~エイリアンものへの皮肉~
〇こんな話
ある島で繰り広げられるエイリアンとの奮闘喜劇
〇皮肉
いきなりネタバレになるのだが、この映画のエイリアンはアルコールに弱い。これが話の根幹であり、おもしろさのミソ・・・、いや、そこまでおもしろくはないかな。 職務怠慢や万年アルコール漬けな島民たちにより得られるエイリアンたちへの打開策。真面目な奴らだけだったら生き残れなかったわけで。救助隊だかが島にたどり着くまでに一日かかり、エイリアン襲来をその間凌がなければならない。そこで打開策となるのがパブでアルコールを飲みまくること。つまり酒盛り。島民にエイリアンの事実を知られないように隠密機動するものの・・・。酔ったら無駄にポジティブ・楽観的になったり、トイレ近くなったりいろいろ障害があるから、まあうまくいかない。シラフと酔ってる者の真面目とノリの言動の噛み合わせがうまくいきそうだったり、いかなそうだったりで、その辺もまたおもしろい・・・と思う。
普通のエイリアンものはこの映画のような正常な判断ができなくなるような行動はご法度、であるにも関わらず、この映画はそれを是とする。新しい。そして設定としてはある程度のアルコール度数が必要であり、エイリアンとの対峙などもってのほか。普通の判断・行動もできるかも危ういくらい。こういう設定という条件付けをするところが何か真面目で、無かったら無かったで指摘してしまうのだろうが(いや、気付かないかな)、そこがジャンルとして捻りきれていない感じも受ける。どうせなら、エイリアンの酒の好き嫌いがあっても良かった気がする。そこから描ける異種間ギャップがあったかもしれない。「贅沢だな」とか、「こんな不味いのが?」とか・・・。
〇余談
要望としては未成年を出してほしかった。子供が出てこないんだよな、この映画。島という限定的な条件で島離れとかが進んでいるのかもしれない、と思ってはみたところ、エイリアンに対してアルコール推奨映画だから出せなかったのだろう。この子供の問題を解決してくれたらもっとおもしろい作品になっていたと思う。
〇最後に
「ザ・フィースト」というエイリアンもののテンプレというか、お決まりパターンを見事に切り捨てる作品があった。この映画もそれと同じようにエイリアンものの映画を皮肉った形となる。エイリアンとアルコールという結び付きそうもない、しかしマッチさせれば何か新しいものが創りだせそうな題材を扱ったところが見どころだった。かといってそこまでコメディに奔らない。もっとはっちゃけてくれて良かったように思う。吹っ切れなかったものか・・・。この手の映画を作ったことに意味があると吹っ切れるとするか。
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