2014年1月23日木曜日

グランド・イリュージョン

グランド・イリュージョングランド・イリュージョン (2013)

【監督】ルイ・リテリエ
【出演】ジェシー・アイゼンバ-グ / マーク・ラファロ / ウディ・ハレルソン / メラニー・ロラン / アイラ・フィッシャー / デイヴ・フランコ / コモン / マイケル・ケイン / モーガン・フリーマン


★★★☆ [70点]「短絡的思考」

短絡的思考によるミスダィレクションに直面させてくれる映画。この短絡的思考は効率的勉強法が重要視される現在の教育体制で否が応にも身についてしまっている。決して悪く言っているわけではない。

○基本的な騙される心理として
いかにダイナミックなマジックでもタネは地道で地味であるのに対して、それを見抜こうとする者たちの思考はそのマジックに直結するようなもの(洗練された科学技術やら)がタネであろうというショートカットを優先する。それゆえに誰もが思いつく(これは言い過ぎかもしれないが)ようなトリックでも見抜くことができなくなる。
・以下持論
(今日の教育は学年が進むごとに)九九を覚えさせる(に始まり)ように答えのアプローチを楽しむというより、より難しい答えを求めるためにその肝心のアプローチを短くしようとしがちで、基礎・基本というよりそこからの発展・応用を重要視しがちである。例としては方程式(この映画で言うタネ)を導くことよりもその方程式で問題を解いてゆくことを優先するということ。問題を提示された際にどの方程式に当てはまるのだろうとまず考えてしまう。つまり問題をパターン化して解いているのだ。そのパターンというのが短絡的思考という問題のところで、ある問題に対しての見方が一方的になってしまう。それゆえに少しそのパターンをひねられると間違った方程式を導きださせられ、こういった話には騙されてしまう。実際には方程式に当てはめるということだけではなくその方程式へのアプローチという段階が必要で、ゆえにそこをカットさせることこそが人を騙すトリックといえる。

経験という情報のるつぼ。これも思考というのに大きく影響する。解決法として思いつくのは今までに陥った状況と現在の状況とを照らし合わせてそれと一番近い方法を探し出すことだろう。これが現れるとこの手の映画に関しては過去のものと現在のものでの対比が行われ、もう騙されるものかと疑り深くなる。そうなるほど情報の選別が難しくなり、思考がより難解な方に進む。

〇総括
騙されるということが気持ちよく感じられる作品でした。基本的にこの手の作品は後味が悪いものが多いのですがそれもなく、しかしすっきりできるからこそ何か悔しくもあり最後に負け惜しみ的解釈すらしてしまいました。

○余談
女性捜査官が妙にセクシー。首元が開いてる衣装だからなのだが、首筋らへんにホクロが二つあってそれが気になって仕方がない。この注意を引く演出もミスダイレクションなのか!?・・・と。


Posted by foxtrot on 2013/12/26 with ぴあ映画生活

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