2014年7月4日金曜日

ストーム・インパクト(2013)

ストーム・インパクト[DVD]


~予報被害~

〇こんな話 
急速に発生・発達する強力な竜巻がある町を襲う。その竜巻は風による被害だけでなく、岩をも降らせる。これはそんな現象に立ち向かった勇敢なる者たちのお話。 

〇竜巻 
この映画における竜巻の恐ろしいところは、発生の予測ができないほどに急速に発生発達するところ。そして気象レーダー等には捕捉されないところ。レーダーより人間の目に頼れ。つまり、機械より人間を重要視しろと。計算より長年の経験や勘を頼れ。結局頼りになるのは自分の体、自分自身であると。そんなメッセージを勝手に受け取ってみる。

〇予報 
劇中に描かれるある事態。こういったディザスターパニックには必ずと言っていいほどの演出。唯一危険を察知する者と、それを論外だとあしらう者の衝突。まあ実際のところ予報もされておらず、さらには晴天の中いきなりある二人が竜巻が来るから逃げろと言われても信じられないですよね。 
今日では天気予報は予報がはずれれば気象予報士がたたかれるというまでに技術及び精度が上がってきた。某気象予報士は予報がはずれることをネタにしているくらいだ。この映画では、竜巻を危険視する二人をよそに、報道関係者はその報道を最低限に抑えようとする。なぜこのようなことが起こるのかと憤りを覚える者もいるだろう。しかし、よく考えてほしい。予報を行いある事態を予測したとする。当たれば当たったで雨程度の気象現象であれば、「天気予報信じて傘持ってきてよかった」などと自己満足で終わるだろう。大災害であれば、大勢の命を救ったと英雄だ。はずれればどうだろう。「雨降らなかったね、傘持ってきた意味無いじゃん」「あ、電車の中に傘忘れた、くっそ~」で済めばいい。しかし現象の規模が大きければ大きいほどに、大きな損害を被るハメになり、たった一度の失敗が信用を失う事態にも陥る。執拗に民衆の恐怖を煽ったことへの報いすらある。そんなことを考えると報道に規制がしかれたり、情報漏えいは最低限に抑えられて然るべきと言える。
詰まる所予報精度が100%に至らないところからくる問題であるわけで、おそらく予報精度はいつまでたっても100%にはならないと思うので、人間には一生ついてまわる事態だと思います。結局何を信じるのかという個人の情報収集・選別能力に頼らざるをえないのです。気をつけましょう。

〇疑念 
・被害
岩を何十キロも移動させ降らせるという強力な竜巻と言っているのだが、最初の竜巻の被害は記念碑のようになっている岩だけ。その周辺の建物には一切被害は無い。不思議だ。

・爆発する岩について
四方八方に岩石を降らせるという。氷だったか。そしてその降らせる物質とはとても不安定な固体で、爆発もする。とても危険だ。
中間圏に存在するオゾンが(液化し)、二酸化炭素(ドライアイス)に包まれることでできた塊が降ってくると説明されていた(図1)。以下オゾンボールとする。銀だこのように、「外はカリカリ(固体)、中はトロトロ(液体)」と思われる。それが生成された環境と地表の気圧差により爆発をする。
(注、吹替えだとCO₂の塊ってなってるんだけど、字幕はオゾンの塊となっていて、台詞でもオゾンと言っているから・・・。伝わりやすいようにCO2にしたのかな。ドライアイスとかの方が身近に感じるし、知っているだろうから・・・かな。)


図1 オゾンボール

物質内外の圧力差で爆発する・・・ 
竜巻の中で生成されるオゾンボール。竜巻は地表よりも気圧が低いと。あれ、物質の中が高圧だからこそ怒りうる爆発のはずでは・・・?。生成される場所が地表よりも気圧が低いということは爆発ではなく爆縮になるのでは・・・。少し簡潔に以下。
圧力が
・外<オゾンボール内 = 爆発
・外>オゾンボール内 = 爆縮
になるはず。こんな感じではと図2。


図2 圧力差


液体オゾンの気化による膨張率ってのは地表の大気圧をはるかに凌ぐんですかね。化学に疎いものでよくわかりません。

〇最後に
この映画のようなとんでも現象が実際に起こりうるかは不明ですが、起こらないとも限らない。実際に起こったら我々としたら立ち向かうというより、逃げまどうしかないんですけどね。よし、気をつけましょう。

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