~脱獄屋~
〇はじめに
コテコテのサスペンスではないからおもしろい。サスペンス要素に囚われ過ぎずに映画を楽しめる。含まれるサスペンス要素が全てスタローンとシュワちゃんに繋がるといっても過言ではない。だからこそ読めるシュワちゃんの正体。わかって尚最後かっこいいと思ってしまうからなぁ~、さすがだよなと。
〇こんな話
脱獄屋、プリズン・ブレイクを職業とするスタローン。
最初に脱獄の所業を観せ、スタローンの脱獄屋としての実力を顕示し、それを踏まえての難攻不落の刑務所へレッツゴー。果たして彼は脱獄することができるのだろうか。あ、シュワちゃんもお忘れなく。
〇読み合い
刑務所の所長は収集家気質で囚人に対して資産価値うんたらかんたらで所有物だと思っている。「HUNTER×HUNTER」にいたブラックリストハンター的な。かと思いきや金に目がない感じもあったからよくわからない。刑務所存続のためか。しかし、分析家であり刑務所に対する主人公の著書により脱獄対策・対処は万全。かと思いきや抜け穴が。知ってるから、知りすぎているから騙される。意味のないところに気づき深読みしてしまう。という騙され具合。これが著者と読者の違いか。著者の思いと読者の印象は異なるからな、うん。そんなこんなで所長は出し抜かれます。
〇完璧なシステム
システムは完璧でもそれを実行するのは人間であるために起こる不具合。そして完璧と言われるシステムを構築するのは完璧ではない人間で、結局完璧なんてものはありえないのかという問題に直面する
・人間の習慣化における危険性
特に完璧なシステムにおける、看守という人的要因について言及する。
人間は何でも初めてのもの、新鮮なものには緊張だったり恐怖だったり最新の注意を払うものだが、それが習慣化・常習化してきてしまうと要領や効率を求めるようになる。パターン化である。それが組織においては時間やコスト等、個人では単純に体力等においてメリットとなる場合が多いが、裏目に出ることも。この映画はその一例。
パターン化とは・・・
思考の介入なく体を動くようにするといったオートプログラムとでも言おうか。思考を介することなく、体が勝手に動くように必要な動作を体に覚えさせる。そしてそれは日常的なものについて起きる、というより自分で体にプログラムする。悪い意味で捉えるなら、サボり方がうまい。良い意味で捉えるなら、線引きがうまいといったことだろう。この映画における脱獄、すなわち革命・反乱などは定期イベントではあるが、日常的ではない。看守としては、稀にしか起こらない非日常(定期イベント)における対策を常に備えるよりは、日常における最低限度に要求されるライン(囚人たちの内紛等の対処)を把握しておけば、支障を来たすことはまず無いと言っていい。勤務時間、巡回経路などなどパターン化してしまう。脱獄の前例がない難攻不落という要素と、外に出たところで海という安心や慢心もあったかもしれない。
そういったパターンをスタローンは見抜いていく。
〇水川あさみ(33分探偵)
監獄船という難攻不落という要素を広告で宣伝すなよ。したところでおもしろさは変わらないってか? だってひとつの山場を迎えたシーンがそれで台無しですよ。「うん、知ってた」33分探偵水川あさみ風な言葉が出てきました。
〇最後に
老いたな、二人とも。しかしここまでに熟々した二人だからこそ描ける映画でもあったのかな。おもしろかった。
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