2014年12月25日木曜日

メトロ42(2012)

メトロ42[DVD]


~誰が悪いのか~

〇こんな話 
 地下鉄が水没する。地下鉄内には多数生存者が存在するが、このまま対策を講じねば都市も水没する。はてさて・・・。
主な視点は地下鉄内の避難民です。 

 大筋は地下鉄パニックになるのだが、サブストーリーとして子供のいる夫婦における、妻の浮気の黙認をする夫の成長と言うか、心境や態度の現わし方の変化といったことになるのだろうか。地下鉄の中で妻の浮気相手と相対することになる夫。そんな状況下での心の葛藤を描く。 

〇地下鉄 
 地下鉄という状況と、都市が水没するかもしれないという状況における対策が、とても良い閉塞感と緊張感に誘ってくれる。地下鉄はレール上に電流が流れているという周知の事実からそこに水が溜まっていたらどのような行動をとるべきなのかというのは明白。明白と言うより行動の選択肢が狭まるといった方が良いか。しかしそれをおいても外に出たいという望みが上回るという地下鉄と言う環境。閉所恐怖症には恐ろしい。  

 「252」という映画があった。あれは2回、5回、2回と音やら振動やらで生存者がいることを知らせる信号があることを教えてくれた。自然界における音と区別させるための意図的な信号と言う意味でもあったんだったか。この映画にも是非ともそのようなシステムを採用してほしくあった。ロシアにそういった方法が無いのか、一般人だからそこまでの知識が無かったのか。まあ日本でも「252」という映画を観るまでそんな知識が無かった私がいますからね・・・。 

 地下鉄、乗りたくないな・・・。

〇浮気 
 一概には言えないのだが、浮気はする方(男女二人)が悪いのでしょうか、される方(男女一人)が悪いのでしょうか。された方はした方を悪いと言う。する方はされた方のことを「させた」などと言い、一方的な被害者ではないとだだをこねる。そこに子供(親権)が関わってきちゃったらまた複雑になっていくわけで・・・。この議論に終着点は存在するのか。
・・・とここでそんなことを議論したいのではなく、この地下鉄にて起きてしまった事故に関しては、誰にどこに責任が生まれてくるのかと。この項のタイトルを浮気としたのは、この夫婦における浮気の責任の所在を曖昧にする、考えさせることが、この地下鉄の大惨事における多数の関係者の中での責任の所在と照らし合わせていると感じたからだ。要は誰が悪いのかだ。誰の所為でこんな被害が出たのか。
 事故後避難する段階か、
 地下鉄を利用する段階か、
 運営の段階か、
 設計の段階か、
 地下鉄を通すという企画の段階か、
・・・地下鉄という概念を創り出した時まで遡るか。
これをどこに誰に責任の所在、非があるのかということだけに言及し、ひねくれて突き詰めていくと、究極人類の誕生まで遡ることになる。世代を遡ることになるんですよ。子(弟子)の責任は親(師)の責任、のエンドレスです。しかしそんな訳にも行かずどこかで誰かしらが責任をとらねばならない。そりゃあ理不尽に感じますよね。私の、俺の、僕の、自分の所為じゃないし・・・と。そして怨恨が生まれ、それが争いとなり、何かしらの被害が出て、どこに誰に責任があるのかと・・・果てしないな。

〇最後に
・いつ何が起こるかわからないのでね、気をつけて生きいこうと思うわけで。被害者とは限らない。加害者になるかもしれない。そのためにもひねくれて過去を遡るのではなく、自らの経験や糧として過去を見直していこうと思う、今日この頃である。

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