2014年12月20日土曜日

渇き。(2014)

渇き。[DVD]


~渇き~ 

〇はじめに 
 Jean Cocteau曰く 
「ある時代が混乱して見えるのは、見えるほうの精神が混乱しているからに過ぎない」 
・・・だそうで、
 つまりはあれですか。この作品がカオスに見える人ほど、心の中がぐちゃぐちゃだと。直視、直面できた人はまっすぐな迷いの無い人間だと。 

〇こんな話
 お父さんが娘を探すお話。

〇渇き 
 「渇き」という単語を聴いたときにいったい何を思い浮かべるだろうか。私の場合はのどの渇きだった。水を欲するという衝動。砂漠のようなカラッカラの情景が目に浮かぶ。その感覚と、この映画の言う(演出やらを含め、伝えようとしている)「渇き」という単語がどう結びつくかというのが問題で、この映画の評価を分ける原因になっている。 

 何かしらに飢えるというところからくるであろう渇き。この演出が全てであろう。わざとらしく常に汗まみれで汚れた服を着、酒やドラッグに溺れて娘を求める主人公。その娘を取り巻く者たちも何かしらに飢えており、過激な演出が映える。児童買春組織を組み込むのも、男が狼のように若い女を求めるという渇きを描くためだ。酒、ドラッグ、女という中毒性のあるものたちへの飢え。それは決して満たされることはない。主人公の最後の境遇もそれの暗示か。これらの表現があなたの持つ渇きと通ずるかが鍵。
・・・つながらないんだよなぁ、私的には。

 直接的に彼女は本編に登場せず、誰かしらの証言と、関係を持った者との状況しか映し出されない。故に最後まで彼女の像がボヤけている。彼女はいったい何者なのか、と言う明確な答えを出さないのか、ただ単に私の理解力が足りないのかはわからないが、彼女(の正体)を求めるという渇きが父親のみならず我々にも沸き起こることだろう。

〇余談
 私的見解であるが、バイオレンス要素として、海外のものと日本のものとを比べると、確実に日本のものに不快感を覚える。その辺の偏見もこの映画に対する評価に関わるか。

〇最後に
 この映画をもう一度観ようという「渇き」は起きなかった。
ではでは・・・。

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