~時間差トリック~
〇想起する作品
「ブラック・サイト」 (2008)
〇こんな話
誘拐された女性を助けたくば、ポーカー勝負に勝て。そんなインターネット犯罪に挑む。
〇騙される心理
ネタバレとしては、アリバイ作りのための時間差トリックだったわけで。騙すトリックというか心理をちょっと。
・ポーカー勝負
ほぼ運ゲーであり、勝敗が実力に左右されない。コンピュータというランダムもあり、勝敗が確実に決まっていないからこそ、犯人と警察(助けようとする者)が同時間という対等な存在だと錯覚させられる。
・インターネットを介するサイトの(ライブとされる)映像
いくらでも捏造可能だが、常に犯行に関して後手にならざるをえない状況で、ライブなのか録画なのか確かめる方法はほぼ皆無。
・犯人本人がゲームに立候補
初めてのものであれば信憑性の問題もあり、その犯行は軽視されるか、無視されるので時間差トリックは見破られず、犯行はほぼ成功する。二回目は自分が名乗り出ればほぼ成功且つ容疑者から外れる。助けようとしているわけですからね、表向き。そして助けられれば恋する彼女のヒーロー。失敗しても自ら勝負を買って出た姿勢で恋する彼女から同情を買えるというオプション付き。本当の狙いはそっちだったわけだが。ポーカーのスペシャリストがゲームに勝ち、称賛を浴びた、且つ彼女とスキンシップというかボディコンタクトがあったことからそれは伺える。その辺も見るところなのかな~。
犯人は主人公を愛するがために犯罪を犯していたという設定。違う女性から好意を寄せられている節もあるが、そちらには興味は無いご様子。贅沢。
最初の犯行のときに時計をちゃんと映してくれてるのでね。トリックの演出としては割と親切ですかね。
〇疑念
なぜ犯人は映像に音声を入れたのか?
これが犯行を紐解いていく決定的な鍵となってしまう。音声というところが、LIVE映像であるというリアルさを追求するところだったのか。
〇最後に
時間差トリックという何ともフェアではない犯行。犯罪にフェアもアンフェアもないのだが、そんな卑怯で残虐な犯人は最後も見事にゲスい行動をとってくれる。しかし常に有利な立場でいるという環境に慣れてしまった犯人は、いざ正々堂々対戦者と同じ立場に立ってみたら見事にテンパりまくり。さようならぁ、となるわけで。何ともあっさりというか深みが無いというか、物足りなさを感じる方は多いのではなかろうか。
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