2014年6月12日木曜日

BOUND9(2011)

BOUND9[DVD]

~商業価値~ 

〇はじめに
アイデアはなかなかにおもしろかった。「ソウ」を手掛けた人たちがやってればと思うと・・・。宝の持ち腐れだぜ。 

〇こんな話
痛みを感じることで体内に生じる物質を取り出そうとする実験に、ある装置を取り付けらた男女が巻き込まれていく様子を描く。 

〇アイデア
アイデアとオチはなかなかによく練られていると感じた。しかし、それだけに内容に不満が残る展開となってしまっていた。以下参考までに。 

実験となっているのだが、オチとしては商売が成立している(っぽい)のでこれを実験というのは・・・どうなのだろう? 仮に実験だとしたら相当初期の実験でないとおかしい。主催者側の手に入れたい物質が正確に何なのかはわからないが、もっと効率の良い採取法があるはずだからだ。複数の男女をわざわざ誘拐して、自発的にやらせているのが謎。最終的に被験者が死ぬのだったら、ベッドにでも縛りつけて強制的にやらせればもっと効率は上がるはず。なんなら治験と称してバイトでも雇えばいいんだ。いくらでも集まるだろうに。そういう映画いっぱいあるし・・・。映画的にゲーム要素を盛り込みたいというのはわかるが、それならばその実験内容の鑑賞者が必要不可欠。商業価値を麻薬売買以外に、資産家たちにショーとしても観せるなど他のものにも見出すべき。

あとその物質を集める基準となる単位がパーセントってどうなんですかね? 生物学的なことはよくわからないので詳しくは言及できないが、誰かがわざわざ単位を変換してくれているということでしょ。そんな無駄なところに労力掛けてる割には、他のところがお粗末な奴らなんだよな。まあでも最後が100%という絵図の方がその目的に向かって頑張るとか、より被験者の意欲は湧くのかな。なんか変に親切だな、被験者にも映画の鑑賞者にも。 痛みとその物質の量とを具体的に結び付けさせないというのもねらいなのだろうか。被験者が容量を得てしまうと、この実験の目的とする部分(痛々しさ)を満たせなくなるからな。100%にならないと意味を為さない(効果が期待できない)とか、その物質を取り出せないとかいう理由もあるのかもしれない。

この組織は変な所に頭が回りすぎていて、違和感が半端ない。絶対にこの組織は財政的に破綻する。明らかに商売の手法を間違えている。商業価値を創り出すのはピカイチなのに、それに価値を見出せないとは・・・、もったいない。

〇商業価値 
最近の出来事であるが、客に対して女子高生がプロレス技をかけるというお店が摘発された。年齢とかの問題らしい・・・。詳しく何が法律に触れたのかというのは言われてなかったような気もするが。
まあ、何が言いたいのかというと、どこに商業価値を見出すのかということ。正直この摘発事件をニュースで聴いたとき、バカだなと思う反面、尊敬の念を抱いてしまったことは事実だ。普通そんなことを思いつくだろうか。JKとプロレスを結びつけることがあなたに可能だろうか。思いついたとしても実践しようとは思わないというのが普通だろうが・・・。
こういう商売を目にすると、おそらくほとんどの人が常識や性癖を疑うのだろう。そういった偏見が世界に蔓延しているからだ。そして非難することが自分とその世界を隔てることを簡単にするからだ。そんなことはさておき、何を隠そうこのお店のアイデアが素晴らしいのである。そこに需要があることを見抜き、商業として提供したことがすごいのである。まだまだ摘発されていないだけで、様々な種類のそういったお店があるのだろう。しかし、それは社会的に非難されるような内容でしかない、もっと別のところにその力を使ってはと思うかもしれないが、多くの需要を抱え、それを満たしていることもまた事実なのである。くだらない世の中だ。しかし、それがおもしろくもあるのである。

〇最後に 
どこに、何に、どのような、どれほどの価値を見出すのかは個人の自由である。しかしそれら全てが世間的に認められるわけではない。 なぜそうなるのかは時代や風土といったものによる影響が大きいだろう。芸術家たちの世界ならわかりやすいか。存命のころは評価されなくとも、死して評価される者がいる。世間一般で言ったら、過去には当たり前に世間に出まわっていたものが、将来的にはプレミア価値がつく・・・など。評価や需要というのは時代により異なるわけで、それをいかに見抜き供給するかが商売には問われる。さらに言うなれば、今という時間だけからではなく、過去という傾向から将来的なものを予見しなければならない。先見の明と言われる力か。そんな力が欲しいもんだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

悪女 AKUJO(2017)

~アクションは爽快~ 〇はじめに  韓国ではこの方はイケメンの部類なの? 〇想起する作品  「ニキータ」  「アンダーワールド」(2003)  「KITE」(2014)  「ハードコア」(2016)  「レッド・スパロー」(2018)...