2016年8月29日月曜日

女子大生・恐怖のサイクリングバカンス(1970)

女子大生・恐怖のサイクリングバカンス


~全員容疑者~

〇はじめに
 まず女子大生が出てこないのと、主人公にとっての外国語ですら字幕が馬鹿正直に全てを訳してくれちゃってるのが、製作者の意図を全く汲まないすばらしい仕事だなと感じる。

〇想起する作品
 「ブレーキ・ダウン」(1997)
 「ジーパーズ・クリーパーズ」(2001)

〇こんな話
 女子大生を探せ!!





〇あやし~い
 ジェーンとキャシーの2人が休暇をサイクリングに勤しむことにしたわけだが、2人の口から飛び出す言葉は仕事の事ばかり。患者のことばかり。仕事熱心なのかは定かではないが、それほど仕事に時間が割かれているのだろうことは伺わせる。そんな折角の休暇なのである。

 サイクリングの何を楽しむのか。2人の見解はほぼ正反対。サイクリングをすること自体を楽しむのか、サイクリングの(合間の)道程を楽しむのか。

 複数で旅をする場合は少なからず誰かに合わせなければならなくなる。全員が100%満足の行く旅など不可能と言っていいだろう。一緒に行動することが前提だが、絶対的な自分の時間はまず作れない。何かしらを許容し容認しなければならない。それで2人のひと悶着なのである。逆に一緒に行動してよかったなんてこともしばしばあるわけだけど・・・。それで2人の引くに引けない姿なのである。一緒に行動しとけば・・・

 一本道ってのも何かあるんだろうな・・・ 喧嘩別れしようともその道を辿れば(戻れば)2人は合流できたはずだから。本来それしか選択肢が無かったはずだから。しかし別の分岐ができた。気を付けろ!!

 OPとEDで同じ音楽が流れるのよね。現場へと向かうパトカーが通った道を逆方向に女性二人組が自転車を漕いでいく。これまた道が繋がってるのよね・・・ この辺りが「AND SOON THE DARKNESS」ってなことなのけ? 一寸先は闇って諺かと思ったが別に英訳はあるのね。ようわからん。



 2人のやり取りを見せられての外国という場所での不安なのよね。喧嘩であろうとも2人で同じ言語を用いて言葉のキャッチボールができていたわけだがそれがうまく通じなくなる。2人で完結できていた感情(関係)が孤立することで解消されなくなる。そういう目で見ると全ての人物の言動が一々疑わしい。気遣いや配慮なのか、貶めようとしているのか。疑心暗鬼に陥る。全員容疑者だ。


〇最後に
 はじめにも書いたのだが、サスペンス要素の軽減にはそこまで至らないものの、字幕の訳し方が気になる。外国という言葉がわからない故のあの不安な雰囲気が台無しになっている。折角文化にギャップを覚える姿を2人で描いているのに。しかしそれを以てしてもおもしろかった。誰を信用していいのかの線引きがまるでできない。一々信用を喪失させる描写はさすがだろう。

 ではでは・・・



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