2014年7月15日火曜日

レッド・ドーン(2012)

レッド・ドーン[DVD]


~軍事力~

〇はじめに 
やろうと思えば一国を占領するなんて簡単さ。ただそんな無謀な事は誰もやろうとしないだけ。ってな皮肉かな。 後先考えようぜ。

〇こんな話
 ヨーロッパ諸国が財政危機に陥り、それに振り回されたアメリカを中心とする同盟国が、テロ活動に翻弄され各国に軍を配備する中、自国の警備が手薄になりその隙に北朝鮮がアメリカを占領。占領された地で若者たちがウルヴァリンズと名乗りゲリラ戦を繰り広げる。果たしてアメリカを取り戻すことができるのか・・・。 

〇国土占領 
自国の警備が手薄になるという説明は最初にされるのだが、「エンド・オブ・ホワイトハウス」という作品といい、領空における警備システムはどうなっているのか? 空を埋め尽くすほどの軍用機が領空を侵犯しているわけで、それまでの対処が杜撰すぎやしないか。「特攻野郎Aチーム」なんて領空侵犯した途端にミサイルぶち込んでたぞと。いや、サイバーテロも問題になっていたから、軍事・警備システムをやられていたとも取れるのか。仮にハッキングできているとしても、侵略の具合がアナログなんだよなぁ~。と不満を漏らしてみる。 
サージ電流が原因とか言ってたな。電子機器が全部使用不能になり、軍が全く機能しなくなってしまったのだとか。

〇ゲリラ戦 
北朝鮮に領土を占領される中、かろうじて逃げ切った若者たちは軍人の兄貴を中心にウルヴァリンズというゲリラ部隊を編成する。歴史的に見る今までの対戦国、死んでいった戦士たちへの敬意を表し、彼らに学ぶものがあると、自分たちを正義の味方ではなく、悪と定義している。しかし自分たちを悪と定義しながらも、家族を殺されることで復讐の動機付けが為される。やられたらやり返せという心理がはたらく。そんな中ゲリラ戦のための訓練と情報収集、及び仲間・物資の確保。 物資が無ければ持ってる奴らから奪えばいい。 黒幕の存在などなど、彼らの活動を見せられると、必然的に侵略者が悪だという風に持って行かれる。この辺が何かしらを守る戦いにおいての必要悪とかと関係してくるのかなぁ・・・。

ウルヴァリンズのリーダーだった兄貴が死亡する。兄貴(リーダー)にとって代わる弟。個人プレーに奔りがちだった男が国のため、仲間のために立ちあがる。ウルヴァリンズの活動と共に精神的成長を遂げる。この最後はこれからも戦いは続いていくという暗示と、時代の変遷があろうと受け継がれる意志というものがあることを描きたかったのだろう。アメリカという国への忠誠心や愛国心、アメリカのテロや敵国には決して屈しないという姿勢が見てとれる。 

若者が一端の兵士になっていくとともに、元軍人がその若者に負けまいと行動し翻弄されるところも見もの。軍人がとろうとする最善策・安全策ではなく、若さゆえの少しリスキーだが最適とも言える行動に困惑してしまう。

〇軍事力 
やろうと思えば、どこの国も対象とする国への侵略行為は可能だが、それをしないということを言いたいのか。各国との関係に重点を置きその均衡をやぶらない。強大なる力も操れなければ意味がない。力を持て余すとはこういうことだ、という全力の皮肉。軍事力を戦争ではなく戦争の抑止力に使え。そんな感じか。

〇最後に
国のために戦うということで侵略者を倒すことを正当化する。先ほども書いたが、ウルヴァリンズの位置づけを一応は悪として定義し、これがおそらくは今までにアメリカが侵略した国や者たちへの少なからずの敬意を示している。台詞でも言ってるし。そして戦おうと立ちあがるのが若者たちというのも、あからさまなアメリカ=正義というのを軽減しているようにも感じる。いやただ単にアメリカという国は愛国心がここまで浸透しているという演出をしたかっただけなのだろうか。軍人だけが愛国心と表して国のために戦うわけではない。アメリカという国はアメリカに住む者全員が全力で抵抗する。アメリカの総力や底力はこんなもんだと。
結局はアメリカ大正義となる。そんな映画。

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