2014年6月10日火曜日

ブラインド・フィアー(2013)

ブラインド・フィアー[DVD]


~あっさりめ~

〇はじめに 
「パニック・ルーム」という映画の既視感を覚える。観ている最中にひたすらにこの既視感がちらつく。 宣伝にもこの映画の名前は出てきてるので、意識はしていたようだ。

〇こんな話 
戦場カメラマンとして活動していた女性が自爆攻撃に巻き込まれて失明し・・・、その後は彼氏(ライアン)とペントハウスで幸せな金持ち生活を送っていた。・・・このいきさつがまったくわからない。金の出所は?という疑問に駆られ、まあそこがこの映画のネックになるのだが・・・。 
ある日ライアンが強盗?仲間に殺されるところから物語は一変する。強盗が一旦は絵画の裏の金を発見し持ち去るもこれは本命ではなかった。2000万ドル相当のダイヤが目的であった。そんなの知らないと主人公は弁解するも通じず追い詰められていく・・・。

〇薄味 
私利私欲のための共闘・共謀は結びつきが弱く崩れやすい。それによる疑心暗鬼からの犯人たちと主人公の裏の読みあいは最後まで緊張感があっていいのだが、そこに付け込んでまで展開を打開しようという主人公の動機が見えにくい。犯人に対してダイヤの隠し場所としての心当たりをひたすらに羅列するだけでいいではないかと。そうしない理由として、仮に一つの答えを導き出すことができようともそれでは内容的に薄すぎる。・・・と感じてしまうから最後まで疑って観ていたのだが、その答えにたどり着く。わけわかめ。 おそらく犯人もその答えを知っていいたのだろう。すべてを見越してのすべての暴力的な行動だったわけか・・・。 
・・・と、ここで冷静にこの映画を分析してみる。まず、問題は主人公の目が視えないという事実と、以前の仕事が真実を写しだすべくカメラマンということ。私的意見ではあるが、カメラマンというのは真実の印象付けにより、観る者に対して何かしらを訴えかけるという職業。これらを踏まえると、あるメッセージが浮かび上がってくる。 あなたたちが今視た映画の内容だけでは真実にはたどり着けないと。 誰がこの映画の中だけに真実が有ると言ったと。 視えるものだけを重要視しすぎだと。 つまるところこの映画は描写不足・演出不足・登場人物の関係性薄など、わざとやっているのだと解釈する。これは皮肉エンドか・・・? 

〇背景 
登場人物および物語の背景が薄すぎてついていけない。というよりせっかく深める部分を作っているのになぜ放棄するのか。
妹:妊婦
妹夫:警察
犯人の職業
年越しイベント予定
・・・などなど。放棄というより、実際事件が起こってみれば当事者以外の関係性はこんなものか・・・。 しかし年越しで花火があるというところから、最後の銃撃戦に持っていくところはうまかった。失明からの聴覚特化は「デアデビル」に通ずるものがある。 
あと猫も・・・。最後は皮肉が効いててよかった。 

〇解釈 
彼女もライアンと共謀していたという話で、結果的にダイヤが残ったからよしとするのか、お金のことなどどうでもよく、愛する者の死を嘆いているのかその辺がよくわからない。絵画の中に札束を隠しておくなど、強盗に対しての防衛策が張られており、襲われるというある程度の予想はされている。主人公たちも覚悟の上だったことは確実。 最終局面で主人公はダイヤをビルの上からひとつずつ投げ捨てていく。これは執着がないということなのか、愛する者を亡くした悲しみからの犯人たちに対しての当てつけなのか、八つ当たりなのか、倍返しなのか(ここ笑うところです)。いろんなところで読めないものが多い。 

〇最後に 
全体的に既視感と薄味感が否めず、全体的な感想として正直そこまでおもしろいとは感じられなかった。

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