2014年12月12日金曜日

LOOPER/ルーパー (2012)

LOOPER/ルーパー


~ループ~


〇はじめに 
 SF好きだと真新しさは感じられないかもしれないが、SFらしさは感じられる作品。 設定・内容的には「ターミネーター」と「バタフライ・エフェクト」を足したような感じの印象を受ける。タイムパラドクスを扱う映画では、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は観とくといい。 

〇こんな話
 LOOP / LOOPER / LOOPEST
・・・ってな感じでしょうか。いいえまったく違います。



〇契約 
 ループを閉じるとは? 
未来人を殺すことの契約を解消するには、送られてくる30年後の自分を、自分で殺さなければならない。殺すことで30年の余命と金が与えられる。それは同時に30年後過去の自分に殺されることを意味する。自分に殺されたならば、ループを閉じることができる。・・・ことがループする。 

 契約上この物語には二人の主人公が存在する。現在の主人公がまず未来の自分に合うところまでが描かれ一旦切る。現在の主人公はループを閉じることに失敗するのだが、そこからループを閉じることに成功した未来の自分が辿ってきた道を描く。それによりこの主人公が辿るはずであった未来を一気に観せ、運命からの逸脱へのルート散策を楽しむことができる。 

〇ループ
 劇中でタイム・トラベルが複雑だどうのこうのとブルース・ウィリスの台詞があり、それで疑問を回避しているのかもしれないが・・・・ 
 最後に主人公(現在)が、ある者がレインメーカーになるまでの未来が視えるという演出が為され、その時間軸を進むことでその場の主人公(未来)につながるということで一つのループが確定したことがあり、同じ時間軸に存在していることがわかる。 

 最終的に主人公(現在)と主人公(未来)の時間軸が繋がっていたという前提で為し得る結末を迎えるわけだが、途中主人公(未来)の現在(映画の舞台となる時代)での存在確定が記憶に依存するみたいな場面があり、仮にその通りならば二人の時間軸は繋がらず、パラレルワールド的なノリになるから、最後の場面は成立しなくなるはず。要は別の存在になっていると。
 違う言い方をすれば、両者はその場面において生と死という別々の選択をしていたことになる。生と死という分かれ目で、現在の彼は死を選んだが、未来の彼は過去にその場面で生を選択した世界を生きてきたとなれば、両者は別の存在となり彼らは繋がらず、現在における彼の死という選択は、未来の彼には何の影響も及ぼさず意味を為さなくなる。 
・・・ん?待てよ。生と死という選択の分岐点ではなく、死(が決定している)という分岐点により枝分かれしたパラレルワールドというのなら、互いが別の存在になっていようともありか。そうすれば現在において未来の彼が起こした出来事も無くならずに済む。劇中現在の彼の行動が、未来の彼に影響・干渉している場面が何度も存在するし。いやいやその場面で死を選択したとする分岐点ならば、未来の彼はその場に存在できるはずが・・・

・・・その辺のことはよくわからないし、もういいとして、未来から送り込まれてくる未来の自分を殺すことでループを閉じるとしているものの、そのループを閉じることがループしてしまうという設定上、最後に本当の意味でループを閉じたということにつなげたのはうまいと感じた。

〇最後に
 とりあえずタイムトラベルぐっちゃぐちゃだなと。整理してもしきれないし、どこからどこまでが正しいというか、割り切ればいいのかと。タイムトラベルは非常に難しい題材です。他の作品と比較して観ていくといいのではないでしょうか。わかりやすいのは「タイムライン」でしょうか。ではでは・・・。

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