2016年11月22日火曜日

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK(2016)

字幕翻訳:戸田奈津子



~弱さ~



〇はじめに
 前作の邦題「ジャック・リーチャー」にしとけば良かったんだよ・・・

 ただ、ジャック・リーチャーがどんな生き方をしているのか、してきたのか、というのを今作だけで十二分に堪能させられる作りなのはすごいんだよなほんと。



〇こんな話
 トムの笑顔に癒されましょう。
〇弱さ
 最初に観点というところから入ったのはうまかった。とあるダイナーにて何人か倒れている中一人カウンターに座る男。これをどう捉えるのか。彼が倒したのは明白であるが、それはただその一場面から判断したことに過ぎない。保安官視点に過ぎない。なぜ倒したのか。何か事情があったのではないのか。後ろのテーブル席では女性が怯えておりそこから繋げられることがあるかもしれない。そしてあの顛末。全く別の、逆の見え方ができてくる。

 そして軍における命令の絶対さを逆手にとったところ。ストレートな質問は答えられないが、ほんの少し質問内容(観点)を変えることで答えを導き出してしまう。それに対応する女性がクールなんだよね。そして命令を出していたと思われる大佐が始末される場面。この軍における命令の絶対さを意識するともっと上の存在がいるのかもしれないと想起できる。そこに大将?(将軍と訳されていた)の存在である。

 前作でも出てきたが、木を見て森を見ず。この観点というところの描き方が抜群にうまい。



 一匹狼故の自由奔放さを観せた前作。これが彼の絶対的な強さだったわけだが、今作は逆に弱さという面をフィーチャーしている。それを2人の女性でまず観せた。

 ターナー少佐。男社会の軍においての階級の存在や、リーチャーの隙をフォローする腕っぷしというところで強さを観せる。しかし常に武器を手に取ろうとする画で、ほぼ絶対的に埋められない差があることを意識させ、女であることを強調する。そしてリーチャーとの痴話喧嘩。コーヒーにミルクを入れなきゃ飲めないってのもそうなのかな?ブラックで飲めない。

 サマンサ。思わぬところで頼りとなるがやはり所詮は子どもであることがひたすらに描かれている。そんな中で見せた一面が、弱いのならばその弱さを利用するというものだ。強い男は妹がいる、もしくは欲しがっている。そこに付け込み守らせればいいのだと。

 この2人の弱さというところを解消しようとする上でのアプローチの違い。弱さを克服しようとするのか、逆に弱さを利用するのか。


 そしてリーチャーだ。2人の存在のおかげで一匹狼ではできなかったことが可能となるが、逆に足を引っ張ることにもなるという。そして娘かもしれないという引っ掛かり。彼の弱点となる存在。それを徹底的に狙ってくる刺客。彼はいったいどうするのか。

 今までの彼というあり方故の、女性2人を前にした際の輪に入れないぎこちなさ。それは女性2人にも別の観点から言えることで、大人と子供、男と女・・・ ここからの最後の件がじわりじわりと心に沁みる。  



〇最後に
 いや~最後ウルっと来るとは思わなんだ・・・

 次はどうするのだろうか、このパティーンも嫌いじゃないけど・・・ まだまだ観てみたいシリーズだ。


 ではでは・・・


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