~ダーリン~
〇はじめに
お食事時にはオススメしない。
〇想起する作品
「マシニスト」(2004)
〇こんな話
これどう思う??
〇汚いだっちゃ
最初の雨漏り的な一定間隔でポツポツと音を立てているのは不安を煽ってるの? それとも気持ちを落ち着けているの? 他にどんな意味合いが考えられる? 単にこれを機に安心して眠れなくなるってな誘導か・・・ いやまぁ寝てるけど。
シャワーヘッドや水道の蛇口に水垢(いやカビ?)がたっぷりとこびりついてる様を観せつける。トイレの詰まり浴槽の排水溝の詰まり・・・、水回りが特に汚い。そんなところに主人公はひたすらに手を突っ込んでいく。そのまま受話器を手にしたり、洗わずにタオルで拭いたり・・・。
そんな家のそんな主人公に警官は時折水を飲ませてくれと要求し、学生はトイレを貸してくださいと床にうつ伏す。
ものすごいムズムズする。ん?ゾクゾク?ざわざわ?
詰まりの解消の際、何が詰まっているのかという原因を探るのはもちろんなのだが、その解消よりも自らの手が汚れるもしくは汚れたことに意識が集中してしまう。ヌメヌメとした感覚が蘇ることで寒気を覚えることがないだろうか。原因が何であろうと関係ない。仮に原因が取り除かれたとしても残る、蘇ってくる感覚がある。この作品は当にその感覚を刺激してくる。
精神科医のセルフサービスは良い対比だ。セルフサービスというかマイ水筒とかマイ〇〇の方が良いのかな? 水気を拭きとるというのもナイス。
気にならない人は別に構わない。他人の家で出されたモノを何の躊躇いも無く疑いも無く手にする口にすることができる。いやそんな人たちだからこそ平気で〇〇もらえますかと頼めるんだけど。いやまぁどうしてもってな緊急事態は別ですがね。あと親しい間柄だったり、招かれてとかは・・・
私も潔癖とまでは行かないしそもそも掃除なんて滅多にしない人間であるが、意識に登ってしまうとそちらが気になって気になってどうしようもならなくなるってなことはある・・・ 「キャビン・フィーバー」の1と2で下品な話題を繰り広げたが、あの感覚に近いんですわ・・・
よくラーメン屋等で指が入ってるだどうのと話題になることがある。私は別段それ自体は気にはならないが、それを気にしてしまう心理が理解できないわけではない。大体指が入るという行為自体を責める人間は、自らの振舞いにはルーズだったりするわけだが、そのケースはここでは扱わないでおく。
問題は指が入った事ではなく、その入った指がどういう経緯を辿ってその器に入ったのかということなのだ。それが指が入ったという場面だけでは見えてこない。この見えないところをどこまで気にするのか気にしてしまうのかというのがこの話の神髄である。
主人公の身の回りの生理的に受け付けない汚さを観せられての、一方的に押し掛ける学生や警官の何やねんこいつらといった図々しさから見えてくる無頓着さに無神経さ。よくこいつら〇〇が気にならないなと、気が回らないなと。その水綺麗? その水飲んだコップ歯ブラシ入ってたヤツやで? この人トイレに手を突っ込んで手を洗ってませんけど・・・ 妻の不倫相手は状況が定かでは無い中人の家に入って来るや否や暴力を振るい、一応紹介で来た精神科医ではあるが主人公の都合はそっちのけで予定を一方的に決めつける。空白部分を認識しないで行われる周辺人物の行動の数々にモヤモヤするわけであるが、その空白部分がどこか不潔に描かれているのと、空白部分の根幹である主人公の記憶事態が曖昧というもうわけわからん状況で話が進むことで、何とも不安を煽られる。
〇最後に
お口直しにね・・・