高な目標を達成した時、いったい何を想うのだろうか。その時点で満足感を得てしまうのではなかろうか。張りつめた緊張が解けてはしまわないだろうか。
人はなぜ生きるのか? 私は、死ぬためだと思っている。
それと同様、なぜ山に登るのか? という問いも、降りるためなのではないだろうかと。生きて降りる、誰かの元へ、日常へと帰る。
〇情
このような過酷な状況において「情」とは優しさか、ただの無謀か。
信用や信頼こそが過酷な状況を打破する上では最終的な決め手ではあろう。しかし家族や仲間の絆をもってして、命からがら助かる者と、止むなく死を迎える者。確かな実力や経験を持った者たちが、必死に足掻き、生にしがみつき、簡単に死んでいく。最終的に生死を分けるのは我々の判断ではない。いったい何が生死を分けるのか。それは山のみぞ知る。
生きて帰る者、死して帰らぬ者。劇中、「死ぬ」ではなく「眠る」というような表現を用いていたのは彼らへの敬意からなのだろう。ロブの最後の言葉も「おやすみ」だった。
〇プロ意識と根性
救出ヘリのパイロットがかっこいいんですわ。一切表情変えないというね。仕方なかったのか、敢えてなのかは別としてね。プロ意識を感じる。
「できるできないじゃねえんだよ、やるしかねえだろがよ」
それぞれのガイドを見せられてからだからまた活きるんですわ。ひたすらに情に厚いロブ。サポート手厚すぎ、サービスしすぎ。しかしそれでも足らないくらい。実力主義だがその分義理堅いスコット。コイツどんだけ身体酷使すんねん。登頂を手助けしようと、命を助けようと、仲間を見捨てまいと奮闘する。
そんな熱い男たちが、この作品にはいる。
〇余談
レビュータイトルは皮肉めいているところがあります。
〇最後に
何時間か私はあそこに、エベレストにいたんだ。
ではでは・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿