気ままに映画批評します。よろしくお願いします。 Filmarksにて「foxtrot」という名で作品の点数を整理していきますので、よろしかったらそちらも参照してみてくださいm(__)m
2014年2月21日金曜日
ザ・ファン (1996)
ある男がある境遇から、ファンであった野球選手のストーカーになるお話。
〇経緯
ストーカーになるまでの経緯みたいなものをちょっと考えてみる。 このロバート・デニーロ演じるギルという男は途中明らかになるのだが、人にしろ野球にしろ何かに依存・執着してきた人物。 ギルの執拗なまでに何かに執着するという行為は、最初は依存ではなく野球という自尊心からはじまったのだろうが・・・。
・依存の経緯として以下
まず勤めている会社の創設者だか社長だかの「父親」、
結婚して子どもができたら次に「子ども」、
そして何もかも奪われてからは、ファンであった「野球選手」。
というように劇中では相手の立場上ストーカーにはなるものの、結果的に依存する対象が変わっているだけととれる。 そしてこちらの思いとは裏腹に依存する対象からの恩恵というか反応がこちらの望む形・大きさで返ってこない。にも関わらず、自分の存在を証明してくれる存在であると錯覚しているため、その要求する見返りも自ずと大きくなってくる。その繰り返しにより思いは増幅していく。
最後の野球選手に関しては(本人の思い込みなのだが)、自分が起こした行動の影響が結果として野球選手の人気もあり周知の事実になるため、なおさらギルとしては自己満足を得られるはずなのに、それが認められないためにだんだんと狂気じみてきてしまう。
ここまでは行かずともほとんどの人間にこういった感情はみられますね。私はこんなにもがんばっているのに・・・なんで認めてくれないんだ・・・的な。と考えるとストーカー予備軍ってたくさんいますね(笑)。 まあ、しかし一般的にこの感情は自分の中で昇華します。それができずに認めさせるという犯罪的な行動に出てしまうのがこのギルなんですね。
〇まとめ
人という字は人と人とが支え合っているんだという文句に対して、いや支えているのは片方だけだ、一人はよっかかっているだけじゃないかと反論したような話がありましたが、まさにこの映画はその反論通りの考えをしてしまっている人の映画。要は、俺があいつを支えているんだ。俺こそが唯一あいつをわかってやれる、と錯覚してしまっているキチガイ男のお話ってことになります。人間って怖いですよ~。
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