2016年1月10日日曜日

デビルズ・ノット(2013)




~他人(ひと)~ 


〇はじめに 
 「白い沈黙」を鑑賞してみての、再チャレンジ。 

〇想起する作品 
 「ゴーン・ガール」(2014)


〇こんな話  
 山積みの仕事。時間に追われる中ある程度のクオリティが要求される。どうするのか。仕事量は増えるが、効率化を図りクオリティを維持するか。忙しいからと言い訳し手を抜くか。どうせバレないバレない。み~んなやってるよ。


「仕事なんて、如何にやったように見せるかだ!!」 

・・・ま、そこまでに至る原因を究明し解決しなければならないんですがね。 


〇信仰(崇拝)、信用 
 悪魔崇拝と、捜査や裁判における証拠や証言・自白ってのが掛かってるのかな。どれも不確かで不鮮明なものである。なのに信用するのである。信用するしかないのである。 


 人が人を判断するという行為。裁判において判決が下され、1つの真実に辿りつけたように、何かしらを信用し補っていくしかないのである。全てを観ているものなどいないのだから。そのための悪魔や神なのだろう。 


 信用すべきものは何なのか。この判断を下すのは誰なのか。何を基に判断するのか。信用すべきものを頼りに真相を解明しようとする。しかしそれは本当に信用して良いものなのか。警察の捜査、取り調べは強引なものでこじつけに見える。初動捜査の遅れや判断ミス。思い込み偏見、軽視や怠慢もあった。時に被害者遺族への気遣いも。これにより踏みこんで聴けない家庭事情があったりなかったり。虐待の気が・・・?。 尋問時間と証言テープの時間は一致しない。10時間を超えるものが数十分に編集されている。 


 検察は起こってしまった事実を辿るというよりも、勝手に決めた真実を創りだしている様にも感じる。段々と当事者、関係者もどこか急ぎ足な雰囲気に。だんだんと真相究明よりも、思いを晴らすことに考えが行っている。ぶつける先を創り出したいがためか。ただの逃避か。弁護側も時間もお金も無いと嘆く。憤りが募るばかり。裁判官は終始興味無さ気で、無気力、いい加減。 


 長時間の行き詰る捜査の中に、例え嘘や追い込められての自白であろうとも光が差し込んだら人間はどのように判断するのか。取り調べにより被疑者が自白を強要され、そのようにしてしまうことがあるという。これは逆も然りなのではなかろうか。そのおかげか自白が絶対的な指針となってしまう。盲目にしてしまう。そして事件以前に絞っていたターゲットだとしたら、こんな好都合は無い。

 まぁこれは刑事というものを信用したものとしての話だが。ほとんどが故意で事実を捻じ曲げるものであろう。彼ら独自の偏見や風習がそれに拍車をかけていた。彼らこそが犯人だという思考が常に先行していた。犯人であれという願いもあっただろう。そして犯人にしちゃおう、もう犯人で良くね?・・・と。

 何もせずにお金が増えていかないかな~ってな思考と同じ捜査をしていたのだろう。証拠探すのめんどいなとして、作っちゃおってなったんでしょ。  


 被害者遺族の心境はどうか。ずっと行方不明だった子どもたち。それが見つかったとなったら。そして容疑者が捕まったとなったら。最終的に1つの真実が提示され判決が下されたら。この段階を経てどのような心境に至るのか・・・




〇裁判というシステムの脆弱性 
 注、この作品を受けての印象である 


 裁判とは、真実を解き明かす場ではない、真実を創り出す場である。 

 検察、弁護側が真っ向から対立する主張を通そうとする。勝つことを前提とするため、それぞれに有利になるように事を進めるのは必然。そこに陪審員という存在。印象操作に乗り出すのは常套手段だろう。彼らは真相究明のために客観的に価値判断をする第三者的存在ではない。検察、弁護側の、どれだけ自らの主張が浸透したかを、信用させたかを測る指標でしかないのだ。

 証拠?んなのどうでもいいんだよ。如何に心に訴えかける言葉を、誰が吐いたかなんだ。こいつは信用できると思わせたもん勝ち。
 あとイメージの植え付けね。その場において、善悪の基準を都合の良いように改変させる。 


 被疑者はいくつかのマイナス面を指摘され、それを繋ぎ合わされ印象操作をされる。ただの一部分が強調、重要視されるのだ。そしてそれがその人物の全てになる。しかし証言者として出てくる刑事たちのマイナス面はまるで考慮されない。決定的なものであってもだ。何ともフェアじゃあない。検察は全体を眺めろと陪審員に説く。いったいその全体とはどこからどこまでなのか。検察側の限られた情報により定められた全体に過ぎない。それに踊らされる馬鹿な人間たち。多数派に所属することで安心を得、手のひら返しを繰り返す愚民ども。滑稽だな。自らは絶対に悪ではないと錯覚できる心情に怒りを越えて尊敬の念すら抱くよ。・・・ギクッ。 





〇最後に
 胸糞悪い話だよ。警察も検察も裁判官も弁護士でさえ、所詮他人事よ。仕事でやってるだけだし。陪審員、選ばれただけだし。公平性が増し、システム効率が上がったとしても、動くのは人間ですからね。欠陥だらけですわ。
 その欠陥を見つめ、改善することができるのも人間なんですがね。でもそんなんメンドくない? 好んでやりませんわ。現状で十分に通用していたわけですし。無理に改革なんて馬鹿げてますよ。今まで通りの個人の偏見によって形作られたものを採用しますわな。自分の好む方向にいろんなものを掻い潜って辿りついた効率化(サボり)の極地なんですから。ユートピアですわ。痛い目みないと気付きませんし、心変わりも難しいです。最悪何で私だけと、皆やってるのにと、開き直ります。

 そんなんでええんか、ここで一旦見つめ直してみるかな・・・。

 ではでは・・・




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