~種の保存~
〇はじめに
最初に出てくる学校の校長先生の名前がクラーク。SF、クラークときたら・・・。
〇想起する作品
「幼年期の終わり」
「宇宙のランデヴー」
「タイム・シーカー」(1999)
「カタストロフ」(2005)
「ナンバー23」(2007)
「地球が静止する日」(2008)
〇こんな話
ルシンダという少女がひたすらに数字を羅列した紙をあるルートから手に入れる主人公。科学者ならではで、そこに法則性を見出そうとする。そしたらなんと記載されていた数字は過去に起きた大災厄の日付と犠牲者の数だった。後にわかるが座標も。そしてそして過去の記録だけではなく、未来の出来事も書かれていた。はてさて・・・。
・ざっくりと
物理学と宗教。切っても切れない縁。 牧師の息子が物理学者というのも何か狙ってるんだろう・・・。
〇決定論とランダム理論
・決定論
全ての事象には理由がある。起こるべくして起こる。つまり未来も定まっている。
・ランダム理論
全ての事象は偶然。意味も目的もない。
〇疑念
その1:予言された数字
数字は災害の起きた日付と犠牲者の数だった。ここでふと疑問が湧く。
~災害の日付と犠牲者の数をなぜ宇宙人が知り得たのか?~
・日付とは
今使われているのは西暦(グレゴリオ歴)。これはどんなものだったか考えていただきたい。キリストに由来するのではないか。これは地球独自のものではないのか。
―――
イエス・キリストの生誕とともに西暦がはじまったわけではない。クリスマスもキリストの誕生日ではない。と言われている。
―――
なぜ日付が記せるのか。人類が神と崇めるものが、地球外生命体に由来するものだったのか。彼らが暦という概念を植えつけたとするか。長い間人類を監視・観察していれば問題ないとするか。人外の力が人類そして地球の運命を左右するこの構図。なかなかに割り切れない。
そして犠牲者の数はどうだろう。彼が劇中で調べ、確認していたのはインターネットの記事であった。犠牲者は本当にその記事の通りの数で確定していたのだろうか。遺体が見つからない場合もある。その場合は実際に亡くなっていても行方不明で片付けるのではないか。ある程度時間が経ったものであれば死亡認定を受けるのかもしれないが。死者数が記事のものと予言されたものとで同一になるのが引っかかる。しかし、データと照会し何かしら意図があることを気付かせるのであれば、この確定したであろう周知公開される犠牲者数でいい部分がある。
この数字により前項で述べた宇宙で起きる事象は決定論の考え方が当てはまるということになる。確定された未来。地球が消滅することは決まっていた。しかし、人類はそれが見えないからランダム論でもかまへんってな感じでしょうか。
その2:宇宙人
・二足歩行
男と女の区別がなくなっているか、生殖機能・方法が人類と異なるならこの話は通らないことを先に言っておく。人類は二足歩行を可能とすることで脳を拡大させた。しかし二足歩行が故に産道、子宮を小さくせざる負えずこれ以上脳を大きくできないという矛盾を抱えている・・・らしい。故にこれ以上の進化は望めない・・・?? まあ、わからんからいいや。次行きましょう。
・頂点捕食者
結局方舟関連で選ばれし者のみが救われるということになる。まず宇宙人は地球人に対してこれから起きようとしている災厄を伝えるとともに、選ばれし者を救おうとしている。星間航行を可能とする技術を有し、絶滅に瀕している種を選別し救おうともしている。それほどの文明を誇る種が、おそらく宇宙規模で物事推し量っている連中が、果たして人類なんて救おうと考えるのだろうか? という疑問が湧いてきてしまう。どんだけ上位種で親切なんだよ。種の管理でもしてるつもりか?あ、してるんだったかな? よくよく考えると人類も自然を大事にしようとする動きや、絶滅に瀕している種の保存、動物愛護など様々な活動を行っている。そんな見方をしてみると彼ら宇宙人の行動も少しはうなずけるか・・・。
上には上がいるっていう。本当の敵っていうか下位の奴らには到底見えてこない全体像みたいなものを残して終わる感じが欲しかった。保存される種に対しては知らざる、知る必要のない情報。そしてその種の保存を行っている者たちを統括する者の存在。そんな壮大感が足りない。
その3:選ばれし者
主人公視点でしか描かれないので定かではないが、これは男女ペア且つ子供。他の惑星で二人が駆けていくシーンが描かれるが、果たしてこれは生き残れるのだろうか。生き残れるか否かは関係なく、ただ人類のやり直すチャンスをやったというだけなのだろうか。選抜の条件として声が聞こえるか否かというのがあった。これは管理しやすいようにだろう。命令を聞かせやすいと言うべきか。要は宇宙人の実験動物(モルモット)になったわけだ。いや今も我々が知り得ないだけで実験させられているのかもしれない。そして保存、保護された種は(人類の再スタートと言っているから)人類だけなのか。うさぎは連れてっているが。
その4:これが終わりではないとの最後の言葉
物理学者の主人公もそうだと答える。 いいえ、終わりです。
・・・しかし人類と言う種は残される。(地球に残された、そして滅びゆく)人類視点で考えるから終わりと思ってしまうのだろう。自分という視点以外にその他大勢の人生があるように、人類という視点以外にその他大勢の種が存在する。もっと大きな見方をするならば地球以外にも多くの星がこの宇宙には存在する。人類が解明した宇宙の謎はほんの数%だ。人類以外の知的生命体がいてもおかしくはない。コンタクトする手段がないだけで。つまり人類がどう足掻いたところで、影響しないものの方が多い。蚊に刺されるほどもないのではないだろうか。
〇最後に
括りで決定論、ランダム論変わるよねと。この辺の世界の境界線と言うのか、人類と宇宙人だけでなく幅を持たせられれば、こちらも勝手に妄想が広がったはずだ。
人類にとってはランダム論、宇宙人には決定論。これを宇宙人に上位種がいれば、宇宙人にとってはランダム論、上位種には決定論みたいな展望ができたではないですか。
そんなこんなを含めて・・・、うむ、おもしろくない。
ではでは・・・
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