2015年3月23日月曜日

ストロボ・エッジ(2015)



~人間像~ 


〇はじめに 
 映画館からの帰路、あの二人のようなカップルがいるのかと行きかう人に目をやっていた。そんな中ふと視線を上げると、点々と明かりがともっているマンションが目に入ってきた。そして思う、この中でどれだけの人たちが〇〇〇しているのだろうかと。 

〇こんな話 
 ある女が、彼女がいる男に告白をして、違う男に攻め寄られて、その男の元彼女に引き離されそうになって、付き合うお話。 

〇人間像 
 少女漫画という特有の雰囲気だからこそ気になったことがある。 
― 好きになった人間像とはどのように創り上げられたものなのか?? ― 
ということだ。 
 彼女が好きになったのは、彼の人生のほんの一部を切り取り繋ぎ合わせたものに過ぎない。主には登下校を含めた学校生活の中だけの彼だ。それを勝手に良い方に解釈をして、好きになったわけだ。それが告白以降彼との距離や関係は近づき、その付き合いの中で様々な真実が明らかになっていくはずであった。彼が彼足る所以。女性が憧れる彼の人間像の形成過程というか。要はギャップだ。彼のプラス要素を支える何かしらのマイナス要素。しかしこの作品においては、出てくる情報全てが彼の印象をプラスにしかしない。常にプラスなんですは。イメージが全く落ちない。突然舞い降りた完璧な男の子。別れを切り出すのも女の子の方だ。そんな非の打ちどころの無い彼にますます思いを募らせていくこと必至。まぁこれが狙いなんだろうけど、そこが解せない。で、唯一のマイナス要素が男の友情関連に昇華される。 いや、男から見てもかっこいいと思いますよ。でも何かもうギャグなんですよ、実際彼のような存在は・・・

 イラつくので、次の項目で男から見た彼というテーマでマイナスイメージに貶めよう。 

〇男から見た彼 
Q. レン君いっつも一人だけど友達いないの~?? 
A. いいえ、大親友のタクミ君を際立たせるための演出です。 

Q. シンクロニシティってな~に?? 
A. 男と女がつながりたいという衝動を隠すための言い訳です。 

Q. たまにポエマーになるよね?? 
A. わかる人にはわかるのです。

・・・・ダメだ、力及ばず。

〇世界
 大人の存在がほとんど描写されない。物語に直接関わってこない。唯一のその世界とのつながりはレン君の彼女なわけだが、それは途中切り捨てられることになる。つまりはそういうことなのだろう。大人の世界との隔絶。汚いというイメージを劇中の恋愛に結びつけさせない。ピュアなんですよ。しかし下衆な心を持つ者には逆にそれを助長することになるだろう。

〇余談 
 電車の中で音漏れするような音量で「愛唄」聴いてる人間ってどうなのよ?? 

 修学旅行での一場面。二人の背景には蓮の池。花言葉は、
・離れゆく愛
・雄弁
・清らかな心
・神聖
・・・・etc

 最後二人の間に「9」という数字が描かれた電柱のようなものがあるのだが、これは何か意味しているのかな・・・「苦」??

〇最後に
 劇中で起きている現象はいったいどこの世界で起きているものなのだろうかと、ひたすらに他人事であった。脳内パニックで、鑑賞後ひたすらに頭痛に悩まされたのは、また別のお話。

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