2015年11月8日日曜日

マイ・インターン(2015)

字幕翻訳:岸田恵子


~理想の男性像~


〇はじめに
 しょぉ~じき、そこまででもなかった。いやおもしろかったし、好きなタイプの作品ではあるが・・・。わたくし、号泣覚悟で行きましたからね勝手に。

 ロバート・デニーロのおかげで観られる作品だったかな。まばたきってのは元ネタがあるのけ? 顔芸は持ち味出てましたね。


〇こんな話
 男たるものこうありなさい!!




〇ジェネレーション
 世代間のギャップや比較が堪らない。

 ・履歴書が自己紹介ムービーに

 ・電話帳が紙媒体から電子媒体に

 ・シャツのインとアウト、スーツとカジュアル

 ・仕事観 上司と部下の関係

などなど


 自分を如何に見せるか、見てもらうのか。というところが真骨頂な業界。ファッション業界?? これが軸にあるから社長をはじめとした若者とインターンのギャップが活きてくる。分刻みのスケジュール、時間に追われる中のワンクッション置く会話。自分のことで手一杯の中に、余裕のある人生の先輩且つジェントルマンが。業界のカリスマ、最先端の中に時代錯誤が。古き者が、おっさんが、新しい風を吹き込んでいく。このギャップを埋めていくきっかけが節々に置かれているのがまた素敵だ。

 
 ま、誰もが承認欲求があるわけですわ。見られたい、認められたいと。そして慰めてほしいみたいですよ。ただこれは成功例。だいたいは弱味に付け込んで来る人たちではないでしょうか。見返りを求めてくる人が多いと思いますよ。いや、そんな冷たいばかりの世界ではないかもしれません。この作品に少し希望を見出しましょう。


 彼もまた誰かに必要とされたいからとインターンに応募したわけで。彼の振る舞い方は、若者の中で生き残る1つの方法だったと言いましょうか。しかしそれを自覚しているからこそ、他者に紳士になれる、女性が望むべく男性像を体現できるともとれるわけで。認められたい若者たちと、必要とされたい、頼りにされたい老人。ここの需要と供給のバランス。若者から老人への役割の移行。しかしこの移行がうまく行かないとおそらくはヒステリックな老人になってしまう。何でそんないつも不機嫌なん? おそらく彼らは怒りの理由すらも分からず何かに腹を立てている。
 ロバート・デニーロの成長失敗例は「ザ・ファン」(1996)を観ていただければと思う。


 自己紹介ムービーで人に必要とされたいとするのを、カメラに向かって独りで語っているのがまたおもしろいんですよね。孤独死が話題になってる世界観でこれはどこか悲しくもある。人からの評価は直接的に見えてこなくなったのかなと。誰でも視聴できる動画投稿サイトであれば、一方的な再生数やコメントがプラスにしろマイナスにしろその価値を決めている。電話やメールでも人との繋がりやすさは確かに増した。FacebookやTwitter然り。しかしその便利さに頼る余り、面と向かって話す機会は少ない。人の顔が見えなくなってきている。いや、見られなくなってきている。そんな中での一昔前の人間の役割なんですよね。この作品で見つめるべきは・・・



〇余談 
 予告の曲はサントラに入ってないのね。 
 GROUPLOVEのWays To Goね。

 ケイシー・アフレックって何かあるの? 業界でディスられてるの? 
「ゴーン・ベイビー・ゴーン」は好きですね。



〇最後に
 アン・ハサウェイは私の中では「プラダを着た悪魔」が全盛期なんですよね。塗り替えられず。活き活きした役が似合う御顔と言いましょうかね。あの若さならではと言いましょうかね。これもありですがね。どちらかというとデニーロに寄ってますね。

 ではでは・・・



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