インパクト・アース(2015)

インパクト・アース[DVD]

～隕石でビリヤード～

〇こんな話 
　隕石が地球に衝突するとの極秘資料をＮＡＳＡ（ＮＥＯ？）の研究員が暴露。暴動、略奪で町は大混乱へ。しかし隕石による被害は・・・・・。 そんな中新たな隕石が・・・。前科のある彼の言うことを誰も聞いてはくれない（発見したのは助手です）。どうするどうする！！！！ 

〇対策
　隕石の軌道を逸らそうっと。

　インパクターだかってやつをどうにかこうにか何かにぶつけてだったか、何かをぶつけてだったかで隕石にぶつけて、逸らすんだったかな。何か中継が入った気がする。どうでもいいや。


〇結果論 
　国の、国民の安全を守るためにとった行動で国民が大混乱へ。
兄貴分との会話で、想定され得るリスクとそれを越える被害が起こってしまった場合の議論がなされているのが問題の投げかけか。

　これが難しいところ。災害の予報や予知でよく注目される。天気予報なんかが身近か。雨が降ると天気予報で言ってたから、傘持ってこうっと。雨が降れば傘持ってきてよかったよかった。降らなかったらその労力や荷物の邪魔加減を憂うだろう。そして一番に面倒くさいのが、中途半端に降って止んだ時だ。晴れてしまうと傘を持ってきたという事実すらも晴らしてしまう。どっかに置いてきちゃうんだよ・・・。

－整理－
　天気予報は雨
対策あり
①傘を持参　⇒　雨が降る　⇒　傘持ってきたっちゃ
②傘を持参　⇒　雨が降らない　⇒　傘邪魔くせえ～（傘とともに無事帰還）
③傘を持参　⇒　雨が降らない　⇒　傘邪魔くせえ～（傘消失）
④傘を持参　⇒　降って止む　⇒　止むんか～い（傘とともに無事帰還）
⑤傘を持参　⇒　降って止む　⇒　あれ？　何か忘れてる気がする・・・

対策なし
⑥傘を忘れる　⇒　雨が降る　⇒　傘・・・忘れた・・・
⑦傘を忘れる　⇒　雨が降らない　⇒　傘忘れたけど良かった良かった
⑧傘を忘れる　⇒　降って止む　⇒　まぁまぁまぁ、まだ慌てる時間じゃない
⑨傘を忘れる　⇒　降って止む　⇒　止んで良かった～

　結果だけ見れば最良の結果が⑦になるのかな。①は少し濡れちゃうしね。選択における結果で見た場合は①と⑦が同格になるのか。で、最悪の結果が③と。選択の全てが裏目に出る結果。傘を使うこと無く、失うこととなる。そして自らの心ももしかしたら・・・。

　選択と結果によるコストの判断。傘を持参するという対策。雨が降るという可能性に対する重要度の違いが選択を左右させるわけだが、傘を持っていく者は少なからず対策においてコストを払っている。買うという行為や、ただ持っていくという労力、忘れないという記憶力。雨が降ればそのコストに見合った結果が待ち受けているわけだが、降らなければただ傘を持参するというマイナスだけが発生することとなる。持っていかない場合はコストは０で、雨の有無という結果のみに左右される。




　もう少し頭良く見せるためにね、いや馬鹿さ加減を露呈させるためにね、被害の規模を大きくしてみる。

　例えば地震予知。予知の範囲（時間、場所、規模）が狭ければ狭いほど、情報としては役に立つ。日本で地震が起きる、より、〇〇県で、〇〇市でと絞っていった方が。そして２０〇〇年、だけよりも何月何日、さらには何時頃。そしてそして想定される規模。どれだけの被害をもたらすのだろうかと。この情報が正確であればあるほど講じる対策の損失を最小限に抑えることができる。いやその前に被害を最小限に抑えられる。こっちの方が大事だた。 
　で、問題はだ。その災害が起きなかったらどうなるのかと。被害が出なくて良かったねと簡単には収まらない。重複するが、それに対する策を講じた損失が生じるからである。

　劇中の事例を・・・ 
可能性としては隕石が落下する、落下しない、の二つ。落下した場合は地球が滅亡、としておこう。いや、違いがわからなくなるから、シェルターに避難できていれば生存者多数、にしよう。落下しなかったら被害なし。しかしこの前に行動に出る。隕石が落下するという情報を流すのである。これを流すことにより状況がちと変化する。情報を流したことによる何かしらの結果が生じることとなる。この場合は暴動による死傷者の発生。 

－整理－
・何もしない（策を講じない　対策費用０） 
　a,隕石落下　　　 ⇒　人類滅亡 　　　　　　　　　　　　　　　　　　☓
　b,隕石落下なし　⇒　被害なし（何も知らないまま） 　　　　　   ◎

・予知（策を講じる　対策費用あり）
　c,隕石落下　　　  ⇒　人類滅亡がある程度軽減 　　　　　　　　△
　d,隕石落下なし　⇒　予知による被害（暴動による死傷者）  　〇

　隕石が落下しなかった、という結果からのアプローチ。人類の滅亡が避けられたことよりも、予知の所為で死傷者が出たことに目が行く。この死傷者は発表が無ければ出なかった。その前の混乱も無かった。で、いざ衝突したら、あいつらはいったい何をしていたんだと騒がれる┐(-。ー;)┌ヤレヤレ


　これまでのをまとめてみると、事前の対策費用と事後の被害とを比較した場合の損益が問題なわけで。さらにそれが一括して数値化できないのもまた問題を複雑にしていて。あれやこれや事が起こっている最中は見えてこないものが、事後だと明確になってきたりして、結果論で話を始める。面倒くさいんですなこれが。




〇余談
　予知に関しての動画の拡散の仕方が対比になってるんかね。主人公と助手とで。ＴＶ局を通しての大々的な報道と、個人の動画投稿サイトへのアップロードによる自発的な視聴。  


〇最後に
　現地に赴かないで解決系ＳＦパニック映画。実物を目視することなくさくっと解決。衝突するのは隕石じゃない、人間だ！！　ご堪能あれ～。