2014年12月16日火曜日

ダムネーション(2014)



~大義とエゴ~ 

〇こんな話 
 不必要なダムをぶっ壊せってことを訴えている作品。

〇大義とエゴ 
 ダムは何をもたらしたのか。エネルギー、雇用といった人類の利益となるもの。そして自然との調和を乱し、生態系を破壊し、文化・伝統を捨てらさせもした。それらの事を考えてみようとこのドキュメンタリー。

 活動家のインタビューがとても印象的である。彼の言動は何か挑発的で、興奮している。彼は本当にダムの存在に反対して、自然や生態系その他もろもろのために活動を起こしているのかと疑問を覚える。彼の活動はただのエゴではないのかと。ダムを排除することが自然界において好影響を及ぼすことを配慮しての活動というよりも、ダムにメッセージを残したのは自分だすごいだろ、というような自分の主張や顕示、とそんな自分を承認されたいがためとしか思えない。敢えて偏らせているのではないだろうか。とともに活動家の活動をもう一度見つめ直すべきだともしているのではないだろうか。 

 最初のルーズベルトのダムの必要性を説く偏った演説に対して、最後は撮影者による活動でダムに対して断固反対であるという偏った意見で終わる。ダムの必要性に関しては特に世界恐慌を持ち出して、公共事業による雇用の増大を訴えている。しかしそれは昔のことだとして、現在はそのような必要はないと訴える。
 偏った意見を描いておいて、注視すべきはその間に描かれる意見だろう。ダムの関係者、活動家、下流域の人々・・・などなど。利益や不利益、影響、被害、ダムがもたらしたものは数知れない。それらを観てあなたはどちらの意見に傾くのか。そんなところにある学者が念を押す。ダムがいったい何をもたらしたのかということを是非ともに検証し、不必要なダムを排除するべきであると。 そんな中性的意見を含め、ダムに対しての意見の柱としては 
・反対 ダムを全て破壊しろ (監督の主張、活動家) 
・賛成 ダムは必要だ    (ルーズベルトにはじまり・・・) 
・中立 不必要なダムを失くすべきだ (学者さん) 
の三本ある。さぁ、あんたはどうよ!?ってのは別に訴えていなくて、最後の終わり方は先ほども書いたが、監督のダムに対する意見を誇示して終わる。で、それをある程度受け入れているダム関係者や村だか町の者たちという構図を観せる。そもそも(現在の?)ダム賛成派の方々には自然を破壊しようぜという意思はない。自然を破壊することが目的ではないからだ。雇用、仕事・・・のために行っているに過ぎないのではなかろうか。だから活動家たちにもある程度寛容で、力で排除しようとは(表向きには)していない。
・・・それをどう見るのかというのが我々には問題。活動家万歳とはならないだろうし、ダムを全面的に肯定もしないだろう。何かどこか落ち着くところはないだろうかと思いをめぐらせるのではなかろうか。自然との調和云々と言われるし、DAM/NATIONと色分けされているのも何か意味があるだろうと。
 時代の変遷によりダムに対する考え方が変化してきた。ダム建設を肯定的に捉える意見が多かった時代から、ダム建設の影響が何かしらに現れはじめ、声を上げる者たちの意見が取り上げられ、そして大きくなってきた時代へと。ダムの賛成と反対という意見がどちらも弾圧されることなく、この作品のように議論として取り上げられるようになったのが良い例か(ダムの歴史は全く知らんが)(お前はいったい何を観てきたんだと言われても・・・)。何もこれはダムだけの問題ではない。時代における意見や思考の変化は我々が身近に直面する事象にも言えることだ。そんな中あなたはどのような意見を持つのだろうか。賛成でも反対でも中立でも良い。しかしそれは時代における干渉は無いですか。本当にあなたの批判された意見ですか。流されてはいませんか。・・・ってな感じで締めておこう。

〇最後に
 ドキュメンタリーはどうも疲れる。正直に言うと途中寝てしまった。やってる会場のですね~、席がですね~、もう寝る前提の仕様なわけですよ。気持ちよかったな~・・・おっほん。ではでは。

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